「主役ロボの健気さに大幅加点。でも…それだけの作品。」ガンヘッド 野球十兵衛さんの映画レビュー(感想・評価)
主役ロボの健気さに大幅加点。でも…それだけの作品。
久しぶりに『パシフィックリム』を観ていたらコレを思い出して。
アマプラで探してみたら東宝名画座チャンネルでヒット。
無料体験で視聴ON!です。
これ、当時レンタル“ビデオ”借りてきて、一度観ているんですね。
なのに、主役ロボがかっちょよかったこと、高島政宏さんが主演ということ、高島(兄)さん演ずる主人公が、ずっとニンジンスティックかじっていたこと以外はなーんにも覚えていないの。
覚えていないはずだわ…
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
お話の概要は以下の通り
巨大コンピューター(カイロン5)が人類に宣戦布告←なんで?
↓
人類側、カイロン5の島へ、自動戦闘ロボットのガンヘッド部隊を送り込む←わかる
↓
敵ロボの前にガンヘッド部隊全滅、島は封鎖←わかる
↓
そんな島へトレジャーハンターがカイロン5のCPUを盗みに来たから、さぁ大変!←わかる
↓
なんかすげぇお宝(テキスメキシウム)を奪って逃走していた生体ロボット・バイオロイドによって、主人公のみを残してへトレジャーハンター隊全滅←テキスメキシウムなにそれ?早口言葉?
↓
生き残った主人公、そしてバイオロイドを追ってきた女トレジャーハンターは、島に残っていた子供二人に助けられる←生きてたし、子供!?
↓
カイロン5の陰謀を知った主人公、ロボット墓場に廃棄されていたガンヘッド507号機を有人型に修復・改造。カイロン5と敵ロボに戦いを挑む←陰謀って何!?
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
ざっくりこんな感じ。wiki先生乙。
主役側の主要キャラはストーリー早々に全滅フェードアウト。
“無法者感”のルックスが、かっちょよく描かれていただけに残念。
ミッキー・カーチスさん何のために出てきたん?
川平慈英さんも、なんですぐ死んでしまうん?
代わりに出てきたヒロイン(?)の二ムも、そして子役のセブンとイレブンも、何のために出てきて何やってるのか、まるでさっぱりわからないの。
画面もずーっと暗いし。わけわからんカットばっかしやし。
ダンジョン系RPGのような、そんな感じのシーンが延々と続くのね。
敵役のバイオロイドもルックスがダメ。まるで機械感も恐怖感もないデザインで、こいつも何やってんだか、さっぱりわからないの。
てか、コイツが最大の戦犯!登場のイミフ。存在のイミフ。最期のイミフ。
そんなわけわからん連中と、イミフなバイオロイドの鬼ごっこが話のメイン。
総じて、観客置いてけぼりの不親切な映画だと思いました。
何よりもこの映画、致命的な欠点があるんですよね。
とにかく台詞がわかりづらい!聞き取りづらい!
言語的にも(英語?と日本語の混在)役者さんの活舌的にも!音響的にも!意味的にも!
なので何を言っているのか、さっぱりわからないんですよ。
「声が小さい!要点をもっとはっきりわかりやすく喋れ!」って言いたくなるの!
特に一番肝心な主演の髙嶋政宏さんの前半がダメ。後半はがんばっていたんですけれどね。
どうにかならんかったし。
なのでこの映画、一体何をやって何を描きたいのかさっぱりわからんから、観ていてイライラするの。
主役ロボのガンヘッド507号機のデザインは、かなりかっちょいいんですよ。
サイズ的にもリアリティあるし。「小二病的男子の夢」の変形もするし。
そして、量産型の507号機ですよ。507号機。
コックピットの“くたびれた”スチームパンク感もかっちょいいし。
かなりの素人臭さを感じるVFX(特に画面合成)だけれど、ロボの動きは時代を慮ると、そこそこ合格点なの。
だから、人間側のパートが本当に惜しいの。ロボパートがかっちょいいだけに、余計にイライラするの。
人はもういいから、もっとロボ映して!ロボ戦わせて!ってずーっと思いながら観てたの。
ただね、敵ロボは、もうひとつだったかなぁ。無駄な動きが多すぎて、コミカルに見えちゃうの。赤い三つ目だとか。
名前(エアロ・ボット)もどうにかならんかったし!
エアロっちゅー割には空中戦やるわけでもないし。
でも、つおい!ᕦ(⚆Ѡ⚆)ᕥ
ガンヘッド507号機が絶望的な戦力差をどうカバーしてエアロ・ボットに立ち向かうのかだけが見ものだったの。
何しろ“部隊”ですら壊滅させた最強敵ロボに、人の頭脳をパイルダーオン!させて単身立ち向かうわけですから。
おーら!ナメてんじゃねーよタチムカウ♪
ふざけんじゃねーよタチムカウ♪
かかってきなさいどうってことねぇよ♪ですよ!
↑
またわけのわからんことを!私こそ、読んでくださっている方々をおいてけぼりですよね…(^_^;
でもね…やっぱり無理。もはや逆転の目なんてあり得ないくらいにボロボロにされていくガンヘッド507号機が不憫だったの。
AI搭載で感情っぽいものもあっただけ余計に。
で!結局最後は高島(兄)さんが、コマンド―よろしく、生身で武器持ってエアロ・ボット屠るわけなんですが。
そして、ボロボロにされたガンヘッド507号機が、最後の最後にロボ生命懸けて高島(兄)以下、わけのわからん連中の脱出の手助けしてくれるんだから心憎いの。
お約束の敵基地自爆カウントダウンからの(笑)
本来なら★1.5あたりが妥当なダメ作と思うのですが、そんなガンヘッド507号機さんの健気さに免じて★1.5を加点です。
しかし…どう見てもニンジンスティック不味そう…
ゲゲボ( ° ଳ ° )オエェ!
笑うぐらい全文同意しました。
ガンヘッドの機体に満載されたのは大砲とチェーンガン、そしてツッコミ所なのだ!
光子魚雷がただのミサイルなのもご愛嬌。
マンガ家のあさりよしとおが、「あの監督にしてはよかったのでは。変形して戦ってたし。いつもみたいにただぶつけるだけと思ってた」と、著作の『宇宙家族カールビンソン』が何かで語っていたような。