大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオスのレビュー・感想・評価
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思い出の映画だけど…
昭和ガメラのシリーズ三作目。
前作『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(1966)では大人を意識した筋書きが一転、今回は子供向けの内容に。本作以降、「子供の味方」というガメラの設定は旧大映シリーズの終焉まで継承される。
前作では目つき悪くて頭部がとんがってて、見た目の印象がヤクザかヤンキーみたいだったガメラの容貌も子供の味方らしくマイルドな顔つき。
時代を越えて何度も登場するライバル怪獣ギャオスが今回初登場。初心者マークみたいな頭頂部の形状がユニーク。
何でも切断する超音波メスに加え、対策本部すら感心するほど高い鎮火性能を誇る消火ガスでガメラを苦しめる。
幼少期、初めて見た怪獣映画が本作。
人間を襲って喰らうギャオスが当時は心底怖くて、腕を切断寸前にされながら立ち向かうガメラは強いだけでなく頼もしかった。
なので、どちらかというとゴジラよりガメラ派。
本郷功次郞が前作と異なる役で引き続き出演。
ほかに平成シリーズで大迫(元)刑事を演じた蛍雪次郎の師匠、蛍雪太郎や、のちにワイドショーのレポーターとして活躍する村上不二夫らの顔触れも。
英一の祖父で村長の金丸を演じた上田吉二郎は、黒澤明監督の『羅生門』(1950)や溝口健二監督の『雨月物語』(1953)にも出演した旧シリーズきっての大物俳優。子供の頃、彼のセリフを真似する芸人も結構いた。
やくざの親分等、悪役が多かったが、怪獣や子役が相手では「てめェ、ガタガタ言ってやがると叩っ切るぞ!」と言う訳にもいかず、さぞかし困ったのでは!?
一作目の予想外のヒットを受け大型予算を組んで貰った前作が赤字だった反動で再び緊縮予算で臨んだ本作は、随所にその弊害が。
見せ場のひとつだった回転ジェットの迫力不足(けっこう金の掛かるギミックだったらしい)などにも見て取れるが、影響が出たのは予算の掛かる特撮部門だけではない。
人員削減で二班体制を取りやめ、前作では特撮監督だった湯浅憲明が一手に引き受けたせいなのか、役者の演技に前作ほどの緊迫感が見られず、大映特有の画面作りへの強い拘りも本作では感じられない。
旧シリーズ全作品で脚本を担当した高橋二三は本作を「子供向けにしたつもりはない」と述懐しているが、だとしてもストーリーに起伏が乏しく貧弱。プロットがあまりにも子供に背負わせ過ぎだし、英一役の子役には重荷だったように感じる。
子供がターゲットの作風に転換したのは脚本家のアイデアだけでなく複雑な事情が関わっているらしいが、ディズニーが世界的な人気を保ち続けたのも、子供向けだからといって手を抜かず、高品位の作品を生んできたからこそ。
子供の頃、自分も夢中になって見てたんだし、いい歳して怪獣映画の出来に難癖つけるのも大人げないが、あらためて観賞して作り手、役者ともに本気度を感じ取れないのが残念。
子ども向けだからと妥協せずに、前作のような意気込みを示して欲しかった。
次作以降、シリーズのクオリティはさらに劣化。
有りもののフィルムをやたらと転用し、本編は子供と宇宙人の追いかけっこが中心になっていくが、原因は大映の経営不振。
金を掛けて良質の映画を生み出せる環境ではなく、シリーズも1971年の『ガメラ対深海怪獣ジグラ』を最後に同年末、会社が倒産する。
