雲がちぎれる時のレビュー・感想・評価
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ひまわり娘と下町の太陽
タイトル通りつかみどころのない映画である。原作は赤い椿の花。はっきりくっきり。読んで見たくなるあたり、監督の意図?
戦後復興に沸く日本。ささやかな田舎の片隅にも壮絶な人生。が、テーマかな?
有馬さん相手じゃ倍賞さん分が悪いな~と、思いきや。話が進むほど美貌の有馬の存在感は雲散霧消してしまい、素朴な倍賞の可愛らしいさだけが印象にのこる。天女の羽衣のような雲がちぎれて、太陽が輝きはじめるのだ。
人々を苦しめるのは戦争の記憶である。有馬には戦中戦後を生き抜いた人間の凄みがある。倍賞は戦争なんか覚えてないわと明るく前向き。
荒地に咲く大輪の花を見上げるより、暖かい実家で心優しい妹に癒やされたい。
このあたりで映画女優はその役割を終えたのだろう。
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