君よ憤怒の河を渉れのレビュー・感想・評価
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君よ大ウケした中国へ渉れ
文化大革命後の中国で大ヒット、中国での高倉健の人気を不動のものに。
来年にはジョン・ウー監督によるリメイク版も公開されるアクション大作。
突然、無実の罪を着せられた検事の杜丘。
二人の証言者、家には証拠品が。
何者かにハメられた。
自ら無実を証明する為、逃亡。日本中の大捜査網をかいくぐる。
北海道では馬を駆る。馬で逃げるなんて日本じゃなかなか出来ないけど、北海道の広大な大地では出来る! 北海道だけと思ったら、東京大都会の街中も馬で駆る!
北海道から再び東京へ。捜査網を突破した奇策は、セスナで!
途中、惚れられた女と愛し合う。
アクション、サスペンス、ラブ・ロマンス、その他サービス精神満点!
娯楽作としては面白いんだけど、この映画、言われてる通りツッコミ所も満点。
まず、主人公の杜丘が超人。一介の検事に過ぎないのに、馬にも乗れるセスナも運転出来るアクション・ヒーロー。自分が担当した事件の中で、今回の陰謀と関わりある一件をすぐさま特定する。
刑事曰く、「検事には惜しい男」。
話はスケールの大きい逃亡アクションがメインで、犯人捜しや事件の真相に迫る捜査サスペンスの醍醐味はおざなり。黒幕も真相も主人公がハメられた理由の動機も弱い。
黒幕じゃないけど、「証拠を見せろ」。
主人公を執拗に追うキザな刑事役の原田芳雄はさすがのニヒルな存在感、図らずも逃亡を手助けする北海道の名士・大滝秀治、主人公の上司・池部良など名優揃う中、色んな意味で一際印象残るのがヒロインの中野良子。
大滝演じる北海道の名士の娘。お嬢様でありながら、ボリュームある髪が何処か色っぽく、ラブシーンやヌードも披露。惚れた男の為に文字通り“一肌脱ぐ”。
でも一番衝撃的なのは、怪獣みたいな鳴き声の着ぐるみクマに襲われている登場シーン。このお嬢様もあんな山の中で何してたんだろう…??
後、本作、音楽が…。OPテーマ曲など悪くない音楽もあるんだけど…、サスペンス・シーンなどに流れるあの脱力系の音楽は無いぜ。
日本版『逃亡者』と呼ぶには生温い。
改めて見ても、これが中国で大ヒットしたとは意外。当時、中国ではそれほど娯楽に餓えてたのかな…?
まあでも、高倉健は確かにカッコイイ。
そりゃあ、馬にも乗れてセスナも運転出来て女にも惚れられるわな。
中国で人気になったというから期待したのだがさっぱり駄目
総合30点 ( ストーリー:20点|キャスト:60点|演出:50点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )
普通の女性ならば本来なら隠したいはずたが、暴行を受けたはずの女が躊躇いも恥じらいもなくそのことをみんなの前で感情的に自ら晒す。そして警察は相手の一方的な言い分を聞いただけで、法的手続きも得ずにいきなり犯人扱いで主人公をすぐに逮捕するという冒頭の展開だけで十分変だった。しかもその演技や演出の質が、いかにも昔の作品といったかんじで低い。
さらに熊と飛行機の話と三沢の自衛隊機の映像の酷さといったらなかった。病院での話も警察の事件の処理もまるで現実感がなく、どれだけ出鱈目な人だったらこんなくだらない脚本が書けるのだろうかという水準だった。これならばむしろ喜劇にすべきだ。こんなに酷い物語をこんなに古臭くてわざとらしい演出で描かれてはまるでいいところがない。
高倉健がこの作品で中国で高い人気を得たというから、だいぶん期待して観たのだが全然たいしたことはなかった、いや相当に酷かった。健さんの作品でもこれより良いものはいくらでもある、というかこれより酷いものはなかなかないだろう。共産主義中国では法律が機能せずに無実なのに犯罪者にされる人が多いから、もしかするとこのような内容が受けたのかなとも思った。
この作品はフィクションです。
この大義名分が、絶大なる効力を発揮してる作品だった。
いや、面白かった。
オープニングから「なぜ?」が付きまとう展開で、ずっとそれがどこかに刺さってる。
その謎が、徐々に解明されていくのだが、その開示の仕方が絶妙で…観客に推理の隙間と時間を与えてくれる。
綿密に構成された脚本のイメージをもった。
また、これは、是非が問われると思うのだが…「熊」の登場に驚愕した。
周到な脚本だなあと思ってた矢先の「熊」である。
もし、眠気に襲われてる観客がいるとすれば、ここで起きずにはいられないだろう。
だが、現実世界には「偶然」という要素がある。この「熊」はまさにその偶然を脚本に組み込んだ秀逸な一例だともいえる。
とある理由で、手に取っ作品ではあったが、面白かった。
事が露見してから、最後にいたるスピード感も潔く、観客が確信を得てるラストには、もはやドラマはないとでも言わんばかりだ。
そして、何より、この時代の俳優のアクの強さが頼もしい。
犯人と、それを追う刑事。
彼らが、共闘するまでの経緯とかには凄く得心がいく。
また、それを納得できるだけのキャラクターであった。
この映画はフィクションです。
起こる物事自体はそうであるが、そこにはフィクションではない人間が息づいていたと思える。
だから、この作品は面白かった。
ただ、あの突拍子もない場違いなBGMには不快感しかなかった。
中国で絶大な人気を博したと聞き、健さんファンの私は期待に胸を膨らま...
