飢餓海峡のレビュー・感想・評価
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昭和の事件にはすべて理由があった・・・そして
衝撃の結末は映画として正解。この頃には人間の魂がどんな人間にも宿っていたことを証明してくれた。今の闇は一体・・・最後まで登場人物に共鳴しながら見る事が出来た。描かれている事件は悲惨だが描く側の心情に人間への信頼が残っているのがいい。
テレビ放送
映画化後、何度もテレビや舞台化されている水上勉の名作。 テレビでは、1978年の山崎努と藤真利子主演のものが一番いいと思います。 下北半島を逃走中の犬飼と杉戸八重が出会う貨物列車のシーンから八重が東京へ出るまでの場面がいいと思います。 テレビでは、1988年の萩原健一と若村麻由美主演のものもいいと思います。 蛇足ですが、水上勉は「みずかみ」であり「みなかみ」ではありません。
あっという間の3時間。左幸子が迫ってくる。
約3時間という長編でありながら一時も目を離すことなく見ることができた。素晴らしい。戦前から戦後の混乱の中で、実際の青函連絡船の海難事故をベースにしたストーリー展開はとてもリアルで、複雑に絡み面白い。水上勉原作。内田吐夢監督。これは傑作である。 現代の映画のようなCGや派手な演出、多くのカット割りなどは、ここにはない。 事件を追いかける刑事と犯人、そこに女が絡む。この白黒の画面と役者たちの迫真の演技がドキュメンタリーのように現実的な深みを醸し出している。 極貧の状態を経験したものでないと分からない心の闇。しかし彼らの心はすさんではいない。 中でも左幸子の一途さと男に恋い焦がれている心の優しい女性の描写は見るものを圧倒する。凄いのである。下北半島大湊に住む女性でその東北弁がとてもマッチする。 男性陣では、三國連太郎、高倉健、中でも伴淳三郎がいい味を出している。 @広島市映像文化ライブラリー
昔の邦画は良いものが多いね
とても面白かった。昔の邦画にはこの手のストーリーが多い様に思う。主人公は基本的に良い人なのだけど、過去の歴史、生い立ちを隠そうと思わず次々と殺人をしてしまうとか、そういうものを最近も観た。だから罪人なのに何故か同情し捕まって欲しくないと願いながらヒヤヒヤするのだ。思い出したくない過去は忘れ、楽しい過去だけ記憶して、過去にとらわれず、現在をしっかり見つめて生きられたら良いのにね。中々そう簡単には割り切れない・・ 自分の人生、死ぬ時に後悔ないよう「やりたい事」をして楽しまなければと思う今日この頃。
犬飼だ‼️犬飼多吉に違いない‼️
質屋を襲撃し放火した強盗犯、犬飼は青函連絡船の沈没事故を利用して逃走、海上で共犯者2人を殺害し、山中のひなびた温泉地で女郎八重と知り合う。彼女に大金を渡して姿を消す犬飼。八重はその金を元手に再出発を誓う。一方、犬飼に逃げられた警部補・弓坂は責任を取らされ落ちぶれていく。そして10年後、ひょんな事から彼らの運命が交錯する・・・人間の心の中に潜む善と悪‼️偶然に翻弄された人間にその悪が出てしまった時、取り返しのつかない悲劇が起きる‼️善と悪の象徴・犬飼多吉役の三國さん、犬飼を10年間慕い続けた末殺される八重役左幸子さん、犬飼逮捕に執念を燃やす弓坂役伴淳三郎さん‼️この3人の演技がホント素晴らしい‼️高倉健さんは脇役扱いです‼️舞台も津軽海峡から下北半島、大湊、東京、京都の舞鶴で展開、10年に及ぶ時間の中で、すれ違う様々な運命の切なさがものすごく伝わってきます‼️そしてラスト、連絡船の航跡に御詠歌が流れるんですが、それがまるで人間の欲望や罪、哀しみをすべて包み込むような響きがあって、初見の際、身が震えるほど感動したのを今でも覚えてます‼️
戦争終わって20年の爪痕
砂の器を思い出した。構成も人間ドラマも近いものが有る。 あれはさらに10年後の映画なので戦争の傷跡は沈んでおり、成長する社会のキラキラ感が有った。 この映画は戦後の爪痕がそのまま刺さってた。(実際、爪がキーポイントにもなってたが) 親ですら戦争には行ってない年代だが久しぶりに聞く言葉も多い。 思い出話や小説でしか知らない、満州引き上げ、復員服、赤線、青線、オンリーさん。 樽見の妻についての短い説明も見る人の年代によって膨らむイメージが随分と違うだろう。物語の厚みの部分は意外とその時代の雰囲気によって違うんだと実感させてくれる。 時代がたてば印象が薄くなりがちなのは時事もの宿命か。 それにしても今見れば大した証拠もないまま突っ走る警察も怖い。留置場が江戸時代だったし。
さすがは名作。長尺全く苦にならず。見応え満点、面白かった〜。 ・三...
