劇場公開日 1983年10月29日

魚影の群れのレビュー・感想・評価

全9件を表示

3.0泥臭い人間らしさ

2024年7月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

幸せ

数年ぶり二度目。流しながら観てたので所々内容飛んでいるが、津軽海峡を舞台にした、骨太な作品であることは疑いない。
昭和の後半、まだDVがDVとして認知されておらず、男は男らしくあれとされた息吹が残っている。一般論としてよくないのは重々承知しているが、この人間臭さが物語に深みを与えているし、惹き込まれる要素にもなっている。
2024年の今、大間に夏目雅子的な人がキャスティングされても浮世離れし過ぎて共鳴できないが、この時代なら、と思わせてくれる。

下北の言葉、全然わからないけれど、それでも伝わるものがあるのが、映像の強さ。その映像の強さを形作っているのは、役者の顔であり、所作であり、カメラのアングルであり。漁師は一か八かのギャンブル、人生もまた同じ。人間の暴力性というか、肉体性というか。泥臭い人間の織りなすドラマ、とても良かった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Nori

5.035ミリフィルム、スクリーンで鑑賞。言葉に出来ないほど凄い。どうや...

2023年7月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

35ミリフィルム、スクリーンで鑑賞。言葉に出来ないほど凄い。どうやったら相米のような映画を撮れるのか。ティーチインの藤井先生も「わからないんです」と素直。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
kazuyuki

4.0漁師の迫力ある漁獲シーン

2022年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

広島市映像文化ライブラリーでの相米慎ニ監督特集の一つ(平成26年3月)。
長回しの監督と言われているが、クライマックスの捕獲など真に迫力があった。
俳優の演技も真に迫っている。
海原での船のシーンが多いため、撮影も船に乗って追いかけるのだが、かなり撮影は厳しかったと思われる。
漁師として生きる男と女。その辛さと悲しさ。命がけと博打打ちの人生。
日本映画の名作フィルイムが大画面で見られる広島市映像文化ライブラリーならではの醍醐味であった。
原作は、ノンフィクション作家の吉村昭氏。相米監督の中でも独特な映画だそうだ。

2014.03.06 広島市映像文化ライブラリー

コメントする (0件)
共感した! 0件)
M.Joe

5.0キュルルキュ

2021年1月30日
iPhoneアプリから投稿

耳を引っ掻くようなテグスの擦れる音が恐怖である。カメラが横に少しずれて既に取り返しのつかない大惨事をとらえる。突きつけられる事態。おそらく親父は何をするのが娘の彼氏にとっての解なのか用意などなかったのだろう。男のロマンなどはない、柔軟になれぬ不器用さが男に残酷な罪を背負わされる。現実に背を向けて自分の世界に逃げ込む。マグロを手繰り寄せる下りの長回しはドキュメンタリーのようでもあり、緒形拳の船から乗り出す所作は演技の枠を超えたものであるが、ただ流れる虚しい時間が哀しい。
マグロと人間の区別がつかないとは前妻の言葉。娘の彼に会いに行けば相手の隙をみてマウントして、手まで出す始末の悪さ。体を任せて服を脱ぎ着させる姿は男女の役割分化が象徴されているが、むしろ分化したことで不能になってしまったようでもある。このまま死なれては男は何も果たせぬが、やれることを投げ出してやっても救われない残酷さ。娘の数え歌が響く。
佐藤浩一の家庭内レイプシーンは動物的で、腰のみが機能しているような眼は、何かを屈さなければ自らの存在確認できぬ虚ろな姿をよく表現している。どっしりと中央に位置する夏目雅子の存在感。濡れ場含めて十朱幸代も熱演。どこから撮っているのか考えれば楽しいカメラワークの数々。相米慎二らしさが活きた大作。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
Kj

4.0役者というより漁師です!

2020年12月14日
PCから投稿

高校生の娘から薦められて見た、古い作品1983年

娘「これ、いいよ、見ない?」
母「へー?やたら古いね、夏目雅子じゃん、どんなの?」
娘「マグロの一本釣り、ガチなやつ、マジ見たほーがいいよ」

というノリで…
女子高生が持ってくる作品じゃないよね(^_^;)

原作があたしの大好きな吉村昭だったので見る気になりました
漂流や船上、海を描いた作品が多いのでもう想像ついたけど
いきなり長回しのロングショット
いちいちワンカットが長い!
船上のシーンはリアルそのもので怖い
この間の「劔岳」と同じで、どうやって撮ってるんだろうと思いながらハラハラ見る
なまりが本格的でよくわからないけどだいたいわかる(^_^;)字幕ほしいわ

緒形拳は本当にすごい…役者というより漁師です!

コメントする (0件)
共感した! 3件)
mamagamasako

3.0ここには男と女の人生のクライマックスがある

2020年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2019年6月9日 魚影の群れ 鑑賞
大間を舞台に、マグロ漁師、その一人娘、娘の恋人で漁師を目指す青年の物語。
マグロの一本釣りのシーンは壮絶バトルでした。佐藤浩市 が若い!
#緒形拳#夏目雅子#佐藤浩市#三遊亭圓楽#レオナルド熊#下川辰平

コメントする (0件)
共感した! 2件)
とし

5.0日本の海洋映画のナンバーワンです

2020年4月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

文句無しの傑作です
正に日本の老人と海です
ジョンスタージェス監督の作品より遥かに上だと思います

ワンカットワンシーンは、ほとんどと思える程のシーンがこの手法で撮られています
ですが、前作のションベンライダーのようなこれ見よがしのものではなく、リアリティの迫真性を生み出す為にのみ使われており、大変に効果を上挙げています

緒形拳、夏目雅子といった名優がこの相米マジックというべき映像の中で、その名演技が爆発しているかのようです

カメラもワンカットワンシーンに応じて、時にパン、時にズーム、時に移動します
それもとんでもなく動く程です
神業です
その映像の中に全ての人物があるがまま俳優ではなくその役そのままの人となって存在して、同じ時間の中で生きているのです

津軽海峡を走る漁船を捉えるカメラがローアングルの構図であるのにはたまげました

冒頭で娘は父の服を脱がせます
終盤では父に服を着せます
男尊女卑ではないのです
漁師の仕事の過酷さが自然と男女の役割をそうさせているということです
実際にそうであることを再現しているそのシーンの自然さが本作の見事な迫真性を代表していると思います

日本の海洋映画のナンバーワンです

コメントする (0件)
共感した! 2件)
あき240

4.5緒形拳 & 佐藤浩市

2018年9月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

夏目雅子目当てで内容も知らず見た映画でした。が、「漁師」緒形拳から目を離せなくなるすごい映画でした。若い佐藤浩市の孤独、漁師として認められたら初めて本当に彼女の家族になり「夫」になれるという思いに胸がえぐられました。
十朱幸代は上手いなあと思いました。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
talisman

4.0マグロの一本釣り

2017年12月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

興奮

萌える

マグロの一本釣り漁師(緒形拳)の娘(夏目雅子)が、男(佐藤浩市)を連れてくる。
喫茶店をやっていたが、結婚するので漁師になりたいと申し出る。
長回しの相米慎二監督、随所に奇跡的なカットが出てくる。
俳優業も大変だ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
いやよセブン