中国で絶大な人気を博したと聞き、健さんファンの私は期待に胸を膨らませた。
が、どうだ。久々にぶっとんだ作品に出会った。質の悪い二時間ドラマのようだった。いや長い分だけさらに最悪だった。これが東映後の第一作という健さんが気の毒で仕方ない。
熊、セスナ、馬、そして中野良子とのロマンス。キスシーンもいらないし、吹き替えらしいヌードも三流二時間ドラマの演出だ。大袈裟、軽薄な音楽。何もかもが衝撃的だ。
そうだ、もうこれはコント、ギャグとして見るしかない。そう思って見ると、この映画、実は最強なのかもしれない(笑) 熊、セスナ、馬・・・爆笑必至。
俺に憤怒の河を渉れって?
松竹映画なのに製作 永田雅一。確かに大映臭プンプン、だけどさっきまで東映にいた高倉健主演。この時点でなんだか良く分からない感じなのだが、「太陽に吠えろ!」か?と思わせる粗削りなカメラの動き、深刻な状況を全く無視した呑気なBGMと続くと、健さんではなく、観客の心にふつふつと怒りが満ちてくる。
逃亡犯なのに東京・奥能登・日高を楽々と移動して、検事らしからぬサバイバルスキルを発揮。そりゃ、追いかける刑事の原田芳雄が感心して言わなくても「検事にしておくには惜しい男」だよ。自衛隊の特殊部隊で活躍してもらったほうがいいに決まっている。そのことは後年ちゃんと「証明」されている。
そんなもんだから、ぬいぐるみとすぐに分かる熊が出てきても、もう観客はそんなことでは怒らないし、中野良子と健さんのラブシーンがいつ始まるのかくらいしか興味がわいてこない。
そんな観客の怒りの増大とは反比例するかのように、当初健さんへの敵意むき出しだった原田芳雄が、徐々に健さんへの信頼と尊敬を示すようなる。 健さんを泥棒扱いした田中邦衛の写真を片手に、「とぼけた顔しやがって」と吐き捨てるあたりから、原田がグングン乗ってくるから、中野と結局はやっちゃった健さんに代わって物語を動かしていく。
新宿駅前に馬を走らせるアイデアは良かったが、いい加減だれ切ったこの映画のもはやこの時点でそれを見せられても、そこまでやる意味あるの?と思う観客が多いだろう。どうせなら冒頭にガツンとかまして、フラッシュフォワードにしたほうが俄然興味が湧いただろう。
つまらない映画にくどくどこれだけ書くことがあるのは、半端じゃなくつまらないということ。これだけ欠かせればもう立派なもので、最後に西村晃が射殺されると、観客の多くはチケットの半券を握りしめて憤怒の河を渉っていったことだろう。
健さん、なんで死んじゃったんだよう(涙)
西村寿行原作の実写版。
38年前の健さんはやっぱり渋い。
故原田芳雄や田中邦衛、中野良子、倍賞美津子
とそうそうたるキャスティング。
ハードボイルドを絵に描いたような主人公を
ご存じ、健さんがしっぶーく演じます。
無口で一本気、しかもハンサム。
こりゃあ惚れるわ。
作中では中野良子のヌードシーンも
見れます。
まあ、熊や世間知らずのお嬢様に
惚れられるあたりは、小説の世界だが
エンターテイメントだから許します。
日本の映画界は本当に、惜しい人を失った。
彼を超える後継者は個人的にはいない。
ああ、健さん、天国でも愛されているでしょう。
合掌。
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