狂い咲きサンダーロードのレビュー・感想・評価
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目に映るもの全てを壊したいお年頃
リバイバル上映にて鑑賞。
大人の正論とガキの我儘がぶつかる中、男としての生き様を貫く姿に痺れる。そこに正しさや損得なんて不要だ。
撮影や美術の粗さが作品の味をより一層引き立てている。
全編通してパワーワードが溢れていた。
狂気!
この映画は始まってから終わりまでずっと狂気で溢れています。
何やら独自の雰囲気が画面全体から放たれ、見ているこっち側まで匂ってきそうなほど。
その独自の世界観はあなたを「いったい自分は何を見せられているんだ」という気持ちにさせ、見続けているとその世界に引きづりこまれます。
1980年の学生が撮った荒い映像、荒い音声の映画ですが、そのすべてがこの映画のプラスになっています。恐さや狂気そのものにプラスされているのです。
現代の人がこの映画を模倣しようとしても誰も作らせてはくれないでしょう。
鬼才・石井聰亙の狂い咲きにしびれろ!なのだ!
『高校大パニック』の石井聰亙脚本監督。
【ストーリー】
架空都市サンダーロード。
暴走族"魔墓呂死"の特攻隊長・仁は、爆走と暴力とSEXとロックの日々を送っていた。
近隣のグループと対立し、日夜火花を散らす中、新道交法施行を機に近辺の族が「愛される暴走族」へと統合しようという流れになる。
リーダーの健も魔墓呂死の加入をきめてカタギにもどろうとするが、仁は全てに反発して魔墓呂死新リーダーとして仲間をつどう。
だがそんな仁たちを、統合暴走組織エルボー連合が襲いかかる。
メンバーの一人、幸夫を拉致され、仁たちは救出に乗りこむが多勢に無勢で幸夫は殺されてしまう。
絶体絶命の彼らを救ったのは、魔墓呂死初代総長・剛(小林稔侍)だった。
自らをスーパー右翼と位置づけ、国防挺身隊を組織する剛に加入を求められる彼らだが、そこはさらなる地獄の入り口だった。
日本のバイオレンス映画のエポック。
若干22歳の石井聰亙(現・石井岳龍)が日藝在学中に制作。
ストーリーもキャラクター造形も演出も何もかもが稚拙、なのに強烈にイカレていてイカしてる。
初めてAKIRAを見た時に、この得体の知れないセンスがいったいどこからやって来たのかわからなくて熱狂するほどのめり込んだものですが、まさかのルーツがこの映画でした。
バイク、ケンカ、ナンパ、アルコール、覚醒剤、スーパー右翼(小林稔侍)、ホモセクシャル(小林稔侍)。
幻の町サンダーロード、暴走族魔墓呂死、エルボー連合、デスマッチ工場、バックブリーカー砦、ジャンキー小学生、マッドボンバー、そして小林稔侍(小林稔侍)。
疾走感のあるパンクロックとともに脳髄を突き刺す刺激的なアイデアの奔流が次々とこちらをぶん殴っては走り去ってゆきます。
ネーミングから何からまんま小学生男子の思いつきで説得力ゼロなんですが、監督自身に観客を説得する気なんか、これっぽっちもないのだから仕方がない。いいや仕方なくなんかない、これがいい。石井聰亙はこれでいいのだ。
小理屈こねる大人を納得させるための説明なんか知るかしゃらくさい。
ただ尖ってるだけの部品をひろい集めて作りあげた98分。
ズタズタになりながらひたすら爆走するために生まれた、バイタリティだけが噴きだすほどパツパツにあふれた野生の叫び声。
それがこの映画、狂い咲きサンダーロードです。
しかしよくこのドンピシャなタイトル思いついたなあ……(感嘆)
暴走族の美学
