俺は待ってるぜ

劇場公開日:

解説

石原慎太郎が弟の裕次郎の歌ったヒット・ソングにヒントを得て書き下したサスペンス・ドラマ。監督は新人、蔵原惟繕が昇進第一作として当り、「危険な年齢」の高村倉太郎が撮影した。主演は「鷲と鷹」の石原裕次郎、「勝利者」の北原三枝。二人を中心に菅井一郎、二谷英明、草薙幸二郎らが助演する。

1957年製作/90分/日本
原題または英題:I'll Be Waiting
配給:日活
劇場公開日:1957年10月20日

ストーリー

波止場の近くの小さなレストラン“リーフ”のマスター譲次は元ボクサーだった。喧嘩で人を殺したのを苦にしてやめたのだ。彼の兄はブラジルにいて、一年後には彼を呼んでくれる約束だっだ。約束の日も近い或る夜、兄への手紙を出しに行った帰り、港をさ迷っていた歌手早枝子を救った。彼女は働いていたキャバレー“地中海”の経営者、波止場の顔役柴田弟に言い寄られて、花瓶で頭を殴りつけ、殺したと思いこんでいた。翌日から、彼女は“リーフ”で、はたらき始めた。互いに二人は心ひかれた。映画見物の帰り、柴田弟に見つかった早枝子は譲次にかばわれ難を逃れた。彼女は店の常連の年老いた医者内山から譲次の身上話をきいた。内山は一年前酔って手術をし、誤って一人の男を殺して以来大酒飲みになってしまった男だった。譲次が兄と約束した日が来ても、何の音さたもなかった。彼の手紙が返送されてきた。譲次の心は疑惑でおおわれた。その夜、店に柴田兄弟が現れ早枝子を返せと迫った。ボクサーくずれの柴田兄が譲次をなぐりつけた。譲次はそのままそれに耐えた。人を殺した記憶が蘇ったからだ。彼らの一人が持っていたメダルは彼が兄にやったものと似ていた。調査すると、兄は船に乗っていず、何者かに一年前殺されていた。“地中海”に連れ去られた早枝子から例のメダルは兄のものと確認してきた。警察で彼は兄の殺された現場写真を見た。死体のそばに内山医師が写っていた--。譲次が手がかりの人竹田を探しているのを知った柴田は竹田を殴り海へ放りこんだ。彼を救った譲次は兄が金のため柴田兄に殺されたことを知った。彼は単身“地中海”に乗りこみ、凄じい殴り合いの末、復讐を遂げた。--彼は早枝子と結ばれた。

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映画レビュー

4.5オール横浜ロケ。異国感ある懐かしい街並みも見どころあるフィルムノワール

2024年12月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:その他

泣ける

興奮

横浜をこよなく愛した石原裕次郎氏の生誕90周年を記念したイベントが誕生日の翌日横浜ホテルニューグランド本館2階レインボーボールルームにて「Dining Theater HOTEL NEW GRAND石原裕次郎 生誕90祭」開催。映画『俺は待ってるぜ』(1957)と石原裕次郎 全国縦断リサイタル」(1967年5月@大阪フェスティバルホール)のスクリーンコンサート)を鑑賞。

『俺は待ってるぜ』(1957)
主演は石原裕次郎氏と北原三枝氏(石原まき子氏)の日活ドル箱コンビ、敵役に“ダンプガイ”二谷英明氏、監督は本作がデビュー作で後に『南極物語』『栄光への500キロ』を手がけた蔵原惟繕氏、脚本は兄の石原慎太郎氏と豪華な布陣。
ロケはオール港町・横浜。山下公園、SL(C56形)が現役当時の新港橋梁や横浜税関(クイーンの塔)、在りし日の「横浜日活」など懐かしい街並みも見どころのひとつ、異国感あるフィルムノワールでしたね。
とにかく裕次郎氏の足の長さ、スタイルの良さは目を奪われますね。

上映後には現存する唯一のライブ映像1967年5月に大阪フェスティバルホール公演された『石原裕次郎 全国縦断リサイタル』(約60分)も上映。『黒部の太陽』クランクイン直前の脂の乗った時期の甘い歌声とライブパフォーマンスの達者ぶりには驚きましたね。

スペシャルトークでは石原裕次郎氏に憧れ、日活撮影所のエキストラから俳優としてのキャリアをスタートさせ、石原プロモーション製作「大都会」シリーズで大内刑事を演じて裕次郎氏と共演してきた俳優・小野武彦氏と、「石原プロモーション50年史」の執筆などを手がけた娯楽映画研究家・佐藤利明氏の豊富な映像資料を交えたトークも実に貴重でしたね。

