海底軍艦のレビュー・感想・評価
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ムウ帝国🆚旧日本軍の生き残り
120万年前に滅亡したとされるムウ帝国と、
先の大戦で死んだとされた
海軍大佐・神宮寺(田崎潤)
その神宮寺が、途轍もない兵器である《海底軍艦の轟天号》を
完成させていた。
ある日撮影スタッフたち(高島忠夫ほか)が海辺でモデルを
撮影している。
すると沖の方で《謎の人物》が現れて人をさらおうとする。
そこから120万年前に滅亡した【ムウ帝国】の工作員が
現れる。
そしてすぐムウ帝国から世界に脅迫フィルムが送られて来ると、
世界各地を瞬く間に爆発炎上して香港もシンガポールも
世界各地が次々と破壊される。
未曾有の世界危機を救うのはただ一つ
《海底軍艦の轟天号》というお話しです。
ムウ帝国の工作員の案内で実業家で元少将の上原謙と高島忠夫
そして神宮寺の娘の真琴(藤山陽子)が、
ムウ帝国に呼ばれる。
この海底にあるムウ帝国は、なにやらエジプトの衣装に
踊りはインド風。
謎の《マンタ》という守護神の怪獣を持っていて
《マンタ》のデザインが、独創的で面白い。
(クラゲとキノコの巨大な化け物ふう)
そしてなんと言っても格好良いのが田崎潤さん演じる
生き残りの海軍大佐・神宮寺。
なんとなく三船敏朗に似てて三船を優しくした感じ。
第二次世界大戦中に反乱軍を率いて、南方の島に軍隊を持ち
率いているのだ。
そして開発した《海底軍艦の轟天号》は、
ドリルで岩盤を砕いて進むやら、
浮かんで空を飛ぶやら、
そして本来は潜水艦なのでもちろん深海に潜ります。
そして最後にはマンタを凍結して、ムウ帝国の動力源に突入する
轟天号!!
いやぁ、面白かったですね。
日本のSF特撮のロマンがギューっと詰まった楽しい作品でした。
(特技監督は円谷英二さん)
轟天号出撃せよ
DVDで3回目の鑑賞。
原作は既読。
タイトルがシンプル・イズ・ザ・ベストのカッコ良さで心底たまりません。男子の琴線を揺さぶって来ます。無条件に興奮してしまうのはもはやオタクの性。許して下さい。
轟天号のデザインにしびれました。小松崎茂氏は神様です。その雄姿はまさに「人類最後の希望」に相応しい。ドリルがついていたらとにかくカッコ良くなる気がします。
神宮司大佐の存在感も出色。終戦を迎えても尚、彼の戦争は終わっていませんでした。戦争に人生を狂わされた犠牲者と言えるキャラを熱演する田崎潤の演技に魅せられました。
苦悩の末、滅亡の淵に立たされた人類とムウ帝国に誘拐された愛娘を救うため勇躍出撃。圧倒的指揮で敵を粉砕しました。まさに武士道、葉隠の精神(葉隠の使い方合ってますか?)。
轟天号とマンダとの戦いや、ラストのムウ帝国大爆発もすごいですが、個人的に推したいのが、ムウ帝国の地震攻撃によって壊滅する東京丸の内のシーン。オフィス街が陥没して崩れ落ちていく様が大迫力。円谷英二特技監督による創意と工夫に満ちたシーンの数々は色褪せません。
[余談1]
ムウ帝国工作隊23号の「ムウ帝国」の発音、耳にこびりつきませんか。独特なセンテンスの切り方と云うか、どう表現したらいいか分かりませんが、なんだか変わっていました。
[余談2]
小学生の頃に原作を読みましたが、ムウ帝国もマンダも、影も形もありませんでした。昔ながらの海洋冒険奇譚にめちゃくちゃ脚色して完成させたことが分かり、恐れ入りました。
ちなみに押川春浪は、2019年に放送されたNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」に登場していて驚きました。まさか天狗倶楽部の一員だったとは…
[以降の鑑賞記録]
2020/10/10:Amazon Prime Video
2020/10/17:Blu-ray
※修正(2024/05/01)
海底軍艦今も沈没せず
東宝特撮1963年の作品。
一連の作品群の中でも、特に好きな一作。
特撮SFもしくはSFアドベンチャーと言うより、“空想冒険活劇”と言うに相応しい、その醍醐味がたっぷり!
謎の蒸気人間が頻繁に目撃。
正体は、ムウ帝国工作員。
1万2千年前、大繁栄を誇りながらも、一夜にして太平洋に沈没したムウ帝国が、かつての栄光を取り戻そうと侵略を進めていた。
そんなムウ帝国が恐れるのは、ただ一つ。
旧日本海軍・神宮司大佐が建造したとされる“海底軍艦”の存在だった…。
東宝メカの中でも今も尚不滅の人気を誇る海底軍艦こと“轟天号”。
潜水艦に巨大なドリルを付け、ブリキのおもちゃみたいなデザインながら、海中は勿論空も飛び、カッコ良さは色褪せない。その後派生作品や新デザイン、「ゴジラ FINAL WARS」でも再登場したほど。
海竜マンダとの闘いは名シーンの一つ。
伊福部昭の重厚なマーチ曲がこれまた素晴らしい。
世界を脅かすムウ帝国の侵略の魔の手。
対する事が出来るのは、海底軍艦だけ。
海底軍艦出撃の説得の為、かつての上官は神宮司大佐が居る太平洋上の島に赴くが…。
かつての上官と死んだとされていた部下の再会は、涙を誘うものではなかった。
時が止まったままの神宮司。海底軍艦建造も、大日本帝国再建の為。
「戦争は終わり、世界は変わったんだ」
元上官の説得に対する神宮司の叫びが虚しい。
「だからまた海底軍艦で変えてやります!」
涙を流した人物は居た。
神宮司の娘、真琴。
夢にまで見た父との再会。
しかし…
父は娘との再会に優しい言葉の一つも掛けず、ただの戦争キチ○イ。
「夢で見てた方が幸せでした」
が、父も娘の写真を肌身離さずずっと持っていた。
本当は心底、娘を想っていた。
それを伝えられぬ不器用な父…。
最愛の娘の悲痛な言葉は、父の錆び付いた心を動かす…。
半世紀以上も前の作品なので、いつもながらツッコミ所は多々、好き嫌いも分かれる。
ヒロイン藤山陽子は正統派の美人だが、高島忠夫演じる主人公とのロマンスがいつの間にか進んでてびっくり。
ムウ帝国人も皇帝陛下も、キャラ描写やら設定やらまあチープ。(何で日本人が演じる?…なんてのは愚問)
また、一部では右翼的とも言われているが、決してそうじゃないと思う。
神宮司も自分の考えは間違っていたと改めるし、失われた栄光にしがみつくムウ帝国人や皇帝の姿は悲壮感を駆り立てる。
田中友幸Pのペンネームでもある“神宮司”。東宝特撮の名脇役、田崎潤にとっても最大の当たり役。
掻き立てる冒険とロマンと設定…。
超久し振りに見てもやっぱり面白い、東宝特撮指折りの娯楽活劇だ!
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