Coo/遠い海から来たクー
劇場公開日:1993年12月11日
解説
第九十九回直木賞を受賞した景山民夫の同名小説のアニメーション映画化。南の島のフィジーを舞台に、海竜プレシオザウルスと少年との交流と冒険を描く。監督は「魁!! 男塾」の今沢哲男、脚本は「大誘拐 RAINBOW_KIDS」の岡本喜八、作画監督は「ヤンキー烈風隊」シリーズ(V)の大倉雅彦、美術は「ニモ」の山本二三、撮影は「夏への扉」の細田民男、音楽は「修羅の伝説」のニック・ウッドがそれぞれ担当。
1993年製作/116分/日本
配給:東映
劇場公開日:1993年12月11日
ストーリー
南太平洋、フィジーのパゴパゴ島で海洋生物学者の父・小畑徹郎と暮らす十二歳の少年・洋助は、嵐の明くる朝、礁湖の砂地で五〇センチほどの大きさの生物を発見し、父の研究室に持ち帰る。洋助はアザラシの子供に思えたその生物にCoo(クー)という名前をつける。Cooは、インプリンティング(刷り込み)という習性により、生まれて初めて見た洋助を母親と思い込んでいるらしい。洋助と徹郎は、Cooを育てていくうちに、Cooが六五〇〇万年もの間を生き残った水棲爬虫類プレシオザウルスの子供であることを確信する。二人の奮闘の甲斐あって、Cooは日増しに大きくなり、洋助の母親ぶりも板についてきた。別の場所で、Cooを産み落した母親恐竜の死骸が、フランス軍の特殊部隊によって人知れず始末された。彼らのリーダー、ノルベール大佐はフランスの水槽メーカーの出荷データから、徹郎がCooのために大きな水槽を注文したことをつきとめた……。同じ頃、日系アメリカ人のキャシー野崎という女性が、突然小畑家に押しかけてくる。彼女はダイビング専門誌のフォトグラファーで、日本から遠く離れたこの島で暮らす徹郎親子を取材にきたのだという。まずいことに、キャシーは島に到着するとき、海中プールにいたCooを上空から撮影してしまっていた。徹郎はすぐに島から出るよう通告するが、彼女は島のトンベルア酋長に直接交渉し、滞在許可として“カヴァの儀式”を経験しOKをもらってしまった。翌日、武装した男たちが島に上陸、電話線を切断し洋助らを孤立させる。キャシーはあっけにとられる父子を尻目に野戦服に着替え、男達を迎え撃つ用意をする。キャシーは実は自然保護団体“グリーン・アース”の一員であり、フランス軍特殊部隊の手からCooを守ろうと島にやってきたのだ。フランス軍はフィジー諸島での核実験を計画していたが、もしその海域に未知の生物が発見されたら計画が頓挫してしまうことになるため、Cooの存在を抹殺しようとしていた。戦いがはじまり、洋介やキャシーの必死の抵抗もむなしく、Cooはノルベール大佐に奪われてしまった。まもなくしてフランス軍を追いかけてきたグリーン・アースの武装船が現われ、両軍は海上で衝突する。その最中、Cooが自分の仲間であるプレシオザウルスの群れを呼び寄せ、人間たちの戦いを止めさせた。洋介はCooに別れを告げ、仲間たちのもとへ送り届けるのだった。