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矢萩久登

5.0ハードボイルドな裕ちゃん‼️

2023年11月6日
スマートフォンから投稿

悲しい

楽しい

興奮

石原裕次郎さんによる日活アクション映画はほとんど鑑賞させてもらっていますが、一番好きなのはこの作品‼️小さな港町でレストランを経営しながらブラジルに行く夢を抱き続ける主人公と、生きることに希望を失った歌手の出会い‼️頼りにしていた兄が実は殺されていたことを知った主人公の怒り、そんな彼に思いを寄せていく歌手‼️過去にボクシング経験のある主人公が兄を殺したヤクザ組織を相手に繰り広げる壮絶な殴り合い‼️でも底にあるのは主人公と歌手の愛情‼️陰影あるモノクロ映像で二人の孤独を浮かび上がらせた蔵原監督の映像感覚がホント素晴らしいですね‼️アメリカのハードボイルド映画にも負けてませんもん‼️霧が流れる波止場の光景、足の長い裕ちゃんのカッコ良さ、影ある女性・北原三枝さんの美しさ‼️二人ともハードボイルドでホントにカッコ良かったです‼️

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共感した! 3件)
活動写真愛好家

駄作。北原三枝 立って見ているだけの暴力映画。

2021年2月19日
スマートフォンから投稿

ゆーじろーは、『若い人』やニクイあんちくしょうくらいから、カッコ良い。北原ミエは、宝塚の男役、相当。みずのえたきこが、同じイメージで、ロス疑惑の雰囲気が嫌だ。錆びたナイフ同様、チンピラ、ギャング、ボクサー崩れ。後楽園の、競輪場やらに屯したいレベルのパッパラパーのニイちゃんに受けそうな低レベルの作品。駄作。

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みすずあめ

5.0この二人の出演する映画の中では、この 最初の本作が結局の所、一番良い作品だと思います お話、演出、衣装、どれも最高です!

2020年9月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

見応えたっぶり!傑作中の傑作です
蔵原惟繕監督のデビュー作品でもあります

タイトル名は主題歌からきていますが、曲の方が先で、1957年2月の発売です
これ石原裕次郎のデビューシングルなんです
これが今で言うところのメガヒットになります
で、これを映画化しよと言うことになり、兄の石原慎太郎が弟のために脚本を書き下ろしたという流れです

公開は1957年10月22日
まだ秋ですから、映画のなかで登場人物がみなコートを着込んでいるのは演出ということです

お話は、銅鑼の響きこそでて来ませんが、その主題歌の歌詞に概ね沿った内容です
女性を待ってる歌とみな思い込んでいるでしょうから、それがなんと兄であったということころがミソです

横浜、夜の小雨、霧笛、小さな波音、ずぶ濡れのトレンチコートの女
もうこれだけでたまりません

主人公のレストランREEFは、横浜税関のクィーンの塔の見える角度からみて、今の赤煉瓦倉庫の辺りのようです

あと1957年昭和32年の伊勢佐木町の横浜日活の前辺り、桜木町駅前、野毛の街並みがロケされており大いに楽しめます
ちらりと写る伊勢佐木町の平安堂薬局は今は油そばのお店がある角ではないでしょうか?

北原三枝が美しい!
顔が小さくて、骨格が細い
身長は162センチあるのですが、それよりも10センチは小柄に見えます
正にクールビューティー!たまりません
衣装がどれもこれもセンスよく良い仕事です
これきっと水の江瀧子プロデューサーのセンスだと思います

薄手のトレンチコート、その下のコートを脱ぐ一瞬だけバストを強調するシンプルなカットソー、タイト気味の膝下丈の黒のスカート

伊勢佐木町でのデートで着ていた黒のハイネックの薄手のセーター、
彼女はあまり胸は大きくないのですが、横からカメラが撮ると挑戦的に尖っています
茶色?のツィードに見えるタイト気味の膝下丈のスカート
そのスカートのびっくりする程細いウエストを細い黒いベルトで更に細く強調しています

どれもこれも彼女のスラリとした細い身体がよりスレンダーに見える衣装で、素晴らしく似合っています

裕次郎の着るステンカラーのコート、
それに軽そうだけど暖かそうなチェック柄の明るい色目のウールのチェックのジャケットが素敵
これ絶対にべらぼうに高い品と思います
その下のボートネックのリブ編みのセーター
こんなアイテム、当時の日本で普通には売ってないと思います
さり気なく何度かモカシンのシューズの足元も映されます
こんな靴も今ではありふれているアイテムですが、当時は普通の靴屋には並んでないものと思います
恐らく全て輸入品だと思います
それもヨーロッパからの
当時からすれば、異次元のお洒落さだったのだと思います

裕次郎と北原三枝はこの3年後、いわば職場結婚に至ります

本作ではまだ、二人の間にはまだ立ち上るケミストリーは感じ取れません
本作でもラブシーンには至りません

それでもこの二人の出演する映画の中では、この
最初の本作が結局の所、一番良い作品だと思います
お話、演出、衣装、どれも最高です!

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あき240

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