劇場公開日 2025年12月5日

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「大映の大いなる遺産」大怪獣ガメラ 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大映の大いなる遺産

2025年8月4日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

斬新

1965年公開作品
カラーが当たり前の昭和40年
ゴジラ1作目を意識したのかあえてモノクロ
予算の都合らしい
悲しい

たぶん二度目の鑑賞
かなり前に観た記憶がある
20世紀まで遡るかもしれない

監督は『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』『ガメラ対大悪獣ギロン』『ガメラ対大魔獣ジャイガー』『ガメラ対深海怪獣ジグラ』の湯浅憲明
脚本は『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』『ガメラ対大悪獣ギロン』『ガメラ対大魔獣ジャイガー』『ガメラ対深海怪獣ジグラ』の高橋二三

粗筋
北極上空で国籍不明の戦闘機が米軍機に撃墜され氷山で爆発
墜落した戦闘機には核兵器が搭載されていた
氷山の下で長い眠りについていたガメラが目を覚まし大暴れし気が済んだが海中に消えた
原子爆弾による放射能を浴びたためガメラはいずれ近いうちに死ぬだろうとの見通しをした動物学の権威である日高教授ではあったが

永田ラッパの号令の元でゴジラに対抗し作り上げたのがこのガメラシリーズ第一弾
『宇宙人東京に現わる』など特撮でも一応の実績はあった大映でも怪獣映画は初めて
円谷ゴジラに対して無謀な挑戦と大映社員の多くが制作に反対
しかしなぜか大ヒットしシリーズ化に繋がる
プロジェクトXレベルの物語がある

脚本家の高橋は怪獣映画初挑戦だがそれ以外のジャンルでそれなりの実績があり「なんでも引き受けてやる」と自信満々

デビュー作は大失敗したものの大亀怪獣映画なんて誰もが断ったため第二作目のチャンスが回ってきた湯浅監督
リアルを追求しすぎたために『ネズラ』の制作中止で会社を大損させたプロデューサー
二人にとってはリベンジとなった大怪獣ガメラ

ゴジラもガメラも核兵器によって目覚める共通点があった
だが対抗意識を燃やすならそこは被らない方が良いのではないか

ビジュアル的には決して格好良くはない
だってモチーフがカメだもん
ゴジラと比較しても大映の後輩の大魔神と比較してもダサい
でも長く愛される不思議
わからなくはない

ガメラの一番の見せ場は空を飛ぶ場面
4本の足を引っ込め「手も足も出ないとはこのことだ」と自衛隊の隊員に笑われるもそこから火を吹き回転し円盤のように空を飛ぶ姿は彼の一番の特徴
およそ約10年後の71年ゴジラシリーズ異色作品『ゴジラ対ヘドラ』でやっと空が飛べるようになったゴジラだったがこれっきり

第1作から人間の子供に優しい設定がある
ゴジラとの差別化か

非核三原則とはいえ実際に大怪獣が街を破壊すれば背に腹は代えられない
原理原則や理想もTPOに応じて柔軟に対応しないのは大人じゃないしバカである
人喰いクマを駆除すると猛烈に反対し地元自治体に嫌がらせの電話をするような連中はこのケースでも抗議するだろうが

最後はロケットの先にガメラを閉じ込めて火星に追放する
さようならガメラ
なんとかデストロイヤーよりマシか

配役
動物学を専門とする大学教授の日高に船越英二
日高の助手の山本京子に霧立はるみ
カメラマンの青柳に山下洵一郎
俊夫の歳の離れた姉の桜井信代に姿美千子
信代の弟で亀が好きな小学生の俊夫に内田喜郎
信代と俊夫の父に北原義郎
信代と俊夫の叔父に中田勉
俊夫の担任教師の上田に大橋一元
百姓の爺さんに左卜全
大学教授の村瀬に浜村純
エスキモーの老酋長に吉田義夫
コンビナート職員に藤山浩二
俊夫の担任教師の上田に大橋一元
ソビエト代表に高田宗彦
原研所長に丸山修
原研幹部に槙俊夫
原研幹部に隅田一男
警官に谷謙一
警察署署長に杉森麟
百姓の婆さんに村田扶実子
魚河岸の魚屋に志保京助
魚河岸の魚屋に中原健
魚河岸の魚屋に佐山真次
ちどり丸通信士に森一夫
ちどり丸航海長に喜多大八
ちどり丸船長に小山内淳
自衛隊員に大庭健二
自衛隊員に荒木康夫
自衛隊副官に井上大吾
自衛隊司令官に北城寿太郎
防衛庁長官に大山健二
アナウンサーに森矢雄二
放送局アナウンサーに竹内哲郎
札幌放送局アナウンサーに三夏伸
モンキーダンスの青年に清水昭
米軍ジェット機操縦士に岡郁二
羽田空港係官に藤井竜史
地熱発電所技師に山根圭一郎
客に村松若代
ストリッパーに甲千鶴
ストリッパーに沖良子
自衛隊セスナ機操縦士に後藤武彦
作業員に松山新一
作業員に加川東一郎
記者に伊勢一郎
記者に佐原新治
記者に宗近一
灯台附近の子供に青木英行
灯台附近の子供に萩原茂雄
灯台附近の子供に古谷徹
Z計画アメリカ代表にM・アパナイ

野川新栄
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