アパートの鍵貸しますのレビュー・感想・評価
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どん臭いけど
解説にコメディと紹介されていたが、違う。
男バクスターからすれば純愛、
女キューブリックからすれば、‥‥。
だけど、バクスターは出世も頭にあった。
だからか部長に言われるままに‥‥。
こんな人、日本🇯🇵にもいるような?
いつも会うエレベーターガールのキューブリックに
想いを寄せている。
デート❤️❓の約束もした、が。
だのに🥲部長と‥‥。 すっぽかされたのだ⁉️
が、まだ気づかず、
気づいてショック😨受けていつつ帰宅したら、
キューブリック、オーバードーズで意識不明。
いいなぁ、お隣さんがお医者さん、
直ぐに診てもらい意識不明ながら助かった。
ここでバクスターの人間性がわかる。
だいたいの事情を知っているにもかかわらず、
警察への通報をやめさせ、
詳しいことを明かさないし、大事にしない。
キューブリックの相手を自分と言い、
部長とのことを伏せる思いやり。
バクスター、いい人‼️
キューブリック、部長との逢瀬の後、
•Xmas eveを一緒に過ごせてもらえない。
•離婚すると言いつつ、煮え切らない態度。
•家族へのXmasプレゼントを
たっくさん見せびらかすように持って帰る。
ショック😨だったのだろうなぁ。
しかし、キューブリックも悪い。と世間皆思うだろう。
バクスターが部長にtelしても剣もほろろの対応。
キューブリックの義兄も心配してやって来たが、
バクスター、真実を言わない、
とことんキューブリックを庇う。
だが、この部長クビにした事務員にキューブリックとの
電話を聞かれ妻に告げられ追い出されたよう。
それでキューブリックと一緒になるって⁉️
行くとこ無いから、そしてまた鍵を貸せ、と言う。
懲りへんヤツやな。
キッパリ断るバクスター。
キューブリック、晴れて部長とデートして、
大晦日と新年を祝っていたのだけど、
何か違う、自分が求めていたのはこんなのじゃない。
そして駆けつける先は❓
不道徳なロマンティック・コメディを上質な恋愛映画にしたワイルダーの名人芸
ビリー・ワイルダー(1906年~2002年)は脚本家として戦前は恩師ルビッチの「青髭八人目の妻」と「ニノチカ」、戦中はホークスの「教授と美女」やデュヴィヴィエの「運命の饗宴」などに関わり、ハリウッド映画の監督デビューは36歳になった1942年でした。するとすぐに代表作に値する「熱砂の秘密」(43年・未見)、「深夜の告白」(44年)、「失われた週末」(45年)と連続して傑作を発表し、1950年にはアメリカ映画を代表する名作「サンセット大通り」を生み出します。ここまで「深夜の告白」を除く共同脚本を担当したのが盟友チャールズ・ブラケット(1892年~1969年)という人でしたが、その後喧嘩別れしてしまいます。
〔淀川長治さんは、第25回アカデミー賞の美術監督賞に黒澤監督の「羅生門」がノミネートされたことから大映永田社長に頼まれて1953年3月の授賞式に出席しました。ここで会場の下見の時にアカデミー賞会長のチャールズ・ブラケットと出会い、グロリア・スワンソンにインタビューできるコンタクトを取って貰ったそうです。遥々日本から来た淀川さんが作品とスワンソンを褒め称えたのに対して、気軽に優しく対応した当時のハリウッド映画人の姿が眼に浮かびます〕
この盟友とのコンビ解消の7年後に出会ったのが、ワイルダーより14歳年下のI・A・L・ダイアモンド(1920年~1988年)というコメディ脚本家でした。ディートリヒ主演の「情婦」(58年)を除く「昼下りの情事」(57年)から遺作までを共同で担当しました。このワイルダー・ダイアモンド脚本の代表作が「お熱いのがお好き」(59年)とこの「アパートの鍵貸します」になると思います。
