「ラストのシークエンスには痺れた」黒い十人の女 散歩男さんの映画レビュー(感想・評価)
ラストのシークエンスには痺れた
市川崑監督作ってことで鑑賞。噂には聞いていたが見逃していたタイトル。
「誰にでも優しいってことは、誰にも優しくないってことよ」と言われてしまう男・船越英二をめぐる十人の女の話。なんとも奇妙な味わいの映画。どこに進むかわからない会話と物語。最後の台詞の応酬は禅問答のよう。ブラックコメディというよりももっと別の何か、という感じがした。
女優はやはり山本富士子と岸恵子の存在感が群を抜いてた。あと岸田今日子と中村玉緒が特殊な輝きを放っておりましたな。
だがこの映画で一番すごいのは船越英二ではないだろうか。手当たり次第に女を口説き詰め寄られても意に介さないスタイル。のらりくらり。実際に居そうな雰囲気が見事。
監督の公私共にパートナーである奥様の和田夏十の脚本ということで、この映画の半分以上の功績は和田夏十さんにあるように思いました。
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