おもひでぽろぽろのレビュー・感想・評価
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僕は、スカートめくりなんてやってない
僕にとっては、どストライクな話で全て思い当たる節がある。
しかし、
天地天命に誓って申すが、僕は、スカートめくりなんてやってない。そして、正確にはこの少女が10歳の1965年当時、スカートめくりがここまで流行ってはいなかった。なぜなら、『スカートめくり』は小川ロ◯ズさんと永井豪先生の『ハレン◯学園』の十兵衛からだ。つまり、この2年後に大流行する。そのスカートめくりを、我が担任は、僕がやったと決めつけ、親に報告された。我が亡父にどつきまわされた。兎も角、この担任は大正生まれのク◯ババァだった。このアニメの父親と同じ位の世代だと思う。こういったひねくれた奴が横行していた。まだ、戦前の輩が残って、我々に民主教育を施そうとしたのである。混迷する高度経済成長期だったのだ。
そして、このまま民主国家の日本は絶滅危惧民族へと変化していく。
1982年当時の27歳の自分を、現在の主人公は、どう見ているのだろうか。壊滅してなくとも、農業は絶滅危惧産業の先端を行っているはずである。少なくとも、主食の米や小麦は利潤を生む産業ではないはずだ。そんな混迷する農家に嫁いだのだから。
大人の主人公が鬱陶しい性格
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主人公が会社で休暇を取って、田舎生活を体験しに行く。
そこで子供の頃の事を色々思い出す。
そこで世話になった男の両親らから、嫁に来ないかと言われる。
でも都会暮らしを捨てる事は出来ず、やんわり断って帰る。
でも電車の中で思い経ったように引き返す。
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うーん、子供の頃の話ってあんまり関係ないような気がする。
ってか、何かにつけて昔話を始めるこの主人公、ウザくない?w
子供の頃の主人公は可愛らしいんやが、家族からアホと思われていた。
ってか、家族冷た過ぎ。何なのこの愛の無い家族は?
それに最後に戻ったのは何故?
もうちょっとよく考えてから行動しないと。
その直前に男の家族の前から何も言わずに姿を消したりとか、
この女、どうも好きになれんのよなあ。
破天荒なアニメ監督が遺した、大人の為のアニメ。あの頃のおもひでに涙がぽろぽろ。
東京で暮らす27歳のOLタエ子。小学5年生の思い出と共に山形での田舎生活を過ごすうちに、大切なことを学んでゆく、というヒューマンドラマ・アニメ。
監督/脚本は『パンダコパンダ』シリーズや『火垂るの墓』の、伝説のアニメ監督高畑勲。
製作プロデューサーを務めたのは『となりのトトロ』『魔女の宅急便』の、高畑勲の盟友でもある天才・宮崎駿。
子供の頃、金曜ロードショーで放送されるジブリアニメは何よりの楽しみだった。
『天空の城ラピュタ』『紅の豚』『耳をすませば』『もののけ姫』…
ジブリのアニメは非現実の輝かしい空想世界へと連れて行ってくれる夢のパスポートだった。
しかし、そんな作品群の中でも「なんだこれ…?ジブリなのにおもしろくないぞ?」と少年時代の自分が首を傾げてしまうものがいくつかあった。
『火垂るの墓』『平成狸合戦ぽんぽこ』そしてこの『おもひでぽろぽろ』である。
少年時代は高畑勲と宮崎駿の区別がついておらず、ただ「ジブリ」というアニメブランドがあるということでしか認識していなかった。
そのうち、ジブリでは2人の監督がアニメを作っているということをだんだんと知るようになり、「宮崎駿=超おもしろくてワクワクするアニメを作る人」「高畑勲=ジブリだけど面白くないアニメを作る人」という風に認識していくようになる。
この認識は現在まで続いており、意識的に高畑勲作品は鑑賞してこなかった。
少年時代『おもひでぽろぽろ』には何度も挑戦してきたはずだが、全く内容を覚えていなかった。
覚えていたのは「パイナップル」「生理」「貧乏な男の子」くらい。もしかしたら最初から最後まで鑑賞したのは今回が初めてかも。
