「京都文化博物館のフィルムシアターにて鑑賞」折鶴お千 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
京都文化博物館のフィルムシアターにて鑑賞
「折鶴お千」(1935)監督:溝口健二 原作:泉鏡花。サイレントだがサウンド付き映画。クラシック音楽が面白く使われていて新鮮!枠構造の映画で枠の箇所はムソグルスキー「はげ山の一夜」、最後の悲しい箇所はチャイコフスキーの色んないい曲を使ったバレエ音楽「オネーギン」!可愛らしく美しく優しく壮絶な山田五十鈴17歳!宗ちゃんが自殺しそうになるところをお千が助ける場面なかった(もしかして寝てたか?)ので彼女が彼の学費稼いで助ける動機がよくわからなかった。お話としては「瀧の白糸」(舞台で一度見た)の方が華やかな場面もあり女が男の学費を工面する説得力がある。サイレントの「瀧の白糸」は溝口健二監督のがあるのかー!見たい!
京都文化博物館のある三条通りは、和洋の建物やお店が調和をもって並んでいる。雰囲気と風情ある素敵な路地でとても気に入った。
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Gustavさんのコメント
2025年7月25日
talismanさん、フィルムが現存する溝口健二作品のサウンド版ですね。1935年にこの「折鶴お千」「マリアのお雪」「虞美人草」と発表して、翌年代表作の「浪華悲歌」「祇園の姉妹」が生まれ、溝口監督の第二の絶頂期を迎えました。サイレントの「紙人形春の囁き」や「狂恋の女師匠」「日本橋」「唐人お吉」の名画は、フィルムが紛失して観ることが出来ません。唯一「瀧の白糸」で我慢しなければなりません。入江たか子と岡田時彦の名演が印象に残っています。