初見は丁度50年前の1975年の3月で、映画日記には“僕ご贔屓のビリー・ワイルダー”と書き始めています。17歳まで僅かに「昼下りの情事」と「翼よ!あれが巴里の灯だ」を観ていてワイルダーファンになっていました。しかし、当時は一般的にサスペンス映画のヒッチコックと同じように、コメディ映画のワイルダーも真面目な社会派映画に比べて評価されにくい風潮があったと思います。それで映画に夢中になった頃、ワイルダー監督も全盛期を過ぎたこともあり劇場で観る機会もありませんでした。しかし、今回良く見直すと、先ず脚本の素晴らしさに驚きました。その台詞のセンスの良さに展開の自然な流れと役者の演技が溶け込んで、何とも形容しがたい心温かいロマンティック・コメディとして完成されているのです。最近になく、終始ニヤニヤしながら映画を楽しみました。
プロローグの主人公バドのナレーションから可笑しさ全開です。1959年11月、ニューヨークの人口804万2783人、平均身長166.5㎝、横に並べるとタイムズスクエアからパキスタンまで、総合生命保険社の本社社員3万1259人、19階普通保険部保険料計算課W区861番デスク、名前はC・C・バクスター通称バド、勤続3年10ヵ月、週給94ドル70セント、8時50分始業5時20分終業、各階ごとに時差出勤16基のエレベーター、でも僕だけ1~2時間残業、家賃は月85ドル。ガラス張りの巨大な高層ビルの無機質な広いフロアーにポツンと一人バドが残り、ジョセフ・ラシェルの音楽が、『サンダーバード』のテーマ曲に似た勇ましさからもの寂しいメロディに変わります。この単なる数字の羅列にある細かい説明の律義さとユーモア、そして人間が機械化して巨大企業の中に埋もれているニューヨークの現実。バドは割り切って数字にこだわり、確実に昇給する昇進のために課長4人の“夕下りの情事”を自分のアパートに斡旋します。でも時には予定外の追加もあり、冬の寒い夜の公園ベンチ(何という長さ)で凍えながら時間を潰し風邪を引いてしまいます。ちょっと前には隣に住むドライファス医師にダブルフェッダーの鉄の肉体と勘違いされて、献体を勧められる始末。この風邪を引いたバドがエレベーター係のフラン・キューブリックと交わす会話がいい。疾病保険部の20から50歳まで年平均2.5回風邪を引く統計を聴いて、フランが引かない分誰かが5回引いていると言うと、バドがきっと僕だと答えます。好意をほのめかす粋な台詞です。バドがデスクで体温計を咥えて、高熱に驚き慌ててスケジュール変更するシーンのジャック・レモンの演技の巧さ。自分に言い聞かせるように何度も首を縦に振って三人の課長に次々と電話を掛ける。曜日変更を問われてカークビー課長の電話交換手の彼女が、木曜は『アンタッチャブル』を観る日だから駄目と、わがままを言うのが可笑しい。ワイルダーのここの演出はルビッチタッチを彷彿とさせます。そこからシェルドレイク部長から27階の役員フロアーに呼び出されて昇進かと期待するも、鍵の貸し出しを知った部長とそれを誤魔化すバドの駆け引きの面白さ。シェルドレイク部長を演じるフレッド・マクマレイの余裕ある詰問とレモンの綱渡りの言い訳。そして部長の映画チケットと交換の真意を察してバドがポケットから鍵を差し出すところの、クシャクシャなティッシュで焦らす演出の巧さ。全く予想していなかった戸惑から呆気にとられるレモンの演技も絶妙です。その映画チケットでフランをデートに誘うも後から行くと言われて待ちわびるバドの寂しさと、フランが駆け付けた中華バーにはその妻子持ちシェルドレイク部長がいる驚きの種明かし。でもフランも部長の離婚する詐欺に騙され6週間ぶりのお誘いで愚痴を語る。そこに秘書オルセンが入店してきて慌ててタクシーに乗るフランとシェルドレイク部長。バドの書いたメモで住所を確認するシェルドレイク部長と、もう上映が始まっているであろう映画館前で箱ごとティッシュを抱え鼻をかむバドの対比。平社員の哀愁が漂います。ティッシュ1枚がバドの落ち込んだ気持ちを表すかのように、風邪に吹かれて濡れた舗道に落ちる。ここまで二日間の描写で全体の三分の一を占めます。機知のある洒落た台詞とテンポ良い演出が無駄なく展開し、尚且つ作為がわざとらしくない。ここまでいくとワイルダーの名人芸と言えるでしょう。