日本が誇るカルトムービー。石井聰亙監督の最高傑作。暴走族の青年故山田辰夫さんの若き日の破天荒な暴走と小林稔侍さん演じる右翼の男らしいゲイな演技が光りまくります。演出も優れていて飽きさせる所もなくリマスター版だったからなのか古さも全く感じませんでした。いや〜しかし面白かった
北原美智子
一番強かったのはこの俳優さんの役だったのではないだろうかと思う程、常に目が追ってしまう存在であった
特にベッドシーンでは、交わう演技ではなく、朝のイチャイチャシーンなのだが、あの時代ならではのレンズを通した生々しさのある素肌や健康的な肉付きが、デビュー当時の榊原郁恵を思い出してしまう程、ガロ等の風俗写真誌を彷彿とさせるギラギラ感が再現されていた
作品内容自体も、エログロ暴力ナンセンスで、政治色も社会問題も同じ釜で煮染めた昭和時代をデフォルメした作品である
確かに自分が12才の時って、現在の暑さ程じゃないにも関わらず、やたら社会自体が熱かった感覚が思い出される
もしあの時代に今作を鑑賞したとしても、自分とは正反対なテーマ性に拒絶することは火を見るよりも明らか
今観て、初めて客観視できる、俯瞰した感想を持てるのであろう
序盤の会合での周りの"ガヤ"のうっとうしさや、蛇足感にあの時代の無頓着なデザインの無さに、丸でパンよりもやたらと大量なバターやジャムのアンバランスさと、それでも構わないアクの強さは、現在の視点だからこその感想
ヤクザや右翼や暴走族やら、日本の消費尽くされる文化の進化形が『HiGH&LOW』に通じる系譜の、歴史を紐解く考古学の見地としての作品とも取れる
結局主人公が独りになるが、その黄泉比良坂で初めて願いを叶える連中は、勿論最後迄は付合わないドライさも時代背景をキチンと反映していて、興味深い その失踪先は阿蘇山だろうか?・・・ 最後の最後迄沸点の高い情熱のみで完成させたカルト作品である
まさに基地外全開ムービー そして過去の自分に色々と謝罪したくなったです…
この映画、とても楽しめたはずなのに、記憶がかなり飛んでしまっているです。
初見は確かレンタルビデオ(VHS)だったと思うです。
昔、一応は(?)真面目なバイク乗りだったので、暴走族が大ッ嫌いだったのですね。
なので、この映画も序盤は全く楽しめなかったです。楽しみたくなかったです。
奴らを賛美するのがイヤだったので。奴らを肯定したくなかったので。
過去にスピード違反を重ねて保護観察処分受けた私が言うこっちゃないのですが(笑)
ごめんなさい。
でも、なんだか超カオスな世界観には一気に引きずり込まれてしまったです。
そして基地外狂犬・仁の無軌道かつ熾烈な生きざまにもグイグイと引き込まれていくです。
そんな仁の繰り広げる基地外展開の凄まじいこと凄まじいこと。
しまいには、あまりにもな無軌道基地外な言動への制裁として、片手片腕を切り落とされるという、えげつない展開に!Σ(oдΟ;)!!
決して体躯に恵まれているとは言えない山田辰夫さんだからこそ、痩せ細った狂犬っぽさが似つかわしかったです。
狂ったままにぶつかる最終戦!これがまた基地外全開なのよね。バズーカやらダイナマイトやらでドンパチですよ!
ここの描写の迫力が微妙にチープなのが余計にリアリティあったの。
えーっとラストどうなったの?訊ねた君は♪本当にバカだ♪だからあれだ、僕は♪
ジャナイ!頭をよくしてあげようじゃないよ!ラストWikipedia先生オナシャス!
>最終決戦を終え、ブレーキをかけることも、下りることも出来無い身体になっている仁は
迷う事なくバイクを走らせサンダーロードを旅立っていく。
そうそうそうそう、きっとそんなふうだったよ、多分。
それがオープニングのシーンにつながるのかな?
