劇場公開日 1965年1月15日

飢餓海峡のレビュー・感想・評価

全35件中、1~20件目を表示

5.0タイトルが全てを語る

2025年2月17日
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日本映画の黄金時代がひと段落ついた昭和40年代の最高の作品です。
原作の殺伐と乾いた雰囲気をモノクロと粗い画面で見事に再現しました。
映画賞や芸術性に縁の薄い東映作品の中で出色、異色の作品です。
三国の複雑な演技とバンジュンのギリギリ演技は勿論ですが、何といっても左先輩の超絶演技に圧倒されます。これほど健さんを無駄遣いした作品もありませんが、逆説的には、それほど他の役者が凄すぎる、ということです。
しかし、水上先輩はタイトルのつけ方が抜群に上手いですね。飢餓海峡、天才しか思いつかないタイトルです。

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越後屋

3.5貧乏が悪い

2025年2月11日
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確かにそうではあるが、なんでもその所為にするのはいかがなものか。先の殺人についてはどの説をとって良いかは分からないが、放火殺人には関わってなさそうでもあり、船上での同士討ちについては証明はほぼ不可能で、むしろ後の殺人の方が問題で、八重殺しは機が動転した結果かも知れないが、ついでに書生を殺めたのは身勝手極まりなく最も量刑が重い。映画は過去の闇に吸い寄せられ、当人も呆気ない結末を迎えるが、その前に裁くべき罪が目の前にあるだろう。
とはいえ、役者陣は素晴らしく、煮ても焼いても食えない三國、ふくよかで素朴な左幸子、スター街道を駆け上がり始めた高倉健、枯れた伴淳三郎、威厳ある藤田進と見どころ多く、長尺にあって飽きさせない重厚なストーリーである。

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Kj

4.0昭和の事件にはすべて理由があった・・・そして

2024年12月14日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

興奮

衝撃の結末は映画として正解。この頃には人間の魂がどんな人間にも宿っていたことを証明してくれた。今の闇は一体・・・最後まで登場人物に共鳴しながら見る事が出来た。描かれている事件は悲惨だが描く側の心情に人間への信頼が残っているのがいい。

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mark108hello

5.0今もなお横たわる深き海峡

2024年2月24日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

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しゅうへい

5.0テレビ放送

2024年1月25日
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映画化後、何度もテレビや舞台化されている水上勉の名作。
テレビでは、1978年の山崎努と藤真利子主演のものが一番いいと思います。
下北半島を逃走中の犬飼と杉戸八重が出会う貨物列車のシーンから八重が東京へ出るまでの場面がいいと思います。
テレビでは、1988年の萩原健一と若村麻由美主演のものもいいと思います。

蛇足ですが、水上勉は「みずかみ」であり「みなかみ」ではありません。

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紅城まこ蔵

5.0あっという間の3時間。左幸子が迫ってくる。

2023年10月14日
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鑑賞方法:映画館

約3時間という長編でありながら一時も目を離すことなく見ることができた。素晴らしい。戦前から戦後の混乱の中で、実際の青函連絡船の海難事故をベースにしたストーリー展開はとてもリアルで、複雑に絡み面白い。水上勉原作。内田吐夢監督。これは傑作である。
現代の映画のようなCGや派手な演出、多くのカット割りなどは、ここにはない。

事件を追いかける刑事と犯人、そこに女が絡む。この白黒の画面と役者たちの迫真の演技がドキュメンタリーのように現実的な深みを醸し出している。
極貧の状態を経験したものでないと分からない心の闇。しかし彼らの心はすさんではいない。

中でも左幸子の一途さと男に恋い焦がれている心の優しい女性の描写は見るものを圧倒する。凄いのである。下北半島大湊に住む女性でその東北弁がとてもマッチする。
男性陣では、三國連太郎、高倉健、中でも伴淳三郎がいい味を出している。