ついに勤務評定の忖度のお蔭で総務課第二課長補佐に昇進して個室を与えられるバドに、お祝いに駆け付ける課長4人。でも彼らはシェルドレイク部長がメンバーに加わったことを知りません。スケジュール変更が重なり不満たらたらのところへ部長が登場し、課長たちは退散。スペアキーを提案するシェルドレイクと、忘れ物の割れたコンパクトミラーを返すバド。
そこから12月24日(木曜日)クリスマスイブになり、社内パーティで秘書オルセンからシェルドレイクの本性を知らされ意気消沈するフランに対して、全社で2番目に若い管理職、1番は会長の孫息子と自慢するバドは、新しい帽子を披露して話が止まらない。話の流れでバドが彼女のコンパクトミラーを借りて帽子姿をチェックするカット。シェルドレイクの愛人がフランと分かったバドの困惑顔が二重に写るところの演出が巧い。そして他の社員が盛り上がる中を一人帰るバドのショットは、意気揚々と課長補佐の個室に歩いて行ったシーンの因果応報の答えでもあるでしょう。
失恋に落ち込み、バーで独りマティーニを飲むバドに絡む変な中年女性のキャラクターがまた可笑しい。歳に似合わない甘えた声で話す内容が、キューバ革命(1959年)でアメリカとの友好関係に危機感をもたらした独裁者カストロを持ち出し、騎手の亭主が馬のドーピング?で刑務所に入れられ音信不通という信じがたい話。身長155センチ体重45キロの亭主が可愛いと自慢する彼女、この数字のお遊びもプロローグと同じです。一方バドのアパートでは、離婚したいが出来ないと言い訳ばかりのシェルドレイクの狡さに、そんな男を本気で愛した自分を責めるフランの嘆き。シェルドレイクは家族のクリスマスプレゼントを抱えアパートを後にするが、フランには100ドル札一枚を渡すだけ。結局お金で解決しようとする。ここからバドがその変な中年女性をアパートに連れ込んで展開する模範的シチュエーションコメディに、ワイルダー演出が冴えわたります。中年女性を追い出すところにドライファス医師が駆け込み、バドとの別れ話から自殺未遂と思い込まされる上、別の女性を引き入れたと軽蔑します。無理やり追い出される中年女性は帰り際に、亭主に言いつけて仕返しさせてやると意味不明の啖呵を切りますが、これが後にフランの姉の亭主が登場して強烈なパンチを喰らわす展開の面白さ。ドライファス医師は手慣れた応急処置を施し、意識を戻すために何度もフランの顔を叩きます。その音が響くシーンのリアルさがあって、翌朝家主の女性が苦情に来ます。朝食を用意してくれるドライファス医師の奥さんは旦那からすべて聞いていて、バドに蔑む視線を浴びせます。踏んだり蹴ったりのバドですが、フランを思いシェルドレイク部長に電話をして顔を見せて下さいとお願いする優しさを見せます。4時になり金曜日予約の課長が愛人を連れて来て、フランを見つけて帰るのはいいとして、外で待つ愛人がドアを叩くところをドライファス医師が見てしまう脚本の細かさと密度がいい。
2人でパスタのメインディッシュのクリスマスパーティーをしているアパートに義兄が現れ、睡眠薬を飲んだ原因を自分の所為だと言ってパンチを喰らっても、何処か嬉しそうなバドの表現。数日一緒に暮らし知れば知るほどフランが好きなのを自覚しても部長に遠慮していたバドが、このパンチを貰って男に目覚める演出がいい。意気揚々と出勤したバドは、個室でフランを引き受けますの予行練習をします。ところが秘書オルセンの密告により奥さんから家を追い出されたシェルドレイク部長は、フランと寄りを戻そうとする。そして、事件を隠密に収め、フランを介抱したバドに新しいポストを提供します。人事部長補佐の後任という役員フロアー27階の部長室の隣の個室です。その日の帰り、デートの彼女が待っているとフランに見栄を張るバドが売店に向かうところのズームショットは、ヒッチコックタッチの演出でした。
