金田一耕助の冒険のレビュー・感想・評価
全10件を表示
横溝ワールドのパロディ化?金田一耕助祭りなんだけど・・・
いや〜、懐かしい。映画公開当時は金田一耕助が大好きで、横溝先生の小説を読み漁ってました。(内容は、ほとんど覚えていないんですが・・・)
それだけじゃなくて、金田一耕助の推理は間違っているって本まで出ていて、それも読んでました。(確かシリーズ化されて二冊とも読破済みです。)その他にも金田一耕助関連の書物を何冊か・・・
そして、本作品でも金田一耕助を演じてくれた古谷一行さんのTVシリーズも大好きで、毎週楽しみに見てました。主題歌の「まぼろしの人」も良い歌です。
そんなわけで、数々の役者さんが演じている金田一耕助ですが、自分の中では、古谷一行さんがまさにイメージどおりのピッタリで、大好きです。
だから、ワクワクしながらの映画鑑賞でしたが、ガッカリの記憶しか残ってません。期待が大きすぎたんでしょう。同時公開だったもう一作の方が良かった。(タイトルは忘れちゃいましたが・・・まぁ、どちらもその程度の作品だったって感じ)
そんな想いから、40年以上もう一度見てみようという気も無かったんですが、今回BSで見かけて、年を取ったら印象変わるかな?って感じで再見です。
内容は、全く覚えてなかったんで新鮮な気持ちで、見たんですが・・・
ファンの人ごめんなさい。やっぱり自分には合いませんでした。
三船敏郎さんが演じる金田一耕助が出てきたり、角川春樹社長、横溝正史さんとか、豪華なカメオ出演陣は、それなりに楽しませてもらいました。
ロケ地の富士急ハイランドも懐かしかった。あの大きな花時計、確か今は残ってなかったような・・・
ただ、基本がコメディなんだよね。横溝ワールドでコメディはどうなんだろう。石坂浩二さんの金田一モノとの区別かもしれないけど、あまり意味ないかな。
そして、大林宣彦監督・・・やっぱりこの監督の作品は、どうも好きになれない。面白みを感じない。あくまで個人的な感想ですが・・・
【ネタバレ】
コメディと言うことで、パロディ映像が多かった。
アデランスのCMとか、「人間の証明」を始めとした角川映画の数々をもじったものとか・・・
ただ、当時流行っていたもののパロディ化なんで、今の時代じゃ面白みに新鮮さがない。気付かないものもあったんじゃないかな。
そして、一番納得いかなかったのがラスト。なんか、はっきりしないけど、金田一耕助が犯人みたいに死体を飾り付けしてた。
いくらパロディでも、それはないだろうと、一気に興醒めしちゃいました。
大林節全開!〜徹頭徹尾、冗談映画。
1979年公開、配給・東映。
【監督】:大林宣彦
【脚本】:斎藤耕一、中野顕彰
【原作】:横溝正史〜『瞳の中の女』より
【製作】:角川春樹
主な配役
【金田一耕助】:古谷一行
【等々力警部】:田中邦衛
ほかに、仲谷昇、山本麟一、吉田日出子、坂上二郎、東千代之介、樹木希林、熊谷美由紀、江木俊夫、石井めぐみ
1.角川春樹と大林宣彦
角川春樹は、『犬神家の一族』、『人間の証明』、『野生の証明』、『悪魔が来りて笛を吹く』などで時代の寵児となり、角川文庫と角川映画のタッグは、新たなメディアミクスとして大いにもてはやされた。
大林宣彦は、『HOUSE ハウス』で商業映画デビューしたが、本作は、大人気となった『ねらわれた学園』、『時をかける少女』、『転校生』などの前になる。
角川春樹37歳、大林宣彦41歳。
なんの躊躇もなく、とことん、冗談映画を作り込んだ。
ふたりの笑い声が聞こえるような感じさえする。
2.当時を知らないと笑えない箇所も
いや、当時を知っていても、散りばめられた小ネタのすべては拾えない。無理だ。
CMディレクターとして、3000本を超える作品を残した大林宣彦ならでは?(笑)の、CMネタが随所に出てくる。