@広島市映像文化ライブラリー

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M.Joe

4.0胃にもたれる重さと暗さ

2023年7月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

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こまめぞう

4.5昔の邦画は良いものが多いね

2023年7月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

難しい

とても面白かった。昔の邦画にはこの手のストーリーが多い様に思う。主人公は基本的に良い人なのだけど、過去の歴史、生い立ちを隠そうと思わず次々と殺人をしてしまうとか、そういうものを最近も観た。だから罪人なのに何故か同情し捕まって欲しくないと願いながらヒヤヒヤするのだ。思い出したくない過去は忘れ、楽しい過去だけ記憶して、過去にとらわれず、現在をしっかり見つめて生きられたら良いのにね。中々そう簡単には割り切れない・・
自分の人生、死ぬ時に後悔ないよう「やりたい事」をして楽しまなければと思う今日この頃。

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見聞

5.0犬飼だ‼️犬飼多吉に違いない‼️

2023年6月13日
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悲しい

怖い

興奮

質屋を襲撃し放火した強盗犯、犬飼は青函連絡船の沈没事故を利用して逃走、海上で共犯者2人を殺害し、山中のひなびた温泉地で女郎八重と知り合う。彼女に大金を渡して姿を消す犬飼。八重はその金を元手に再出発を誓う。一方、犬飼に逃げられた警部補・弓坂は責任を取らされ落ちぶれていく。そして10年後、ひょんな事から彼らの運命が交錯する・・・人間の心の中に潜む善と悪‼️偶然に翻弄された人間にその悪が出てしまった時、取り返しのつかない悲劇が起きる‼️善と悪の象徴・犬飼多吉役の三國さん、犬飼を10年間慕い続けた末殺される八重役左幸子さん、犬飼逮捕に執念を燃やす弓坂役伴淳三郎さん‼️この3人の演技がホント素晴らしい‼️高倉健さんは脇役扱いです‼️舞台も津軽海峡から下北半島、大湊、東京、京都の舞鶴で展開、10年に及ぶ時間の中で、すれ違う様々な運命の切なさがものすごく伝わってきます‼️そしてラスト、連絡船の航跡に御詠歌が流れるんですが、それがまるで人間の欲望や罪、哀しみをすべて包み込むような響きがあって、初見の際、身が震えるほど感動したのを今でも覚えてます‼️

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活動写真愛好家

4.5戦争終わって20年の爪痕

2022年11月22日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

怖い

砂の器を思い出した。構成も人間ドラマも近いものが有る。
あれはさらに10年後の映画なので戦争の傷跡は沈んでおり、成長する社会のキラキラ感が有った。
この映画は戦後の爪痕がそのまま刺さってた。(実際、爪がキーポイントにもなってたが)
親ですら戦争には行ってない年代だが久しぶりに聞く言葉も多い。
思い出話や小説でしか知らない、満州引き上げ、復員服、赤線、青線、オンリーさん。
樽見の妻についての短い説明も見る人の年代によって膨らむイメージが随分と違うだろう。物語の厚みの部分は意外とその時代の雰囲気によって違うんだと実感させてくれる。
時代がたてば印象が薄くなりがちなのは時事もの宿命か。
それにしても今見れば大した証拠もないまま突っ走る警察も怖い。留置場が江戸時代だったし。

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HigeKobo

4.5さすがは名作。長尺全く苦にならず。見応え満点、面白かった〜。 ・三...

2022年10月10日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

さすがは名作。長尺全く苦にならず。見応え満点、面白かった〜。

・三國蓮太郎逃亡編。鬼気迫る迫真の演技。三國でなければ撮らぬと言った内田監督、大正解。
・左幸子上京生活編。爪と戯れるヤバい女(笑)
・再会の惨劇。
・執念の捜査編。健さん登場、饒舌多弁に注目。伴淳三郎も渋い。署長、藤田進がやや難点、ウルトラ警備隊にしか見えない(笑笑)
・衝撃のラスト。多くは語れまい。警察の完全敗北とだけ言っておこう。