それくらい子供の頃の自分にとって『おもひでぽろぽろ』は「ハズレ」だった。
あの頃の少年も、今やタエ子よりも年上になった。
タエ子と同じように、さなぎのような感覚でいる今こそ過去を振り返る時だと思い(…そんなに大袈裟なことじゃないけど💦)、本作を鑑賞してみた。
…最高だった。これほど胸を打つ作品だとは思いもしなかった。
高畑勲の凄さはもちろん知っていたのだが、改めて凄まじい監督だったのだと舌を巻いた。
誰が言ったのか忘れたが、「宮崎駿の後継者は現れるかもしれないが、高畑勲の後継者は現れない」というような言葉を聞いたことがある。
この作品を鑑賞して、高畑勲がいかに破天荒で唯一無二な監督か思い知った。
彼の持ち味は徹底的にリアリティを求めたアニメーションにある。
それはアニメの動きや美術という話に限ったことではない。真に迫ったキャラクター造形や、舞台となる土地のロケーションや文化的背景、歴史へのリサーチということにも及ぶ。
映画の制作にあたり行った紅花農業の研究は専門家ですら目を見張るレベルだったというし、NHKにも映像が残されていなかった『ひょっこりひょうたん島』についても、狂気的な執着心でリサーチし映画の中に落とし込んでいる。
もちろんこのように偏執的にリサーチを行えば、制作時間が延びるのも当たり前であり、本作の制作も遅れに遅れたらしい。
プロデューサーでもあった宮崎駿はあまりの遅さにブチ切れて怒鳴り散らしたらしく、ジブリの名プロデューサー鈴木敏夫曰く、「宮さんのあんな声は、後にも先にも聞いたことがありません。」というほどだったらしい。
しかし、このリサーチこそが映画のリアリティを引き出している。他のアニメーションでは決して味わえない、「これアニメでやる意味あるの?」感を感じることができる😆
高畑勲の強みは徹底的な調査によるリアリティだけではない。
圧倒的な情報整理力こそ、高畑勲作品の魅力である。
この作品でも、無駄な描写は一つとしてない。
前半はほとんどがタエ子の過去の描写になるが、ここで描かれるエピソードの一つ一つは後の展開の伏線となる。
印象的な何の天気が好きかと男の子に聞かれるシーン。
タエ子は曇りと答える。
でも、山形で農業をするタエ子が手を合わせるのは燦々と輝く朝日なんですよね。
また、トシオとの関係が一歩先に進むのは大雨の時。
山形に残る決断をするのは抜けるような青空。
物語が進む印象的なシーンは絶対に曇り空ではないんですよねぇ。
意図的に子供の頃好きだった曇り空を避けることで、タエ子が過去の自分とは違う自分へと成長していることを表している、といえるのではないかしら?
生理のエピソードは紅花作りと農家へ嫁ぎに行く事の隠喩となっているしね。
漫画家つげ義春の作品『紅い花』を思い出したあなたは立派なオタクです。
あと、高畑勲はサンプリングが上手いね!
当時流行の音楽だったり、流行りのテレビ番組だったりを適切な形で作品に引用してくる。
トシオが百姓の音楽だと言ってムジカーシュというグループの音楽をかけたり、エンディングソングに「ザ・ローズ」を持ってくるあたり、高畑勲の音楽の使い方や引用のセンスには脱帽。「愛は花 君はその種子」の歌詞が映画の内容を表しているんすよねぇ。
本作のターゲットは完全にタエ子と同世代の20〜30代。これからの人生どう歩むか、そのことに悩む世代を狙い撃ちしており、そりゃこれを子供が見ておもしろいと思うわけないわな、という感想。
タエ子のいう「サナギ」のような気持ちを抱いている人が見れば刺さること間違いなし!
トシオさんが立派すぎる…ジブリ史上一番イイ男に決定〜!顔も声も完全にギバちゃんだけど。
彼の農業にかける情熱を聞いていると何故か涙が、ぽろぽろ…
彼くらいなにかに打ち込みたいと思わせてくれます。
ちなみにこのトシオというキャラクターは鈴木敏夫のアイデアから生まれたキャラクターだからトシオという名前らしい。
過去を振り返ること、それは先に進むために必要なこと。
新しい何かを始めたくなる一作。
これこそまさに大人の為の映画だ!
