機動警察パトレイバー the Movieのレビュー・感想・評価
全62件中、21~40件目を表示
いつだってパトレイバーは最高だよ!
「機動警察パトレイバー 劇場版」公開35周年を記念してのリバイバル上映。
当時15才だった自分は、東銀座の映画館で眼を輝かせてこの作品を観賞。その時を含め何度となく劇場で観られる機会があれば観賞してるけど、何度観ても気持ちがあの頃に戻れるくらい、作品が色褪せない!
オープニング、不穏な空気感からの暴走レイバーとの戦闘(ここで流れる曲もたまらない!)
そして、今回の上映では本編開始前に2026年に公開が予定されてる「パトレイバー EZY」のパイロット版映像が2分観られる。今のアニメーション技術で描かれるパトレイバーも楽しみ過ぎる。
話を本編に戻して。一応、ロボットアニメでありながら個性豊かな特車二課の面々。帆場暎一の企みが徐々に明るみになってゆくスリリングな展開。刑事の松井さんがそんな帆場の痕跡を調べる中で見せつけられる東京が持つもう1つの顔。どのシーンを取っても作品として必要不可欠であり、クライマックスの方舟での戦いは息を飲む。
エンドロールで流れる「朝陽の中へ」を聴きながらこの曲を聴くためにこの作品があると思えるほど。是非、最後まで作品の世界観を堪能して席を後にして欲しい。
私的押井ベスト
シミュレーション系ストーリー
本作以外は何も見ていない。
しかしながら語られる場面によく遭遇しており、鑑賞ス。
まったく前後を知らずとも、設定はよく理解できた。
たとえば士郎政宗が、エンタメや文芸によくある感動やカタルシスに焦点を当てて創作していない、単に技術がもたらす未来をシミュレートしているだけ、のようなことを作品解説として語っていたように、
コチラもその「たとえば」な世界を映像化したものという印象を受ける。
正義が勝つでもなく、ヒロインが救われるでもなく、悲劇に泣き崩れるでもなく。
作品の良し悪しに、情動的なものの大きさが占める割合が大きいほど良し、とされる傾向があるのは仕方ないとして、こうしたシミュレーションタイプももっと見て見たいな、と思わせる本作だった。
ある意味、大人、オタク向け。
今ではテアカにまみれたカラクリだが、公開当時を思えば震撼のリアリティだったのだろうなと、目の付け所に拍手。
押井守監督作品は相変わらず、辛気臭いな。
暴走レイバーを確保するオープニングは好きな人は好きなんだろうが、無くても話通じるんじゃない?
以後の押井監督から鑑みれば、かなり一般向けに寄せているのは伝わってきますが…
こういう〈神話や精神世界を絡めた話は可愛い絵とリアルな背景で日常からシリアスに向けて加速しながら感じさせてくれれば良い〉のであって、それについての説明は要らない。
好きな人にはこの説明というか、説き明かす過程がたまらないんだろうけど。
で、絵が可愛くない。
自分は漫画版が大好きなので、ゆうきまさみ氏のセンスに惹かれたし、高田明美氏の絵柄も本来好きなのだけれども、本劇場版は脚本・演出すべて微妙にぎこちなくなっている。
先見性や後に影響を与える萌芽は確かに素晴らしいけれど、だからといって完成度が高いと言うにはどうかな。
おそらく、この作品世界から外側より見た客観視が物語に欠けるところに自分は不満があるのだと思う。
押井守にしては
4DXじゃなくて普通に映画が見たかった
4DXは俯瞰で見ているのか、人物視点で見ているのか脳内補完が追いつかない。
2,000円出すから静かに見せてくれって言いたかった。
日本ロボットアニメの金字塔。
これを見ずして日本のロボットアニメは語れない。
見てない人はDVD貸してやるから見とけって胸倉掴んですすめるレベル。
パトレイバーの世界観は原作、映画、OVA、地上波とそれぞれの平行世界で動いているから
色んな楽しみ方ができる名作群です。
記念すべき第一作映画の公開はなと1989年
インターネットも無ければ(パソ通はある)、MD,USBメモリもない。
かろうじてあるRW記憶媒体はMOディスクくらい。
起動ディスクはMOなのにMDと勘違いしてる人もいるんですね。
MDは1991年の発表なので別物です。
PC、も98は98でもwin98ではなくPC-9800シリーズ
シゲさんや特車隊にあるPCの殆どがPCB98なのも時代を感じさせます。
固定電話でみんなが話をしている姿は今の若い人には奇異に映るんでしょうねぇ。
それでも33年前の作品とは感じさせない内容と展開。
一人の天才プログラマーが社会に叩きつけた挑戦状。
映画冒頭で飛び降りた彼が都市を見つめながら何を見て何を思ったのか。
ニヒルで熱い押井監督節が嫌というほど満喫できる作品。
なーんでこの作品がジブリ並に一部マニアにしか評価されていないのか不思議に思う。
永遠の80sロボットポリスアニメ!
もっと早く見ておくべきだった!