大晦日、フランと一緒に過ごしたいシェルドレイク部長が鍵の貸し出しを要求するも、バドが渡したのは役員トイレの鍵でした。抵抗を見せたバドに、27階までは何年もかかるが失墜は30秒だと脅すシェルドレイク部長。辞職を覚悟して個室を出るバドが事務員の男性に帽子をかぶせるシーンの潔さ。勇壮なテーマ曲が一番ピッタリ当て嵌まります。そして、アパートで引っ越しの為の荷造りをするシーンでピストルを仕舞うところを見せて、フランとシェルドレイク部長がいるレストランのパーティーシーンに変わり、鍵の貸し出しを拒否して退職したことを知るフランの表情。本当の自分を愛してくれている男性はバドだったと漸く気づくのです。蛍の光を聴きながら微笑むシャーリー・マクレーンの可愛さが真剣な表情に変わる演出の細かさ。微笑みながら走るフランのショットからアパートの階段をのぼり切ったところでなる銃声のような爆発音。ドアを開けるバドがシャンパン溢れるボトルを持っている。ラストシーンまでも予定調和で終わらせず、観客にサプライズのドキドキ感とそこから安堵感を満喫させる憎い演出です。
それでも誇張されたコメディとは言え、大企業内の不道徳な男女関係は、今の時代から見ればパワハラ・セクハラの乱れた内容です。それが少しも嫌らしく感じないのは、主演のジャック・レモンとシャーリー・マクレーンの個性と素晴らしい演技の賜物と言えましょう。出世街道をあのまま突き進めば、バドは一生孤独だったはずです。人を愛するのを諦めた孤独な男の悲哀と涙ぐましい努力の動きを巧みに演じたレモンの素晴らしさ。マクレーンも男に騙される痛い女性の純粋ゆえの思い込みを見事に演じて、本当の愛に気付き大人になろうとする女性を演じ切っています。そして、この二人を盛り上げる悪役シェルドレイク部長のフレッド・マクマレイのキャスティングの良さ。脚本・演出・演技・撮影・音楽のすべてが揃った、楽しく心温まるアメリカ映画でした。
ワイルダー監督に、乾杯!!
トイレの鍵返します
ジャック・レモン、シャーリー・マクレーン共演のコメディ。
大手生保に勤める独身サラリーマンのバド(レモン)。ラブホ代わりに使われると知りながら、点数稼ぎのため上司や会社幹部に日ごと夜ごと部屋を明け渡す。
そのせいでバドは大家や隣人から白い目で見られ、おまけに風をひいたり不眠症で睡眠薬を手放せなくなるなど散々な生活。
そんな彼もエレベーター嬢のフラン(マクレーン)に心惹かれるようになるが…。
今から65年前のアメリカ社会。
女性社員は男性上司の浮気の受け皿。上役の機嫌を損ねりゃ男も女も会社に身の置き所がない、セクハラもパワハラもやり放題の時代。
当然、ビリー・ワイルダー監督はそんな風潮を揶揄したうえで、良質なコメディに仕上げている。
でも、65年経った今、時代は本当に変わっただろうかと考えると、正直いって昔のことを笑えない。
自殺を図った愛人に「驚かされて不愉快だが、なかったことにしよう」と言い放つ65年前の男も、性被害に苦しむ同僚女性に「無邪気なLINEしてみましょうか」なんて考える65年後の男も、女性蔑視の意識は大して変わったように思えない。
「利用する人とされる人、後者はとことん損ばかり」とのフランの嘆きも、今の世にだって当てはまる。
自身もユダヤ系移民ゆえ、差別に苦しんだワイルダー監督はこうした不条理に敏感だったのだろう。そう考えると、中欧ぽい名前のフランの義兄が監督の分身に思えてくる。
時節柄、このテーマでは素直にコメディとして楽しめないが、コンパクトや睡眠薬、拳銃などの小道具を活かした伏線に名匠のセンスを感じる。
バドの部屋のレコードスタンドにあるのは、エラ・フィッツジェラルドの“THE FIRST LADY OF SONG”。
