「野望の果てに何を手にしたか」華麗なる一族 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
野望の果てに何を手にしたか
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DVDで鑑賞。
原作は未読。
野心を剥き出しに金融再編制の荒波を乗り切ろうと画策する万俵大介を中心に、日本の政財界の黒い繋がりと華麗なる一族の繰り広げる愛憎劇を重厚感たっぷりに描き出す骨太エンターテインメント。
豪華俳優陣が織り成す人間ドラマの真に迫る迫力に圧倒された。野望のためなら人心を踏み躙ることも厭わない者たちの蠢きは、観ていて気持ちの良いものではない。上流階級の華やかさも上辺だけ。
裏側には醜い部分が隠されているのである。権力を求める狡猾な策略の前に、純粋な情熱や愛はことごとく捻じ伏せられてしまう。なんと残酷な世界だろう。庶民に生まれて良かったとつくづく思った。
野望の階段を登り、さらなる高みを目指そうとぎらつく万俵大介にも因果応報、栄枯盛衰の理が降り掛かることを暗示させるラストシーンが衝撃的だった。タイトルにこめられた皮肉がじわじわ沁みた。
[鑑賞記録]
2025/09/18:Disc.1
2025/10/26:Disc.2
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