劇場公開日 1960年1月15日

「こんな男たちに耐える。圭子の日常」女が階段を上る時 ヤマナさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5こんな男たちに耐える。圭子の日常

2025年6月1日
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鑑賞方法:映画館

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悲しい

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『耐え子の日常』という漫画がある。OL辛抱耐え子が同僚の朝美ちゃんらトンデモナイ人たちのせいで理不尽な目に遭う。このヒロイン矢代圭子も男たちによって理不尽な目に遭っていく。なかでも、加藤大介扮する関根が凄い。モテない男ながら、ちゃっかり圭子をものにして結婚にまでこぎつける。だが、実際は…。多分、関根、自分のやっていることを悪いと思っていないだろう。自分のウソも自分で信じちゃうし。まさにサイコパス。しまいには、隣の車をかってに乗って、どこかへ行ってしまう。『めし』での姪の里子のように、成瀬の作品には、なぜかトンデモナイ人がヒロインに絡んでくる。だから、悲劇でも何故か笑えてしまう。それが成瀬作品を観る楽しみのひとつでもある。多分、僕だけだろうが。

ヤマナ
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