さすがは名作。長尺全く苦にならず。見応え満点、面白かった〜。 ・三國蓮太郎逃亡編。鬼気迫る迫真の演技。三國でなければ撮らぬと言った内田監督、大正解。 ・左幸子上京生活編。爪と戯れるヤバい女(笑) ・再会の惨劇。 ・執念の捜査編。健さん登場、饒舌多弁に注目。伴淳三郎も渋い。署長、藤田進がやや難点、ウルトラ警備隊にしか見えない(笑笑) ・衝撃のラスト。多くは語れまい。警察の完全敗北とだけ言っておこう。 昭和の風景が貴重な文化遺産でもあります。久々の見ずには死ねない一本、認定です。
日本サスペンス映画の源流
不条理な話になっている 僕も水上无勉の原作文庫本を飢餓海峡へ投棄した。真似して。85年くらいかなぁ。今じゃトンネルだからね。当時は高級なサスペンスと思っていたが、不条理ですね。この後、類似作品が沢山できました。日本製のサスペンスの原型ですね。日本では飽きもせず流行っている。 赤貧が犯罪を生むかもしれないが、全員が犯罪者になるわけではない。まぁ、それじゃ、お話にならないが。でも、いい加減もうやめた方が良い。
三國は取調室がイイ。
再々再見。 三國連太郎は取調室においてイイ。 マルサ2、一杯の水で大地康雄から猛烈に怒鳴られる。 復讐するは、緒形との息詰まる死闘と強烈な一発。 何れも映画史に残る名シーン。 狭い部屋でおどおど、だけどデカイ図体と濃い顔。 これが観るものを圧倒圧迫するのだな。
情けが仇
質屋で強盗殺人が起こった。台風で青函連絡船が沈没する中で見つかった2遺体は犯人の遺体と見られた。伴淳三郎扮する弓坂刑事は、2遺体に撲られたあとを見て取っていた。弓坂刑事は状況から三國連太郎扮する犬飼多吉が犯人三人組の一人と想定した。多吉は、偶然トロッコ列車に乗り合わせた左幸子扮する杉戸八重から握り飯をもらった事をきっかけに娼婦八重の宿で世話を受けたので新聞紙に包んで大金を渡して出て行った。八重のところに弓坂刑事が来たけれども八重は嘘をついた。弓坂刑事は、東京へ出たと言う八重を追って行った。八重は、多吉からもらったお金で借金を返し感謝しながら喜んでいた。ある日、八重は新聞で私財3000万円を寄付した樽見京一郎なる記事を見て多吉だと確信して会いに行った。果たして八重は多吉と会えるのか? 長い長い3時間以上の大作だったね。麗しい情けが仇になるのは何とも忍びないな。後ろめたい過去がある者はとんでもない事にならない様に目立つ事はすべきではないね。
生々しい迫力が…
この時代の白黒の映像って風合いなのか長いカットが多いからか妙な生々しさと匂うような迫力がある。内容のハードさと相まってかなりの骨太映画。 色がない事、時間の長さなど気にならない話の面白さでした。 そして左幸子の娼婦の演技がすごい。てか怖い。 でもこの怖さが終戦直後の貧しさが染みる…ほんと飢餓海峡のタイトルがもうきつい。 これテレビの松本清張スペシャルドラマみたいな枠でリメイクした方が良いのでは? 最近の戦後といえば朝ドラの明るく笑って乗り越えられる戦後のイメージのが大きいだろうし、本作に迫る人間の闇や迫力を出すのは無理でもこの話は埋もれさせずに世に出てほしい。 そんなこんなで偶然テレビ放送で見たのですが見て正解の一本でした。
うぁ...タイトルの意味がわかると余計に...