Amazon等で購入可能らしいが、アナログ・プレーヤーがない。
残念…。
NHK-BSにて初視聴。
本当の幸せとは
『サンセット大通り』に続き、ビリー・ワイルダー監督の映画ということで鑑賞。
前半はテンポ良くコミカルにストーリーが進む。勤務時間中に、部屋貸しの副業に勤しむバドの姿に笑った。彼はこの副業の結果昇進するが、仕事が関係無い部分で昇進が決まる会社の腐敗っぷりを見ていると、そのうち業績が傾いてそうだ。ストーリー後半は前半と比較すると少し冗長な印象。前半の方が面白い。
バドは昇進したのにもかかわらず最終的に会社を辞めた。それは、今まで喉から手が出るほど欲しかった立場に実際なってみると、思ったほど大したものでは無かったことを悟ったからだろうか。会社での昇進よりも、エレベーターガールのフランと結ばれる幸せの方がはるかに大きいと感じたのかもしれない。人生における本当の幸せについて考えさせられる。
【”人間に戻ります!と出世するために手段を選ばなかった男は元上司に決然として言った。”今作は人間の愚かさ、可笑しさ、ヒューマニズムを全て取り入れた脚本とW主演の二人が素晴しき逸品である。】
ー 昨年秋から当方が生まれる前の、世に言われる”名画”を少しづつ夜中に鑑賞している。
私事で恐縮であるが、未だ不惑なのに老眼の為に読書量が激減した事と、配信の技術普及による。
私は、映画は映画館で観るべきという主義であるが、地域によっては映画館がない方も多いだろうし(実際、私の居住県でもここ数年で多くの劇場が閉館になってしまった。)その点については、言及する積りはない。-
■多くの方が粗筋を御存じであろうが、初見の青二才なので簡単に。
ー 大保険会社の平社員・バド(ジャック・レモン)は自身の出世のために、上役たちの部長の逢い引きの場として昼間、自分の部屋を提供していた。
そんな中、人事部長のシェルドレイクは、バドが思いを寄せるエレベーターガールの女性・フラン(シャーリー・マクレーン)を部屋に連れ込んでいた。
その事実を知り、ショックを受けていたバドが、クリスマス・イヴに部屋に帰ると、フランが睡眠薬を過剰摂取し、意識不明になっていた・・。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・最初は、バドの事を仕方がない奴だなあ、と見ていたのであるが、それに輪を掛けて愚かしき部長5人の姿が、愚かしくも面白い。
ー 大体さあ、人事部長程度で愛人を囲う場所も持たないシェルドレイク君。器が小さいぞ!しかも妻子持ち・・。更に言えばクリスマス・イヴでのフランとの密会での贈り物がクシャクシャの100ドル札ってどーなのよ!。そりゃあ、フランが自棄を起こすよな!-
・シャーリー・マクレーン扮するフランも可愛いのだが、彼女も部長たちとイロイロ有って・・。そして、彼女が持っていたコンパクトの鏡の割れ目が意味する事。
・けれども、クリスマス・イヴに女連れで帰宅したバドは睡眠薬過剰摂取した意識不明のフランを発見し、隣人の医師を叩き起こし胃洗浄をして貰い、危機一髪で助けるのである。
ー 亭主をカストロに幽閉された一人クリスマスイヴを過ごすマージが少し可哀想だが・・。-
・漸く目を覚ましたフランを懸命に介抱するバド。
ウトウト眠ろうとするフランに対し、一生懸命にカードゲームをするように誘い眠らせない様にする姿や、テニスラケットで茹でたパスタを受け取るシーンや(水を掛けては駄目だよ!)バドの出世第一主義の心が変わって行く過程をホロリとするシーンも含め、面白く描いている。
ー とにかく、ショート・カットのシャーリー・マクレーンが可愛いんだよね。-
■告げ口により、シェルドレイクにより、馘首された元秘書、ミス・オルセンの進言により自分も首になったシェルドレイクに、バドが決然として言った言葉。
”人間に戻ります!”
