「イデオロギー映画」女の園 越後屋さんの映画レビュー(感想・評価)
イデオロギー映画
敗戦10年、共産主義者が幅を利かせていた時代の雰囲気の中で観るべき作品なので、今観ても妙に肩に力が入っているサマが滑稽です。
多様性とかSDGSとかLGBTとかがやたら流行ってる現在の風潮も、しばらく経てばこんなカンジになるんでしょうね。
映画的には前半の学園内のお話は、登場人物の性格がハッキリ区別されていてなかなか興味深い展開ですが、後半のラブストーリーに移ってからはイデオロギーが強調されすぎで白けます。
当時黒澤と併称されていた木下恵介が、もはや殆ど忘れられた存在になってしまったのは、この作品のように、よく言えば時代性が強い、悪く言えば不朽の名作にはなりえない、というところにあります。
尤も、この作品もイデオロギーを除けばテンポ良く娯楽作としては一級品といえます。
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