その皺寄せをまともに食らったのが新人の笠原玲子と前作(原住民の少女役)に続き公団の秘書役で出ている賀川ゆき絵(当時は西尋子名義。本作ノンクレジット)の若くて可憐な二人。
沈没寸前の泥船に乗ったばっかりにこのあとガメラシリーズの二作に出演した笠原も、本作の翌年、会社に見切りをつけて退社した賀川も、ろくな役に恵まれていない。
今回劇場公開された4K修復後の三作のうちでいちばんガッカリだったけど、思い出深い作品なのでおまけで星2.5。
『ガメラマーチ』の方が使われる頻度は多いが、個人的には本作の『ガメラの歌』の方が好き。
幼い時分の刷り込みもあると思うけど、『ガメラマーチ』よりよっぽど音楽的。
ギャオスに向ってガメラが放つ直線的な火炎噴射は映画館のスクリーンで見るとそれなりの迫力。
CGのなかった時代にどうやったのか知りたい。
大映怪獣プロレスの完成形
前作以上にいろいろパワーアップされた
大映ガメラシリーズ第3弾
バトルの展開が完全に怪獣のプロレス三本勝負
一本目はギャオスが凶器攻撃(超音波メス)で優勢勝ち
ガメラの右腕に超音波メス当たった後は
執拗に右腕を狙うギャオスは
典型的なクラシックスタイルのプロレス
二本目はガメラの噛み付き攻撃に
夜が明けて逃げたギャオスのリングアウト負け
でも自分の足切り離して逃げる根性は見事
三本目はガメラが徹底的にギャオスのバックを取る
格闘技の基本プラス噛み付きで火口に引きずり込んでKO勝ち
改めて気付いたことだけど
ガメラって肉食わないんだな
噛み付いてたギャオスの足はほっぼり出して帰るし
背中噛み付いて喰いちぎった肉も捨ててたし
この辺は人間その他動物食うギャオスと対照的
あとゴジラの噛み付き攻撃ってあまり記憶に無いけど
ガメラはけっこう噛み付き多用する
この辺りは動物的でいい
その他雑感
戦後生まれの人の大半は物まねでしか知らない
戦前の名悪役の上田吉二郎さんの演技が見られるのは貴重
意外とノリノリで撮影に臨んで下さって
「怪獣を喰ってやろう」と意気込んで熱演したそうだ
英一君見捨てて逃げようとしてギャオスに喰われた
ざまあああwな死に様を見事に演じた新聞記者役の三夏紳さんは
大映ガメラシリーズ常連
対バイラスと対ギロン以外の全作品に出演
座頭市の市本人のスタントを演じた縁で
後年「快傑ズバット」で座頭市パロの
地獄市という居合抜きの名人の役でゲスト出演している
労務者コンビのマイトの熊(太ってる方)を演じた丸井太郎さんは
テレビドラマ「図々しい奴」で人気者になるが
映画俳優は映画を優先すべきという永田雅一大映社長の逆鱗に触れ
映画に連れ戻されて飼い殺し状態になり自殺した悲劇の人
ギャオスに真っ二つにされた車は
東京モーターショーで展示された
トヨタ車の内部展示用の本物を借りて来て撮影されたが
一部の書籍では事故で真っ二つになった車を借りて来たと記述されている
中日球場に住民が避難するシーンは
実は当時大映が持っていた東京オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)の本拠地の
東京スタジアムで撮影したものに
中日球場の電光掲示板等の映像を合わせて作られた
東京スタジアムは現在存在しないので貴重な映像
ミニチュア撮影はやはり東宝特撮に劣るが
合成は当時としてはハイクオリティ
ヘリや新幹線が切られるシーンとか
ギャオスに人が喰われるシーンとかは見事
ひとつ難点を挙げるとしたら
やはり回転作戦だろうか
あれだと遠心力でギャオスが目を回す以前に
吹っ飛んでしまうはずなのだが
「目が回るけど美味しい離れられない!」という
ギャオスの食い意地に賭けたのか?
ガメラの好敵手、ギャオス現る!
