紅の拳銃

劇場公開日:

解説

田村泰次郎の原作小説(講談倶楽部連載)を「俺が地獄の手品師だ」の松浦健郎が脚色、「英雄候補生」の牛原陽一が監督したアクション・ドラマ。撮影は「俺の血が騒ぐ」の姫田真佐久。

1961年製作/86分/日本
原題または英題:A Killer without a Grave
配給:日活
劇場公開日:1961年2月11日

ストーリー

クラブ「銀の城」--片隅に坐っていた石岡は、酒をあおっているニヒルな感じの男を見て、“俺が探していたのはこの男だ”とつぶやいた。石岡はかつて射撃の名手だったが、戦争で右腕を失ってからは悪の世界にとびこんでいた。命知らずの男を殺し屋に仕立ててボスに売りこむのが彼の商売なのだ。中田というその男は、殺し屋になることをあっさり引受けた。その時、女給の千加子が中田に助けを求めた。ギャングに殺されるという。中田はギャングを殴り倒した。中田の射撃の腕はみるみる上達した。石岡には菊代という盲目の妹がいた。中田は菊代に、同情した。神戸の大学病院に行けば治るかもしれないという診断だった。ボスの小寺が中田を買った。小寺は写真を出して、この女を消せと言った。女は千加子だった。干加子は神戸のボス陳万昌の情婦で、麻薬ルートの秘密を知っている彼女を陳は殺そうとして小寺に命じたのだ。中田と千加子の姿が消えた。小寺は裏切りを怒り、石岡に中田を殺すように命じた。中田と彼を追って神戸にきた石岡も、陳の罠にかかった。神戸の大学病院にきた菊代も監禁されてしまった。陳の弟・大隆が香港にいた麻薬王劉徳源を殺して帰ってきた。兄弟は、東京の小寺一派を消す相談をした。中田と石岡兄妹は砂丘に連れ出された。その時、三人の男が現われ大隆を乱射した。劉徳源がさし向けた殺し屋たちだった。劉は死んでいなかったのだ。劉は中田に味方になるよう頼んだ。劉の妻の張栄光は、かつての中田の恋人美津だった。劉一味は陳邸を襲った。凄惨な闘いの最中に千加子は陳を射って自殺した。陳も劉も倒れた。その時、警官隊がきた。中田は実は刑事だったのである。やがて、菊代の目も全治した。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5トニーよ永遠に

2014年1月21日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

興奮

赤木圭一郎の1961年の作品。

裏社会の人間に見出され、殺し屋となった青年が、暗黒街の抗争に巻き込まれていく。

銃の構造や持ち方、撃ち方…殺し屋として訓練する前半はなかなか良い。
このまま殺し屋稼業の非情な世界が描かれるのかと思ったら…、中盤から話が急転、実は…の連続でご都合主義であったり、やっぱりスター映画である事を感じてしまう。が、飽きさせはしない。

ヒロインとの淡いロマンスも話の軸。ラストシーンは切なく、余韻が残る。
主人公の周りには3人の女が居て、昔愛した女、想いを寄せる暗黒街のボスの女、淡い想いを抱く無垢な盲目のヒロインと、三者三様で面白い。
また、ヒロインは主人公に殺し屋の術を叩き込む男の妹であり、男の妹への優しさ、主人公と訳ありながら芽生える友情なども話のスパイス。

あらすじは面白そうであっても途中から中弛みする事が多い日活アクションの中で、傑作の一つ。

石原裕次郎や小林旭とは違うストイックな魅力で日活期待のスターだった赤木圭一郎は、本作公開後、新作映画撮影中に21歳の若さで事故死した。
和製ジェームズ・ディーンの名を欲しいままに…トニーよ永遠に。

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近大