バブルで消えていく風景への哀惜と破壊願望
1 作品の背景となる高度経済成長とバブル景気
1)日本経済は1950~1970年代の高度経済成長で敗戦から立ち直り、1968年には世界第2位の経済大国にのし上がる。1951年生まれの押井守は、幼少年期から青春期までずっと高度経済成長とともに生きてきたことになる。
70年代までの日本は高層ビルと木造長屋が共存する、経済成長による歪みを絵に描いたような風景が存在し、その具体例は本作でレイバーが暴走する浅草が木造平屋住居だらけなのに対し、千代田、新宿などに高層ビルが建ち並んでいるシーンに表れている。
2)1985年にプラザ合意が締結されると、この風景は大きな経済の嵐に晒される。急激な円高に対応する経済対策として公定歩合が大幅に引き下げられた結果、余剰資金が輸出から国内市場、とくに株と土地に流れ込み、広範囲かつ暴力的に行われた地上げにより、都市部の古い街並みはあっという間に潰されてはビジネスビルや高層マンションに変貌してしまう。
高度経済成長とバブル景気の大きな違いは実需を伴うか否かで、実際の土地需要とは無関係に地上げされたから、都市部のあちこちには櫛の歯が抜けたようにぽっかりと空き地が出来て異様な景観を呈することになった。伊丹十三「マルサの女2」は、この間の経緯を詳細に描いている。
2 失われていく風景への哀惜
幼少年期から慣れ親しんだ生活風景を地上げによって奪われた押井が何を思ったか。その答えが本作である。
バブル景気の中で失われていった風景が、この作品には哀惜とともに描かれている。言うまでもなく松井、片岡両刑事が帆場の足跡を辿るシーンの数々がそれで、例えば御茶ノ水駅から望む神田川流域や、万世橋交番、同潤会アパート、江東、台東区辺りのウォーターフロント地域の時代錯誤のようなボロ家屋や、水はけの悪い土地などである。
押井はインタビューで、本作の最大の山場がこうしたシーンだと述べているが、それは「本作のテーマがバブル経済批判にある」と説明したに等しい。
松井と後藤の対話シーンはその感慨深い解説となっているので、ここに引用しておこう。
〈松井:それにしても奇妙な街だな、ここは。あいつの過去を追っかけてるうちに、何かこの時の流れに取り残されたような、そんな気分になっちまって…。
ついこの間まで見慣れてた風景があっちで朽ち果て、こっちで廃墟になり、ちょっと目を離すとさっぱり消えちまってる。それにどんな意味があるか考えるより速くだ。ここじゃ過去なんてもんには一文の値打ちもないのかもしれんな。
後藤:たちの悪い冗談に付き合ってるようなもんさ。帆場の見せたかったものって、そういうことなのかもしれんな。〉
3 バブル経済を謳歌する社会への憎悪と破壊欲求
失われていく風景を哀惜する気持ちの裏側には、自分の生まれ育った風景をただ余剰資金があるというだけの理由で破壊したバブル景気を憎み、再開発された街並みをすべて灰燼に帰したい、という心理が潜伏する。それが帆場の犯罪動機であり、それはそのまま押井の制作動機であろう。
後藤が帆場の心理を推測して、「あいつはこの街に住む人間すべてを嘲笑しながら跳び下りたに違いない」と述べ、南雲隊長から「帆場の話をする時、とても嬉しそうな顔をしている」とたしなめられるシーンは、それを代弁したものだ。
4 補足:聖書の引用について
本作にはいくつか旧約聖書からの引用が見られる。『天使のたまご』や『攻殻機動隊』ほど重要な位置づけがされているわけではないが、簡単に触れておこう。
1)創世記第11章
〈去来我等降り彼処にて彼等の言葉を淆し互いに言葉を通ずることを得ざらしめんと エホバ遂に彼等を彼処より全地の表面に散したまひければ彼等邑を建ることを罷たり 是故にその名はバベル(淆乱)と呼ばる〉
エホバは人間を世界のあちこちに散らしたかったが、人間はひとところに集まって町と塔を建て始めた。それができるのは人間の話す言葉が一つで意思疎通できるからだと、エホバは言葉を乱して話が通じないようにしたというバベルの塔のエピソード。
作品ではレーバーを暴走させコントロールできない状態にすることの比喩となっている。
2)詩篇第18篇
〈エホバは天をたれて臨りたまふ その足の下はくらきこと甚だし>
ダビデが敵に取り囲まれて救いを求めたところ、エホバは天から降りてくるのだが、周囲は闇に閉ざされていたというもの。
神を気取る帆場がバブル経済の闇を糾弾した文句である。
3)神の名称について
神の名の発音は聖書の書かれたヘブライ語の変遷とともに失われ、正確なところは分かっていない。現在は「ヤハウェ」と呼ぶ学説が支配的らしいが、日本では「エホバ」の訳語で広まった。
帆場が「エホバ」の語が誤りと知って狂喜したのは、聖書の言葉がまさに自分一人のために書かれたと感じられたからだろう。
レイバーの歩いている未来
社会派リアルロボット映像作品の最高傑作、パトレイバーの劇場版一作目です。
東京という特殊な巨大都市、人々が生活するそこを我が物顔で歩くレイバーとその操縦をする肉体労働者たち。
そしてレイバーを凶器に使った犯罪を取り締まる特車2課第二小隊も、実にリアルに描かれ、優れた警察モノでもある本作。
子供の頃夢に見た、巨大人型機械と隣りあった世界がここにあります。
主人公たちの生々しい言動も、この世界が本当にあるとこちらに語りかけてくる幸せ。
ゆうきまさみや出渕裕、伊藤和典、高田明美といった当時随一のクリエイターたちのアイデアを、押井守というニヒルなリアリストが油汗しぼって整えた楽しくもリアルな近未来世界。
今に至るまで、他を寄せつけぬ圧倒的リアルさの、社会派ロボットSFの金字塔です。
劇場で見れる日が来るとは思っていなかったのです
リバイバル上映
4DX最高の映画
歴史的な偉業
30年ぶりに鑑賞 4DXに合っている
娯楽の王道、いつまでも古びないマスターピース
全62件中、21~40件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。