ガメラの対戦怪獣と言えば、ギャオスを思い浮かべる人が多いんじゃないでしょうか。
バルゴンでも、ジャイガーでも、ジグラでもない・・・一番インパクトの強い怪獣だと思います。平成版ガメラ三部作でも、まずギャオスでしたよね。
昭和版のガメラの対戦怪獣は、奇抜なデザインのものが多いですが、予算の都合で着ぐるみ感満載です。でも、そのチープさを楽しむのも良いんじゃないですかな。
ギャオスは、吸血コウモリをイメージした怪獣?人食いですけどね。
首が回らないとか、夜しか動けないとか、やたら弱点が多いのに、人もガメラも苦戦する姿が面白い。様々な作戦がことごとく失敗し、ガメラも傷だらけになって苦戦する。定番の流血戦が痛々しい。ギャオスも自らの足を切り落として逃亡するという見せ場を作ってくれる。(トカゲみたいに生えてくるけどね)
そして、本作からは子供の味方っていう設定が前面に押し出され、子供を背中に乗せて飛ぶという快挙も見せてくれた。
「ガメラ対ギャオス」はテレビで何度か見た覚えがある。今回、久しぶりに見直したけど、やっぱり面白かった。昭和のガメラシリーズでは、これが一番好きかな。
ただ、今回見直して思ったのは・・・
対比が、ひどい。大きくなったり、小さくなったり。特に最初の富士山噴火の時のガメラ、近くを飛んでると思ったら、富士山の向こうに消えちゃうし・・・
今回、BSで鑑賞して最後まで見たんですが、あれ、エンドロールの歌ってこれだっけ?
ガメラ〜、ガメラ〜、強いぞガメラ♪の歌は、本作品では流れなかったんだ・・・。前作も含めたダイジェストみたいなのは面白かったけど。
ハラハラする怪獣映画
実は子供のころに途中まで見た作品
改めて見るとギャオスは光線を放ち消化ガスに再生能力を持ちガメラより結構強そうだけれどそれに向かう姿にグッと来た。
でもガメラだけじゃなく土地の有権者ともめ事を抱えながらも、ギャオス退治作戦の機器を設置したり山を切り開く工事業者たち・・・この姿もまた良かった。
シンゴジラの終盤に出てきた重機部隊の元ネタはコレから来たのかな
怪獣ギャオスのイメージが強いけれど実はいろんな作品に影響を与えた怪獣映画なんだなと思った
ギャオス命名の由来
村長の孫、英一。
ギャオスに捕まるわ、ガメラの甲羅に乗るわと、身内や回りの大人達には何かと大迷惑な奴。
そんなクソガキの思い付きがギャオスの名付け親だったとは笑(笑)
人気怪獣ギャオス登場の大映ガメラ第3弾
ガメラのライバルとして有名なギャオスが出てくる大映ガメラの第3弾です。確かにギャオス強いし、ライバルな感じしますね。
昔の映画を観てると今との違いが楽しめます。おお!中央高速道路がまだない時代なんだ!高速道路を作る人と地元住民との抗争ってあったんですね。今っていつの間にか道路ができてる印象があるのですが、こういう抗争あってのかな?緑に光る山に対して「金がある所は地質学的にあんな風に光るんです」ってトンデモ科学キター(゚∀゚)あんなに光ってくれれば金山発見するの楽チンですよね。
ギャオス頭が物凄く平ら‼️怪獣とはいえ生物の頭をあんな平らにするデザインを考えた人スゴい。というか見た目だけで首の骨が二股になっていて音叉のように超音波を出せるって解明する生物学者もスゴい。人を食べる設定なんですけど、ずっと地下にいた間は食料はどうしていたのでしょうか?ってガメラとの初戦では執拗腕ばかり狙ってきててエグい‼️嫌な性格してるわ~。
ガメラに乗った子供は学校で自慢していいと思う!ガメラさん、しっかりと子供を助けるし、本作辺りから人類の味方感が強まってますね。ちゃんとガメラとギャオスの戦いもあり、ギャオスが名古屋の街を壊すシーンもあり、人間側も回転作戦や山火事作戦で頑張ってますし、子供も活躍しててなかなか怪獣映画のお楽しみが詰まった作品だったのではないでしょうか?
