劇場公開日 1961年6月14日

沓掛時次郎(1961)のレビュー・感想・評価

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3.5そんな、顔色のいい病人がいるか

2020年4月12日
PCから投稿

超オーソドックス
それが逆にすごい
何と言っても私は映画を2000本以上見てるによってベタな作品は見飽きている。
なのに、このような江戸時代の紙芝居のような何の目新しさも見出せない作品が90分持ってしまうというのはすごい。オーソドックスなストーリーの威力を改めて思い知った。逆にこのようにオーソドックスで上手く描けた脚本というのは意外と少ないので脚本的にお手本と言えるだろう。 主人公のしなければいけないことを明らかにするところまでの時間もあっという間。それでその後ぐいぐいと話を進めて長編映画が一般的に上がってしまったとは!
ただ目を引くとこはいくつかあった
その一つは言うまでもなく女優の良さである。やはり美しさと気品とエロさを兼ね備えた女優というのは結構長いこと見てても飽きないものである
それから宮川一夫のカメラはいつものようにとても味のある。 また日本の風景がとても美しい。今では観光地に行かないとないような風景がどこにでもあって、 日本人の感性はこういう自然の中で育まれたのだなあということを感じられた
しかしこの作品が脚本的に成功したのはそこではない
主人公たちが戦う人間の敵とは違うもう一つの別の敵と戦うところをうまく描いてた点にあると思う。それは生活費だ。主人公たちが生活費を稼ごうとして頑張って色々やるところがリアリティを醸し出していてそれが全体的な面白さに繋がったんだと思う 。
ラストも江戸時代くさくて私はもう二度と見たくないが、一度見ておくと良い映画としてオススメしたい。

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タンバラライ