そして、彼は会社の要職の椅子を蹴って会社を辞めるのである。
<ラストも粋である。
バドはフランに初めて、秘めていた愛を告白する。
そんな彼の真面目な表情を見て、彼が自分を助けるためにカードゲームを勧めてくれた事を思い出したのか、テーブルに在ったトランプを取って、”黙って配って・・。”とフランは微笑みながらバドに言うのである。
もうね、ホント今作のラヴ・コメディのレベルの高さには参りました・・。>
最後の盛り上げ方は、さすがビリー・ワイルダーだと思った
監督は「昼下りの情事」や「麗しのサブリナ」のビリー・ワイルダーで、やはり最後の盛り上げ方が実にうまい。
コメディタッチの展開でテンポよく進み、それなりに楽しんで見ていたが、結局はジャック・レモンとシャーリー・マクレーンは一緒になるんだろうなと思っていた。ちょっと平凡すぎるがそれも悪くはないと。
ところがラストに二転三転するところがこの映画を名作にした所以ではないかと思う。
部長が妻と離婚して、彼女と一緒になろうとする(一転)。これで終わっても悪くないと思った。ジャック・レモンのほうは寂しく一人アパートを出て行くラストシーンとか。
部長と彼女のクリスマスパーティーのシーンでの会話で、ジャック・レモンが彼女だけはアパートに泊めたくないと断り、それが原因で会社を辞めた事がわかって、彼女はジャック・レモンのほうに恋心が移る(二転)。この展開は時々あるパターン。
ところが、彼女が彼のアパートに行った時に銃声のような音を聞いて、てっきり彼が自殺したのではないかと彼女は思った(私も)。この悲劇のエンディングもある意味面白いかなとも思った(三転)。チャップリンの「ライムライト」のように、喜劇の体裁をして悲劇を描いたのではないかと。
しかし銃ではなく、シャンパンの栓を抜く音だったことがわかり、二人はトランプの続きをやり、本当のハッピーエンドとなる(結果的に四転)。
一転目、三転目で終わっていたとしても、工夫次第で名作になっていたと思う。
あと、私だけの感想かもしれないが、妻と離婚して彼女と(本気で?)結婚しようとした部長は、結局一人ぼっちになってしまってちょっとかわいそう。この映画のラストのように主人公2人の幸せの影に、寂しい思いをする人がいるという映画が時々あり、私はその人のことが気になってしまうのである。例えば、「麗しのサブリナ」のウィリアム・ホールデン、「君に届け」の桐谷美玲、「あと1センチの恋」のべサニーや、「きみに読む物語」でアリーと再会するまでノアの家に通っていた未亡人等。
翻弄されるジャック・レモン
エレベーター係の女性フラン( シャーリー・マクレーン )に想いを寄せるお人好しの保険会社社員バクスター( ジャック・レモン )の悲喜こもごも。
ジャック・レモンの台詞や身のこなしが軽妙で楽しめる作品。
シャーリー・マクレーンが初々しい。
社内便で○のやり取りとは 👀
隣人の善良な医師が叫ぶ「 ミルドレッド!」( 妻の名前 )が笑いを誘う。
「君を心から愛してる 」
NHK - BSを録画にて鑑賞
Yesより素敵
様々な台詞やアイテムが、物語を説明せずに輪郭を浮かび上がらせて、現代においても間延びせず、かと言ってちゃんと伝わり、小気味良い
こころに残る台詞
I love you, Miss Kubelik.
Three. Queen.
Did you hear what I said? I absolutely adore you.
Shut up and deal.
この台詞で終わる
Yesより素敵
最後の3分
これに限るよね。この映画は。
ヤリ部屋として自分の部屋を貸していたバクスター。
その繋がりはとても希薄な関係。
恋をしたエレベーターガールは部長の愛人だった。
愛人は部長がただのヤリ目に思えたので、睡眠薬を飲んで自殺未遂。
最後は部長から逃げてバクスターの元へ。
まあまあだった
主人公のアパートの部屋が重役のヤリ部屋になっていて、主人公は毎晩のように外出していたのだけど、どう考えても風呂なし四畳半みたいな部屋をもう一部屋借りていればいいとしか思えない。そうすればみんな丸く収まり主人公も出世できていたはずで、しかしそれだと最終的な一皮剥ける感じにならない。ジャック・レモンのしょぼい感じはよかったのだけど、いいたいことが言えない感じはモヤモヤするし、さっさと言えばいいだろとばかり思ってドラマとしてあまり面白くない。
主人公がお人好しすぎて…!
