「護衛艦丸出しで興醒め」駆逐艦雪風 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
護衛艦丸出しで興醒め
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DVDで鑑賞。
新作映画の「雪風 YUKIKAZE」を観る前に、同じ題材の本作を観ることにした。同作は感動のヒューマンドラマのようだが、本作は長門勇氏が主演なだけにユーモアが随所に散りばめられている。だが、戦争の悲惨さを描くことを忘れてはいない。駆逐艦「雪風」は終戦まで、ほぼ無傷で生き残った艦であることで歴史にその名を残しているが、当時の風潮を鑑みるに「生き残る」と云うのは、単純に喜んで良いことではなかっただろう。主人公がそうであったように、死んでいった者への申し訳無さが先に立ち、苦しんだ人が多かったと思う。一筋縄では行かない複雑な想いに、心が苦しくなった。
しかしながらそのような感慨も、とあることがきっかけで醒めてしまった。それは海上自衛隊の護衛艦「ゆきかぜ」をそのままの姿で、駆逐艦「雪風」として登場させたことにある。
護衛艦特有のひらがなの船名や識別番号(とでも言うのだろうか?)がそのままであり、護衛艦丸出しなのだ。気になってしまい、ストーリーに集中出来ない瞬間が何度かあった。
撮影の間だけ隠したり、漢字の艦名をシールで貼るなりと云う工夫は出来なかったものかと思う。特撮に掛ける予算が少なかったことによる策かと想像するが、かなり残念である。
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