ある事件をきっかけにそれに関わる人々の人生が大きく変わっていく。そして、月日が経ったとき、事件が動き出す。 戦後の貧困は、きっと私が想像する以上の生活だったのだろうなぁ...。 映画のように、人を変えてしまうほど。 貧困の者の気持ちは貧困を経験した者にしかわからない。確かに。 娼婦のヒロインは、キャラがちょっと苦手だったので映画の中盤は辛かった。 高倉健が出てきたところから最高。 事件や人の思いを考えさせられる作品だった。
過去と現代は海峡で隔てられていても航跡は繋がっているのです
1965年1月公開作品ながら白黒で撮影されています それもかなり画面が粗く撮られています 序盤ほど画面の粒子がかなり粗く、後半になるほどその画面の粗さが無くなっていきます 意図的な撮影方針であって監督の映像演出であるのは明らかです 冒頭の東映マークの下に大きくW106方式と表示されています その様に撮れる撮影方式を開発して、冒頭に誇らしげにまるでテクニカラーとかシネマスコープ作品のように映像方式を誇示しているのです カラーで撮れるにも係わらず白黒撮影を選択し、さらに解像度を可変させる ソラリゼーションの効果を適時取り入れる 世界的にみてもこういった前衛的な技法を採用しているのは最も早い部類ではないでしょうか? 公開の1965年は昭和40年 物語の発端は昭和22年、ラストシーンは昭和32年 本作公開時からすれば、それぞれ18年前と8年前に過ぎないのです 21世紀の現代の日本人からすれば、その時代は最早遠い異世界、海外の大昔の物語の様なものかも知れません しかし、製作当時は本作の内容はついこの間のこと、当時の現実と確実に地続きのものだったのです 公開の僅か3ヶ月前には東京オリンピックが華々しく開催され、夢の超特急と言われた東海道新幹線も開通していたのです 時代はこの映画の映像のような白黒の世界から総天然色の世界にまるで海峡を渡ったかの様に変化を遂げようとしていたのです つまり監督の意図は、この様な映像方式を開発してまで撮影することで、観客に実際の出来事の記憶とのシームレスな映画体験をさせることを目指したのだと思います それは何かというと 飢餓=貧困の記憶、戦後混乱期の困窮の記憶 それだけでなく戦前の苦しく貧しい生活から懸命に努力して這い上がろうともがいた記憶とのシームレスな物語なのです 本作は主人公が誰だかはっきりしません 犬飼こと樽見京一郎でも、函館署の弓坂刑事でも、千鶴こと杉戸八重でも、舞鶴東署の味村刑事でもなく、それぞれが物語の進展にしたがってバトンタッチしていくのです 彼らは実は全員脇役なのです 本当の主人公は当時の観客であるのです いえ、日本という国そのものが主人公だったのかも知れません 極東の貧乏弱小国が列強の圧力に負けまいと懸命に努力して這い上がろうともがいていた樽見のような存在なのです その過程では多少のやましいことにも手を染めてきた自覚が当時の国民に共有されていたのです そして敗戦し全てを失います しかし戦後の混乱を乗り越え苦労を重ねて新生民主化日本を再建して、今やオリンピックを開催して成功させるまでに成長してきた記憶 その国民の記憶こそが主人公なのです それ故に樽見の困窮を極めた過去は捜査会議や取り調べで語られるだけで映像では説明されません なぜならそのシーンは当時の観客それぞれの胸の内にはっきりとあったからなのです 戦前の記憶は北海道であり、戦後の記憶は下北や東京などの内地であり、そして両者を隔てている津軽海峡は戦争そのものであるのです 層雲丸遭難は戦災の象徴です このアナロジーで読みとくと本作の主題が明瞭に見えてきます 樽見は戦前の論理で生きてきた国民自身 弓坂刑事はその罪の意識 