劇場公開日 1954年3月16日

「女であることの苦しみ」女の園 みうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0女であることの苦しみ

2023年1月16日
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名作。さまざまな思惑が交差するなかで女たちが抱え込む自己矛盾と葛藤。通底するのは女であることの苦しみ。明滅する連帯。それは容易いことではないから。
金子信雄(若い!)演じる男性教師の存在だけが物語から遊離しているような。彼の芳江への共鳴は自身の妻(劇中一度も登場しない)を見る目を通してのものでしかない。それ故に的外れな同情と連帯の表明しかできない。芳江に「君は妻の若い時に似ている」と真面目くさって言うシーンなんてトンチンカン過ぎて滑稽そのものだった。あれはもしかして木下自身だったのだろうか。

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