昭和の風景が貴重な文化遺産でもあります。久々の見ずには死ねない一本、認定です。

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はむひろみ

0.5日本サスペンス映画の源流

2022年1月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

不条理な話になっている
僕も水上无勉の原作文庫本を飢餓海峡へ投棄した。真似して。85年くらいかなぁ。今じゃトンネルだからね。当時は高級なサスペンスと思っていたが、不条理ですね。この後、類似作品が沢山できました。日本製のサスペンスの原型ですね。日本では飽きもせず流行っている。
赤貧が犯罪を生むかもしれないが、全員が犯罪者になるわけではない。まぁ、それじゃ、お話にならないが。でも、いい加減もうやめた方が良い。

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マサシ

4.0三國は取調室がイイ。

2021年2月17日
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再々再見。
三國連太郎は取調室においてイイ。
マルサ2、一杯の水で大地康雄から猛烈に怒鳴られる。
復讐するは、緒形との息詰まる死闘と強烈な一発。
何れも映画史に残る名シーン。
狭い部屋でおどおど、だけどデカイ図体と濃い顔。
これが観るものを圧倒圧迫するのだな。

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きねまっきい

5.0タイトルが深い

2021年2月14日
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興奮

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ローランド山

3.5詰めが甘い刑事

2021年2月10日
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Mail T

3.5情けが仇

2021年2月9日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

質屋で強盗殺人が起こった。台風で青函連絡船が沈没する中で見つかった2遺体は犯人の遺体と見られた。伴淳三郎扮する弓坂刑事は、2遺体に撲られたあとを見て取っていた。弓坂刑事は状況から三國連太郎扮する犬飼多吉が犯人三人組の一人と想定した。多吉は、偶然トロッコ列車に乗り合わせた左幸子扮する杉戸八重から握り飯をもらった事をきっかけに娼婦八重の宿で世話を受けたので新聞紙に包んで大金を渡して出て行った。八重のところに弓坂刑事が来たけれども八重は嘘をついた。弓坂刑事は、東京へ出たと言う八重を追って行った。八重は、多吉からもらったお金で借金を返し感謝しながら喜んでいた。ある日、八重は新聞で私財3000万円を寄付した樽見京一郎なる記事を見て多吉だと確信して会いに行った。果たして八重は多吉と会えるのか? 長い長い3時間以上の大作だったね。麗しい情けが仇になるのは何とも忍びないな。後ろめたい過去がある者はとんでもない事にならない様に目立つ事はすべきではないね。

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重

5.0圧巻の昭和邦画名作!

2021年2月9日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

天国と地獄と並ぶ推理警察社会派人間ドラマ
ストーリーに破綻が無く現代では作れないかも

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未読

4.5生々しい迫力が…

2020年5月18日
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この時代の白黒の映像って風合いなのか長いカットが多いからか妙な生々しさと匂うような迫力がある。内容のハードさと相まってかなりの骨太映画。
色がない事、時間の長さなど気にならない話の面白さでした。

そして左幸子の娼婦の演技がすごい。てか怖い。
でもこの怖さが終戦直後の貧しさが染みる…ほんと飢餓海峡のタイトルがもうきつい。

これテレビの松本清張スペシャルドラマみたいな枠でリメイクした方が良いのでは?
最近の戦後といえば朝ドラの明るく笑って乗り越えられる戦後のイメージのが大きいだろうし、本作に迫る人間の闇や迫力を出すのは無理でもこの話は埋もれさせずに世に出てほしい。

そんなこんなで偶然テレビ放送で見たのですが見て正解の一本でした。

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てけと

4.0うぁ...タイトルの意味がわかると余計に...

2020年1月6日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

知的

ある事件をきっかけにそれに関わる人々の人生が大きく変わっていく。そして、月日が経ったとき、事件が動き出す。
戦後の貧困は、きっと私が想像する以上の生活だったのだろうなぁ...。
映画のように、人を変えてしまうほど。
貧困の者の気持ちは貧困を経験した者にしかわからない。確かに。

娼婦のヒロインは、キャラがちょっと苦手だったので映画の中盤は辛かった。
高倉健が出てきたところから最高。

事件や人の思いを考えさせられる作品だった。

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ちゅーる