木村家の人びとのレビュー・感想・評価
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全てお金の時代だったけ。チェルノブイリ事故後、昭和最後のギャグ。 ...
全てお金の時代だったけ。チェルノブイリ事故後、昭和最後のギャグ。
景気が良い話ばかりしているが、働かなけりゃ金が手に入らぬ時代である。『守銭奴になるな』と言いながら、『企業の為に働く者は評価するぞ』と日本全体を守銭奴の蟻地獄へ引きづりこむ。金が好きなのは良いが、金をかけずに楽しむ方法を育まなくなった。つまり、『金がかかる行為が一番快楽を呼ぶもの』と定義されるようになった。成熟された資本主義であるのは、北欧と同じだが、成熟した文化の取得には失敗して、文化はチンケに退化して、お金の第一主義の時代を迎えるに至った。従って、円安の今、大日本帝國は絶滅に瀕しているのだ。
しかし、ラーメンを食べるのは良いが啜ってもらいたくない。下品だ。グローバル経済とか、欧米化を望むのなら、世界をもう少し見つめ直す必要がある。
お金を貯める事よりも、お金を使う方法を選別すべきだ。また、タイム・イズ・マネーは若者であっても自覚すべきだ。
この演出家もピンク映画を作っていた時は良かったが、18Rじゃなくなると受けばかり、つまり、興行を考えるようになり、毒がなくなるだけで、下品度は増す。本当の笑いを知らない。
鹿賀がいい
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やたらめったら金金金で、何かにつけて商売しては稼ぐ一家があった。
小銭大好きな鹿賀と桃井の夫婦、その子供の姉弟。異常にガメつい。
だが実は息子だけがその生活に疑問を持っていた。
ある日兄夫婦がやって来るが、教育上も良くないだろうと苦言を呈す。
鹿賀はそんな事はおかまい無しだったが、息子はこの夫婦と文通を開始。
この夫婦の影響を受け、家族での生活がイヤになり始める。
そんなある日この兄夫婦が、息子を養子にくれと申し出る。
全てを知った鹿賀はショックで、小銭稼ぎの生活はやめる。
その代わりとしてベルマークを集める事にした。
商売をやめて時間があまった桃井は、ダンス教室へ通うようになる。
そこでかつての商売敵といい仲になるが、これは桃井の演技だったみたい。
小銭稼ぎをしない鹿賀なんて魅力がない、と思って火をつけるためだった。
案の定、鹿賀は再び小銭稼ぎの生活を始める。
ただ休んでる間に商売敵にシェアを奪われまくっていた。
しかし息子の吹いたハーモニカが原因で多くの客を取り戻せた。
息子が兄夫婦の所に行く日、車で送った鹿賀だったが、
突然息子と口汚く罵り合い、そんな中で何かが通じ合い、抱き合う。
結局養子に行く話はご破談になったみたい。
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いやー、鹿賀さんの演技はいいわ。
ごく平凡なサラリーマンやが、小銭が大好きで仕方が無い。
息子への愛情も普通の親のようにちゃんと持ってはいるのだが、
結局は息子よりも金、って事で商売を始めてしまう。
何かが取り付いたような小銭愛のキャラを見事に演じ切っていた。
一時ベルマーク集めに変わった時なんかも最高やった。
これも小銭みたいなもんやのに何でベルマークは良くて現金は駄目なの?
ってな、的を射た疑問をつぶやいてしまうシーンも最高やし、
アホらしなって息子の目の前で大量のベルマークをバラまくのも最高。
そしてベルマークに対し、馬鹿野郎!とかって怒鳴るのも最高。
でもこんなシーン、今の世の中ではまずご法度やろうなあ。
普通に急いで信号無視しまくってるようなシーンもあったけど、
そういうシーンも許される、のんびりした時代だったと言えるだろう。
あとその気になったらいくらでも金を稼げる、バブル最高やな。
それともう1つ、鹿賀は的を射た事を言っていた。
左遷されたサラリーマンで、周囲にも左遷組ばかりなのだが、
「適当にやってても確実に金をもらえて、福利厚生もあって最高」
うん、商売してる身からしたら、間違いなくそう感じるよなあ。
商売に熱中して、駄目になった場合の保険でリーマンを続けてる。
これに関してはおれも近い立場なんで、すごく共感できた。
劇中の同僚らも左遷に落ち込んでいたが鹿賀に感化され明るくなってた。
やっぱりリーマンを一生懸命やる奴の人生ってつまらん(場)
あと面白い話もあったな。
ある人が外国の屋敷を見て驚き、誰の家かと聞くと○○と返答された。
その近くで葬式があったんで誰の葬式かと聞くと同様に○○と返答。
いくら金持ってても死んだら意味ないんやと思って希望を得たって話。
でも実は○○は現地の言葉で「わかりません」の意味だった。
カンガルーか!とは思いながらも、なかなか深いお話。
でも最後はようわからんかった。息子との間に何が通じ合ったのだろう?
まあ全体的にコメディ色が強いから、それも良しとしよう。
あと驚いたのが、開始10分くらいで嫁が見た事あるって言った事。
そんなメジャーな作品ではないと思うが、よう覚えとるなあ。
見終わった後もおもしろかったって言ってて良かった。
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