昭和シリーズでいちばんのお気に入り
サンテレビ「アフタヌーンシアター」で鑑賞。
昭和シリーズの中でいちばんのお気に入りが本作である。前作はシリアスな作風が大人になった今になると大変見易く面白いが、そのせいかガメラの出番が極端に少なく物足りない。
だが本作は、子供向けの作風に舵を振り切ったおかげなのか怪獣バトルの分量が増え、尚且つ特撮のクォリティが本家東宝並みに高まっており、王道怪獣映画としての出来栄えが高い。
ガメラは子供の味方と云う要素を確立させ徹頭徹尾貫くことで、ガメラは善でギャオスが悪の勧善懲悪の対立構造が分かり易い。これで前作は曖昧だったガメラの戦う理由が明確になった。
前作の反省を活かしてつくられているところにつくり手の情熱が垣間見えるし、本作以降は低予算化することを考えると、シリーズのひとつの到達点としてとても記念碑的な作品だと思う。
[余談]
以下のような逸話を知った。ある日、湯浅憲明監督宛に、ゴジラ・シリーズでお馴染みの本多猪四郎監督から手紙が届いた。本作を鑑賞した感想が綴られており、湯浅監督は感激したと云う。こちらはゴジラ・シリーズを意識していたが向こうもこちらを意識していたことを知り、大層嬉しかったとか。
[鑑賞記録]
2001/??/??:サンテレビ「アフタヌーンシアター」
2020/06/23:Amazon Prime Video
2025/11/16:BS12(4Kデジタル修復版)
*初投稿(2019/02/21)
*再投稿(2020/06/23)
*リライト(2022/10/23)
*修正(2025/11/16)
ヒーローと好敵手
シリーズ3作目。1967年の作品。
ゴジラで言えば、キングギドラ。ガメラ最大のライバル、ギャオスのデビュー作。
昭和シリーズでは『~対大悪獣ギロン』に亜種として再登場、平成3部作でも『1』と『3』に登場、2006年の『小さき勇者たち』にも登場。
その人気のほどが窺える。
コウモリをモデルにしたシャープなデザイン。何処か悪魔的なものも感じさせつつ、ガメラ怪獣の中ではやはり一番カッコいい。(レギオンも捨て難いが…)
必殺技は、どんなものも真っ二つにする超音波メス。ガメラの腕も切り裂く。
夜行性。獰猛で、人間を食らう。
空も自由自在に飛べ、何と言ってもガメラと繰り広げられる空中戦。
…と、魅力たっぷり。その特徴や性格は平成版にも引き継がれている。
他にも、(ネタバレだが)断末魔の超音波メスとか、電車を襲って乗客を食らうとか、明確ではないが人間の環境破壊で永い眠りから目覚めたと思わせる説明描写もあり、改めて見ると、一新したとは言え細かい点で平成版はオマージュもちらほら。
90分弱ほどの尺で、ガメラとはたっぷり3回戦。
1回戦は、超音波メスでガメラを散々いたぶり、ギャオスの勝利。
2回戦は、タイトルにもなっている空中戦。闘いの場は海へ。ガメラはギャオスの足に食らい付き離さない。間もなく日の出。寸前、ギャオスは自らの足を切断し、逃げ去る…。引き分け。(この足を自ら切断するのも平成でお披露目)
そして、決戦のクライマックス…。
その合間合間にも、街襲撃や人類の対作戦。
ほぼギャオスがメインと言ってもいいくらい。
ガメラは本作から完全に正義の味方、子供たちのヒーローに。助けた子供を背中に乗せて飛ぶ“サービス”も。
子供をも襲おうとするギャオスのヒールさに対し、ガメラの魅力が際立つ。
ヒーローが持つべきものは味方と等しく、好敵手である。
人間ドラマ部分は、前作がアダルトな作風になって子供客にそっぽ向かれてしまった為、子供を主要人物とし、良く言えば分かり易いソフトな作風、悪く言えば取って付けたような平凡な内容。
とは言え、次作からの少年SF漫画のような完全子供向けまでにはならず、森林開発を巡る大人たちの人間のエゴも描かれ、まだギリギリ大人向けと子供向けの“中間”を保っている。
尚、本作から遂に登場、昭和ガメラお馴染みの“ガメラマーチ”!…ではなく、こちらは“ガメラの歌”なので、お間違いのないよう。
それぞれ魅力を際立たせたヒーローガメラと好敵手ギャオス。
陸海空での闘いと見せ場を、特撮を駆使して。
話も作品的にも怪獣映画の王道。
“ライバル”の本多猪四郎監督が本作を絶賛したという逸話も。
昭和ガメラの中で、最も“昭和ガメラ”らしいと言える快作。
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