八重はだって仕方なかったの言い訳です 味村刑事は戦後日本の論理で生きる国民 だから味村刑事は高倉健が演じるのです パリッと真面目で正義感にあふれ若々しいのです だから樽見は北海道のことと内地のことを分けて考えさせるのです 戦前と戦後を違うことと切り分けさせることにこだわるのです その目で見れば、八重がいそいそと樽見邸に赴く際に写される舞鶴市街の風景に警官のような軍服のような男達が大勢歩いていることに気がつきます 彼らは創設されたばかりの自衛隊の訓練生なのです 反省もなく戦前を再生させつつある町であるというメッセージだと思われます 八重は国民の仕方なかった 流れのままこうなったと考える被害者としての意識の象徴です それ故に土俗性を強調するためにイタコのシーンがあるのだと思います 八重は真面目に働く積もりだったのですが、それでは幾らも稼げず女郎になるしか家族に満足な仕送りができないからであるし、父親もそれを分かっています 東京に出ても結局亀戸天神の裏手の公認の売春地域である赤線地帯の料理屋に住み込みするのです そして犬飼の爪で自慰を始めようとするほどに昔の思い出に浸るのです つまりあれは戦前への郷愁の暗喩だったのです その前の国電のガード下のエピソードやオンリーさんの風景も当時の国民に共有され共感される記憶なのです 有楽町のガード下はいまも微かにその時代の面影は店構えだけに残っています そして味村刑事はそんな国民を取り調べ断罪するのです そんな身勝手な言い逃れが通用すると思うのか!と 高倉健はその演出意図を読みとって演技に反映させています ラストシーンは序盤で和尚さんが弓坂刑事にいう軽口が伏線になっているものですが、同時に戦前の日本への鎮魂だったのです それ故に海峡で読経するのです 飢餓海峡とは 貧困から脱出しようともがいた末に起こった戦争 そこから死んでいった人々に罪をなすりつけて自分だけが生き残り、戦後の困窮と悲惨をくぐり抜け這い上がり、ようやく成功をつかもうという今との間にある海峡 それら全てが過去になろうとしていることをテーマにしているのです だからエンドマークは青函連絡船のどこまでも長く続く航跡なのです 過去と現代は海峡で隔てられていても航跡は繋がっているのです それは21世紀にまでも繋がっています 確かに当時の左翼的な史観で製作された作品であります 21世紀の現代の目で見ればその感覚には違和感も覚えます しかし映画としての価値と意義は21世紀の今日であってもいささかも薄れはしません 見事な演出、演技、音楽どれも全て最高峰のものです 序盤で樽見から切符を回収して顔を覚えているはずのバスガイドが、大湊の駅前交番で警官から聞き取りして成果なしと諦めている正にその後ろで、終点になったバスを転回させている所を弓坂刑事の肩越しで小さく捉えるショット あと一歩で八重に迫れたはずのシーンです これが終盤の弓坂刑事が舞鶴東署での捜査会議で間の抜けた事でと語るシーンへと繋がる伏線回収の超ロングパスなど本当に見事です そこであの時のシーンでのバスガイドの動きと彼の諦め顔が明瞭に思いかえされるのです 伴淳三郎の演技も本当に抑制された渋いもので本作を名作たらしめています そして八重役の左幸子の迫真の演技 薄幸の女性の生来の真面目さ、性格の良さ、だらしなさ、打算、純情、その人格全てを余すことなく演じ切っていると思います さらに現代のハンス・ジマーに勝る環境音楽と言うべき音楽をつけた巨匠冨田勲の仕事は心に残りました これ程の大作で在りながら前衛的で野心的な構成をとり、破綻なく完成させ隅々まで神経が行き届いているのです 間違いなく名作中の名作といえます
「レ・ミゼラブル」と対比されることが多いようだけど