ただ、初見時にどーにもゲイ描写が受けつけなかったのは事実。
今でこそ性癖こじらせて、女装趣味に走ってる私が言うこっちゃないのですが(笑)
ごめんなさい。←二回目
亡き山田辰夫氏の魅力たっぷり
劇中に使われる音楽が燻し銀に輝く。
不良少年がどこの組織にも属さず、突っ走る姿は圧巻。
完全に狂い咲くサンダーロードだ。
30年前に観た映画も今もまだ忘れられない。
後半の小林稔侍氏の役どころが笑えた。
もう一度見たい!
パワーで押し切られた。低予算でただただここまで突っ張れるのも凄い。石井聰亙監督の初期の傑作カルトムービー。
彼らのアジトで君が代を歌いながら登場する小林稔侍も凄い。「なに変な歌うたってんだよ!」とつっぱる山田辰夫も凄い。権力とか、強い者にとにかく逆らいたい、アナーキーなところも面白いし、なんでもかんでもコケにするところもいい。小林稔侍のゲイシーンにも笑ってしまう・・・
設定は近未来の架空都市サンダーロード。若い頃に観ていれば違っていたかもなぁ・・・
理解出来なかったです
ごめんなさい
自分には本作の価値、意味、意義
何を表現したかったのか?
テーマは何であったのか?
それらを見いだす力と感性はなかったです
無意味に!!!だけが全編に延々と羅列されて行くのは退屈で仕方なく睡魔に襲われてしまいました
上等じゃねぇよ!やってやろうじゃねぇよ!
Blu-ray(オリジナルネガ・リマスター版)で鑑賞。
バイク、ロック、バイオレンス、ベンジェンスに彩られた、日本映画界に狂い咲く一輪の徒花。石井岳龍(聰亙)監督の鮮烈なデビュー作であり、キネマ旬報ベスト・テンにランクインする快挙を成し遂げたインディペンデント邦画の名作。
学生の卒業制作とは思えない完成度に目を見張りました。と云うか、学生映画に対して粗探ししても無意味である気がしました。予算が無いなりの工夫を凝らして映画をつくっていることへ、その涙ぐましい努力に心からの拍手を送るのみ。
観る前の「マッドマックス」的世界観なイメージは当たらずとも遠からず。迎合への抵抗、枠に収まり切らない衝動は若者の反抗精神の昇華のようで気づけば心が熱くなっている。
右手・右足を切り落とされても漆黒のバトルスーツに身を包み、サンダーロードへ殴り込みを掛ける仁の姿は、反逆と復讐に燃えたぎる鬼神の如く画面から迫って来ました。
デスマッチ工場跡。バトルロイヤル広場。スーパー右翼本部など、登場する名称の数々のネーミング・センスが絶妙でクスリとさせられ、力が抜けそうになりました。
時折挟まれるユーモア(さりげなく入れ込む手腕も巧妙)と云うか、過剰な暴力の中にふとした滑稽さを織り交ぜたことで余計に凄惨な面が際立って来るようでした。
常識を「上等じゃねぇよ!やってやろうじゃねぇよ!」とぶっ壊しながら恐るべきテンションを保ち、ブレーキどうすんだよ状態で激走する爆走少年のような映画に魅せられた!