NHKのBSでしていたので録画して視聴
とてもおもしろい映画でした
昇給ものであり、コメディーであり、ロマンス要素もあるもりだくさん感
起承転結がはっきりしていて、どうなるんだ?と思いながら
退屈せず、見ていられました
冒頭の主人公の一人暮らしの生活が、なんだか私生活を覗いてる感じでおもしろかったです
足で扉しめたり、ひとりで家にいるとあんな感じになるよね…
主人公がおひとよしすぎて!
でも、殴られても幸せそうでしたね
それにしても、物語上だろうけど、60年代のアメリカには
休憩できるようなホテルなどはなかったのですかね?
なぜみんな主人公の部屋に執着したんだろう
織田裕二のお金がない!をなんだか思い出してしまいました
きっとドラマのほうが参考にしているんだろうな~
この名作観ていない人は是非!これぞラブコメのテキストだ!
春が近づくと毎年米映画界では、アカデミー賞の話題で持ち切りになる。そして受賞作が発表されると映画ファンも嬉しい悲鳴を挙げて受賞作を観ようと映画館へと急行する。
そんな生活を楽しんでいるのは、私ばかりでなく、映画ファンなら、きっと誰しも同じ気持ちで、映画を1本でも多く観たいと楽しみにしているシーズンの到来だと思う。
過去の受賞作品や、受賞作と関係の有る作品へとその興味の対象が次第に大きく広がっていくのもやはりこのシーズンだ。
普段観落としていた作品や、遠い過去に観た作品でも見直すのに持ってこいのシーズンそれも、この時期でもあり、日本では新年度の切り替えで、仕事も忙しい、されど映画も沢山観たいでも、身体は1つとバカな悩みで、イライラするのは、映画と共に育って来たオールドファンである私だけだろうか?
そんな思いで、今年選んで見直した作品は、ビリー・ワイルダー監督・脚本の「アパートの鍵かします」この映画は、監督賞・脚本賞・作品賞・編集・美術と5部門で受賞した作品で、特に映画を愛する人たちにとっては、要チェックの作品と言えるだろうし、ビリー・ワイルダーの手掛ける脚本は、映画の教科書その物の様に完璧に仕上がっている。セリフもみんな素敵な言葉がストーリーを無理無く滑らかに運んでる、定番中の定番映画だ。
この作品、実は学生時代に観てから、ウン十年振りに今回観てもやっぱり名作だな~と思うのだ!いやそれどころか、年を重ねて来た自分も更に、改めて今この作品の良さを噛み締めたと言った方が蓆正しいのかも知れない!
子供の頃は気付かなかったが、これラブコメでは無くて、結構シリアスな社会派ドラマの
要素も含んでいたんだなと今回思った!
ジャック・レモンとウォルター・マッソーのコンビのコメディー+このワイルダー監督は、戦後のハリウッド作品の中心的存在で、みんな遠い昔に故人になってしまっているその中で、紅一点現在も健在で、素晴らしい演技を披露してくれるシャーリー・マクレーンがこの作品「アパートの鍵貸します」では、とびきりチャーミングで、愛らしい!フラン役を熱演しているではないか!
彼女もこんなに若くて可愛らしい時があったのか!と驚きで画面を観た。自分が初めてこの映画を観た学生時代は、年上のOLおばさんに感じて観ていたのが、自分が現在観ると、その可愛らしさに驚嘆したと言うわけだ!・・・これも映画の楽しみ方の1つだろうか?
50年前のモラルや社会通念で考えると、大会社のエレベーターガールである新人社員のフランが、部長クラスのベテラン社員と、不倫関係に陥り、失恋したと知ると自殺する下りは、アメリカでも当時は、かなり大胆で、不倫などするのは大事件であるのだろうか?・・・
今日では、アメリカでも、日本でも、社内で不倫関係に陥る事に何の物珍しさを感じないのは、現代の現実の方がこの時代の映画より先行してしまったと言う事なのだろうし、むしろ不倫くらいで、自殺未遂するなんて純だな~と思ってしまうのは、自分だけだろうか?
でも、人生どんな事があろうとも、自殺は決してしてはならないのだ!悲しむ人がいるのだから、自分自身では気付かなくても、人は思った以上に周りの人に大切に思われている!
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