人助けをして、感謝されながらも最後には殺されるといった流れは社会派ドラマに多く影響を与えているような気もする。本作の場合、聖人のような人物がいない。警察だって疑ってかかるだけで、理解してあげようなどという気持ちは全くない。極貧の生活を経験しなければ理解できないとか言ってた刑事もいたけど、当てはまるのは伴淳の家庭くらいか?唯一の理解者とされている左幸子にしたって、彼が犯罪を犯していることはうすうす想像してたが、恋は盲目と同じく金を与えてくれたため崇拝していただけだ。 貧困というテーマがあるにも関わらず、映像ではさほど感じられない。むしろ序盤に出てくるイタコの映像や恐山や雷鳴など、精神的な強迫観念のみが強調されている。これが伏線となっているかと思えばそうでもないのが残念。また、警察絡みでの細かなツッコミ場所が多いので完成度は高くないようにも思う。それでも秀作。
人の愛憎と業渦巻く飢餓海峡
“日本のタイタニック”と言われる1954年に起きた洞爺丸号沈没事件に着想を得た水上勉の小説を内田吐夢監督が映画化した1965年の作品。 日本映画オールタイムベストが選出される時、必ずと言っていいほど挙がる日本映画史上に残る名作中の名作であり、自分も好きでもう何度も見ている。 戦後の混乱時期、津軽海峡を巨大台風が襲い、青函連絡船が沈没、多くの犠牲者を出した。だが、犠牲者の数が乗客名簿より2名多かった。実は、混乱の最中、殺人事件が起きていた。北海道の老刑事・弓坂は執念で事件を追うも、迷宮入りになってしまう。が、10年後、東京である殺人事件が起き、二つの事件が結び付く…。 大まかに三幕に分けられる。 前半は、事の発端である放火事件~沈没事故~犯人とある娼婦の出会い。後々の伏線になる。 中盤は、その娼婦・八重の顛末。彼女の存在が二つの事件を結び付ける事になる。 後半は、事件の解決と真実。 元は推理小説で映画もミステリーとしての醍醐味も充分だが、最初から犯人は分かっている。 三國連太郎演じる犬飼だ。 どん底から這い上がったこの男が背負った罪、事件によって人生を壊されながらも事件を追う弓坂、犬飼を愛した為に哀しき末路を辿る八重…数奇な運命、人の善悪を重層的に描く。 警察の捜査は今見ると強引な点もあるし、あんなものが物的証拠になるのかと思う。 一端糸口が見つかったら、スルスルと紐解かれる。 元々、単純な事件であったのだ。 自らボロを出し、さらに罪を重ねる男。 ここで弓坂のクライマックスの台詞が響く。 「私はあなたが憎い。憎みますぞ!」 三國連太郎は自身の出演作で最も好きな作品に本作を挙げている。それも頷ける名演、そして三國連太郎は真の名優だ。 弓坂役の伴淳三郎は喜劇役者として知られるが、本作では哀愁を滲ませる絶品の演技。この人の存在で、映画にメリハリが付いた。 八重役の左幸子は数少ない海外映画祭受賞経験のある名女優。キチ○イ的でもあり一途に男を想い続ける哀しき女を熱演。 東京の刑事役で高倉健も出演。先の三人の名演を前に、まるで高倉健が若造に見える。 “日本人全体を覆う飢餓状況を象徴”した映像処理も印象的。 本作製作~完成後にも起きた監督と会社の“事件”も有名。 名作には必ず逸話が残る。 全てはあの海峡で始まり、また終焉も。 人の愛憎と業渦巻く飢餓海峡。
三國連太郎と左幸子と伴淳三郎
昔の映画って役者が作ってるなと唸らせる作品。高倉健がその他大勢になってしまうほど3人が世界を作ってる。 ストーリーとしては、実際にあった岩内大火と洞爺丸事故が出てくるほか、当時売春が違法になった事が絡むなど、より現実味を帯びる構成が素晴らしかった。
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