[余談1]
泉谷しげるが監修した楽曲たちが見事にハマって、世界観を補強しているように感じました。場面場面に相応し過ぎる曲が流れ、画面を巧みに盛り上げてくれているなぁ、と…
程良く力の抜けた歌声が荒んでいる彼らの生き様を物語っていました。なんだか上手く表現できない。自分の語彙力不足が腹立たしい限り。とにかく素晴らしい歌ばかりでした。
[余談2]
ヤク中喫煙少年を出す辺り只者じゃないと思いました。ヤクをキメるシーンはさすがにモザイク掛かってましたが(笑)。
低予算ゆえの衝動と惜しさ
異様なポスターのビジュアルとあらすじのインパクトに惹かれて鑑賞。最初は何が起きているのかよくわからなかったが、話と舞台のあらましが見えてくるにつれてわざとらし過ぎる荒々しさと、泉谷しげるやパンタの曲がハマりまくった疾走感に魅了されてしまった。大人びて丸くなるのを頑なに拒み、自分の思うがままに生きることを選んだ少年の明日なき暴走の末路ってっ感じだったが、暴力に次ぐ暴力の中で生き様に殉じるのは格好良いなあと思いながら観ていた。片手片足を失ってなおバイクに乗り、「ブレーキはどうするんだよ」という問いに何も言わず笑ってアクセルを踏み込むラストシーンは最高に痺れた。バトルロイヤル広場とかスーパー右翼とかあまりにも馬鹿馬鹿しいネーミングセンスや台詞からは話の緊迫感を壊さない程度の絶妙な笑いも感じられてメリハリよく見ていられるのも凄い。惜しむらくは、低予算のせいか古いフィルムのリマスターのせいか単に言葉遣いのせいか、聞き取りづらかったり何が起きているのか判断しづらいところがあったことと、終盤の登場人物がポッと出てきた割には重要な役割を果たしたことに違和感を感じたことだろうか。それと健さんの謎ベッドルームのシーンも謎だったが…。粗削りな部分もあったけど、それ故に却って疾走感や焦燥感がほとばしる。上質な?パンク・ロックを映像化したらこんな感じなんだろうという、熱量溢れる傑作だった。
"電光石火に銀の靴"
とにかく初っ端、泉谷しげるの音楽からテンション上がりっぱなしで日本の古き良き時代ってか旧車なんかのオンパレードで最高。
ロックンロールで狂った不良映画で誰も真似出来ない石井岳龍(聰亙)の初期衝動が爆発!
山田辰夫もイカしていて声変わりみたいな喋り方も可愛さもありつつ愛着全開な仁さん。
高校の頃に観たっきりで今回はデカいスクリーンで声出しOKな上映で館内の雰囲気もLiveな感じで。
笑えるシーンも挟みながらヘンテコなシーンも含めて日本が世界に誇るカルト映画なのは間違いなし。
これと「爆裂都市 BURST CITY」があるからPUNKなんだ。
地獄まで咲け、鋼鉄の夢
石井岳龍監督の若かりし頃の作品。
未だ多くの爆走少年達の心を掴んで決して離さないロックンロール・ウルトラバイオレンス・ダイナマイト・ヘビーメタル・スーパームービーです。
カルト映画に興味のある方は必ず見て欲しい。
塚本晋也監督の鉄男を観た時のような、監督の果てしなく暴走するエネルギーに圧倒される感覚がありました。
日本が誇るカルトムービーです。
すごくよかった
「仁さんって童貞じゃね?」と子分に陰口を叩かれているのが非常につらかったのだが、その後しっかり彼女とベッドにいて胸をなでおろした。
ちょうどパラリンピックが開催されている時期に見ていて、仁さんの人生は思い切りがよくそれはそれで素晴らしいのだが、選手たちは仁さんみたいにならずスポーツに取り組んでいた。
ただ、右翼を辞めてから腕を切られるまで派手に寝てしまい、後悔してもしきれない。クライマックスは完全に目が覚めて、すごくよかった。
百姓!www魔墓呂死!
またすごい映画見ました。
B級映画の良さが炸裂してました。
すごいエネルギッシュな作品!
そして、またまたカオス(笑)
これ、笑っていいんだよね?
ってくらい、所々で笑ってしまいました。
熱い男の戦いなんだろうけどねw
めちゃくちゃ。
怖いものなしの演技と破壊力。
山田辰夫が病院を退院するシーンとかたまらないです。
何なん?笑
最後の戦いのシーンとかコメディーだよね?
あの小学生とか意味わからないし笑
バズーカとかとにかく何でもありで、めちゃくちゃ。
これ、卒業制作がどうのって何かで読んだ気がするけど、すごすぎ。
映画って、こうだよねって思う。
こういうの忘れちゃいけないかも。
また見たくなる日が来るのは遠い日かと思うけど、面白い映画でした。
映画が好きな方は是非!!
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