「シンプルかつ正統派なエンタメ作品」機動警察パトレイバー the Movie kame-pukupukuさんの映画レビュー(感想・評価)
シンプルかつ正統派なエンタメ作品
10年ほど前に1度視聴しましたが、久しぶりに視聴しました。ちなみに、パトレイバーはアニメ作品は全て鑑賞済みです。
改めて思いましたが、やはりこの作品は押井監督作品の中でもかなりエンタメしている、というか分かりやすく作られている作品ですね。最初の数分は世界観の説明のため多少説明臭いですが、その後は作品の中でも各キャラや関係性がしっかりと描かれていたと思います。
帆場が仕掛けた策略を解明していくと、計画の全容が判明していき、それに特車2課が立ち向かう。謎解き要素もありつつ、最後の箱舟解体作戦やレイバー戦といった迫力あるシーンで締める。エンタメしてますね。ストーリー展開も無理がなくとても面白いです。1989年という時代にコンピューターウイルスやそれによる犯罪を、今見ても違和感なく描いていることが素晴らしいと思います。
今回見て思いましたが、帆場の犯行動機って推測はされていますが、帆場自体から明確に示されていないんですね。
遊馬が篠原重工で帆場のプログラムを踏んでしまったシーン、後藤隊長が夕焼けを背に帆場について話すシーン、箱舟に乗り込む直前の箱舟がそびえたつカット、乗り込んでから中央管制室に向かうまでのライトで視界が限られているシーン、魚眼レンズのようなカット等、所々カット割りや表現で少しアクセントを付ける感じ、自分は好きです笑。作画は箱舟がパージされていくシーンや、アルフォンスと新型が対峙するシーンは力が入っているな、と感じました。
時代なのかもしれませんが、パトレイバーはそれぞれのキャラクターの性格や関係性が良い意味であっけらかんとしていて気持ちよく見れますよね。セリフ回しや反応なんかはそれこそ昭和っぽさは感じますが、気持ちよく見れる好きな作品の1つです。