インスタントコーヒー(Maxim)、クルマ(RX-7)などのくだりは、ただ入れたかっただけ、という感じだ。
3.誰も笑えない喜劇
『蘇る金狼』と同時上映された本作。
金田一耕助がローラースケートで走り回り、
富士急ハイランドでデート?したりするのを観たい人は、居なかった(と思う)。
残念ながら本作の評価は、いまも低いままだ。
だが、角川−大林ペアは、その後ヒット作を放つ。
その二人を引き合わせた企画というところには価値がある。
☆2.5
明るく綺麗な見た目のピーマンの中
録画したものを視聴しました。
「話がピーマン」…二度台詞が有ります。当時はピーマンが空っぽというイメージがあったのでしょう。今ならピーマンの中のワタこそ栄養があり捨てるべきではないことは、知る人ぞ知る事実です。
不二子さん他、女性陣の魅力が引き出されていました。
横溝正史さんご本人の出演シーンも愉快でした。
ドタバタコメディテイストで明るい雰囲気の中に、しっかり大事なメッセージを入れているのですが、残念ながら大事な部分は不要なものであるという間違った常識によって捨てられていたピーマンのような作品…と、言っている自分でも意味がわかってません。
映像が古いだけでなく、演出的にチープさが目立つものの、金田一耕助が存在する世界観にリアリティを感じました。
底抜けなパロディーパーティー!
DVDで鑑賞。
原作(瞳の中の女)は未読です。
古谷一行さんの訃報に触れ、思い出しレビューします。
金田一耕助シリーズだけでなく、当時話題となっていた映画やCM、果ては角川映画まで、途方も無い数のパロディー(悪ふざけ)が仕込まれていて(気づいたところの方が少ないかもしれませんが)、かなり笑わせてくれた作品でした。
テレビドラマでも金田一耕助を演じていた古谷一行さんでしたが、本作のそれは剽軽さが5割増しくらいな印象で、全体的にセルフパロディーの趣きがありました。
古谷一行さん…
名優がまたひとり、天に召されてしまいました…
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
パーティーは終わった! これから打ち上げの二次会だ
70年代の金田一耕助シリーズは、どれも角川映画というイメージがあるが、実際には角川が製作しとして出資したのは、1976年の「犬神家の一族」と、1979年の本作の2作品だけだ
1978年の「悪魔が来たりて笛を吹く」は東映の全額出資で、角川春樹氏は雇われプロデューサーとして参加している
なぜ角川は本作を製作したのか?
その疑問がまず鑑賞前から頭をもたげる
大林宣彦監督は当時まだ商業映画3作目の新人監督
1 作目の「House 」で異才ぶりが注目された
それでどのような作風であるのかは、良く知れ渡っていたはずだ
横溝正史作品の世界とは対極にあるということは誰もが分かっていたはず
内容を観ればやはり予想通りだ
角川はそれでも大林宣彦監督を選び、自ら出資して、金田一耕助の映画を撮らせた
それは一体なぜなのだろうか?
そればかりが頭の中でぐるぐる駆け巡った
単にお友達だから?
そんな訳はない
横溝正史の原作の大ヒット
映画化したらそれも大ヒット
相乗効果でさらに文庫本が売れる
それで味をしめて他の小説家でも試してみたら、これもまた大成功
角川としては金田一耕助シリーズには大恩がある
その金田一耕助シリーズもあまりにもヒットし過ぎで、映画もテレビも沢山作られて流石に飽きがでてきた
そろそろ幕引きの頃合いだった
それが1979年の状況
あの市川崑監督が「病院坂の首縊りの家」で宣伝コピーの通りのこれが最後じゃ!というレベルの残念な映画を撮ってしまうほど
出演者勢揃いのカーテンコールは「女王蜂」で済んでいる
「病院坂の首縊りの家」は完全に蛇足だった
ダラダラといつまでも終わらないパーティーは最低だ
早く誰か中締めしてくれ!
誰がするのか?
それはパーティーの主催者に決まっているじゃないか
何をもって金田一耕助シリーズを本当に締めくくるのか?
その答えが本作だ
つまりパーティーの中締、二次会で打ち上げ、そして関係者の集合記念写真の撮影
これが本作のテーマだ
大林宣彦監督はその意味を良く理解して本作を撮っていると思う
そこは流石だ
本作をもって、70年代の金田一耕助シリーズの大ブームは完全に終わった
パーティーの中締めがなされたのだ
たまたま西田敏行が他の仕事で主演できず、古谷一行が主演したのは嬉しい誤算だった
彼が主演の金田一耕助のテレビ版が一番好きだった
一番原作のイメージに近いのは彼だ
その姿が映画となっているのは本作だけだ
今ではテレビ版もネット配信で何時でも鑑賞できる時代になった
金田一耕助シリーズの嵐のような大ブームは、もう40年以上昔のこと
21世紀の今、本作の役割は何が残っているのか?
パロディをどこまで読みとれるかのクイズ番組みたいな価値しか残っていないのかも知れない
一応面白さが味わえる作品ではあったが
パロディ満載!
当時の流行った映画やコマーシャルなどはしつこいくらいに登場するが、そのパロディの中でも本物を使った果敢さ・・・もちろんTVシリーズや映画の横溝作品をパロッたり、自虐的に自分の作品をも笑いにしている。個人的には間違い電話がかかってきたシーンで「浩二?ちがいますよ。え、ルリ子?」が強烈だった(笑)。
奪われた石膏像の首は次から次へと移されていくが、その都度殺人事件が起きる。その犯人だと自白した草野大悟までもが『八つ墓村』での殺され方のように死体で発見される。しかし、ストーリーは横道に逸れ、だんだんどうでもよくなってくる(笑)。最後には麦わら帽子が岡田茉莉子の頭にかぶらせるなんてのは最高!そういや大林のセルフパロディといっても、初期に作られた作品だから多くはないので、角川映画から持ってきたんだな・・・
最後には古谷一行のモノローグ。横溝作品がワンパターンだということの擁護のようにも聞こえるし、今後も面白い作品を制作するぞ!という意気込みにも聞こえる
自虐金田一
横溝正史ブームの最中、古谷一行主演で大林宣彦が監督した金田一映画。1979年の作品。
既に古谷一行はTVシリーズで金田一を演じ人気を博し、その映画化…じゃない。
ナンセンスギャグとパロディ満載の異色の金田一映画。
一応、短編「瞳の中の女」を原作としているが、原型ナシ。
一応ストーリーもミステリーもあるが、脱線しまくり。
映画に本にTVに、マスコミの寵児となった金田一。唯一謎を残した事件に、再び挑む…。
金田一好きなのでいつか一見したいと思いつつ、なかなか見る機会が無かった本作。
で、ようやく機会があり、見てみたのだけど…
「…」。
ギャグにパロディ、ギャグにパロディの繰り返し。
別にそれは悪くないんだけど、決定的なまでに面白くない。
ギャグはダダスベり、パロディは当時のCMなんかがネタらしいがさっぱり分からず…。
小ネタは「トリック」並み。
金田一作品自体のパロディもあり。これはちょっと面白かった。
“病院坂”とか、「ようし、分からぬか!」とか、市川金田一のようなカット割りとか。
横溝正史も本人役で出演。あの台詞は本音か。
某超大物俳優も金田一に!
殺人防御率の低さで知られる金田一。
ラストは、それに対して弁明する自虐ネタと、金田一が金田一作品への愛を語る。
後はただのお遊び。
収束つかず。
やっぱり金田一は、おどろおどろしいミステリーが好き。
全10件を表示