ドストライク
世代的には全く違うんですが、小学生の頃を思い出して今の自分と照らし合わせる感触が、自分が感じているものと全くといっていいほど同じで。
というか初めて観たときは小学生だったんですが、人としての幼さとか成長を、性別に関係なく見せられた感じがして、衝撃を受けました。
いつも可愛がってくれる父親にビンタされるシーンは泣けてしまいます。
自分の場合はおじいちゃんに可愛がってもらってたんですが、たまに怒られるとメチャクチャ悲しくて。
過去の自分と未来の自分をつなげる話の作品はよくあるんですが、これほど完成度の高い作品は観たことがありません。過去の回想が現在の人間関係の形成に影響を与え、逆に過去の出来事を思い出すという流れが非常によく出来ています。
落ち着いていて、良いかんじ。
都会で働くタエ子が、休暇で田舎の親戚の家の農作業を手伝いに行く。その過程に小学5年生の自分を断片的思い出し、今の自分につなげていくお話。
私が一番感動したのは、子供の頃のやるせなさをうまく描けているところ。子供の頃の、けして明るくなく、何事にも一喜一憂していた、もやもやした不安定な気持ち。きっと誰もが持ち合わせている、子供だからこその感情がうまく描けていた。
大人になったタエ子は、もはや昔過ぎて定かではない記憶を、次々と思い出しては笑い飛ばしていく。
しかし、物語の最後に思い出した記憶だけはタエ子の心に深く入りこみ、そして彼女のその後の人生を肯定していくヒントになる。
親戚の人が言う、「手つかずの自然に思える田舎の風景も、人間が作ったものなんだ。」というセリフが印象に残りました。
おすすめです。
心があたたかくなる作品。
小学生くらいに見て内容もあまり覚えていないのに強烈に印象に残ってる作品。
改めて見たのですが、また違った意味でとても素敵で印象に残る作品です。
自分が小学校の頃、幼い頃を思い出しました。あ〜自分もこんな頃があったなあと。
そして、セリフがとても素敵です。とっても深い。
エンドロールが特に素晴らしいです。
心がとってもあたたかくなりました。
大人に見て欲しいジブリ作品です。オススメです。
雰囲気が好き!
小学生の頃に一度観た事があったのですが、
その時は、退屈で寝てしまった気がしますw
しかし、今観るとこの作品の良さが分かった気がします。
ストーリーは淡々と進んで行くのですが、全体的にとても良くて
見終わった後に幸せな気持ちになれました。
また観たいぐらいです。
きっと、ある意味R22くらいの作品
参りました。
というのが今の率直な感想。
ジブリの中でも地味な方で、正直そんなに惹かれる題材でもなかった(後に後悔する)のに気付いたら見入って浸ってしまっていました。余韻が凄い。私も文系人間だからかなんとなくタエ子の気持ちがわかることが多かったのもその一因なのかもしれませんが。
温かくて、優しくて、愛おしい空気に包まれているような作品です。まさに隠れた名作。
初見のつもりで観はじめて、パイナップルのくだりだけ懐かしすぎてテンションが上がるくらいやけに覚えててw、ああこの作品だったんだ!って嬉しくなったんだけど、それ意外は全く覚えてませんでした。(というか今まで意識してなかったけど高畑作品をじっくり観たのがどうやら初めて。)
記憶に残ってない作品にこんなに惹かれるなんて不思議な感じ。なーんかいいんです。確かに確実に子供向けではないので子供の頃観たのが記憶にないのも妙に納得。
子供向けじゃないのにアニメーション。しかもモデルにしてる人を声優に使って声は先撮り。
この“あえて”の効果がホントに凄い!すごい化学反応を見ました。実写じゃここまで表現できなかった気さえする。
5年生パートのモヤがかかったような色調、それにピッタリ合う心地好い今井美樹さんの優しい声、他にもたくさんあるけど最後の“5年生”に手を引っ張られるような背中を押されるようなED(歌とクレジットだけじゃないED大好き!)なんかはその真骨頂。アニメーションだからこその深みある演出が本当に素晴らしい。
そして上であんまり惹かれない題材なんて言ってしまいましたが、とんでもない!前言撤回、目の付け所が素敵すぎです。こういうところにスポットライトを当てるってとってもいいですね。
店頭で手に取る野菜一つ口紅一つの裏にある苦労、田舎暮らし、“村人A役”をやるような女の子の人生、家族あるある学校あるある…どれもすごく感慨深かったです。
まずはよくあの小さくて面倒臭い社会に順応してたなと思うくらいの小学生という生き物wにノスタルジー(作品の時代には馴染みがないけど今も昔も変わらないw)を感じて、思春期一歩手前のあの頃をさなぎに例えて【さなぎにならなきゃ蝶々になれない】という言葉にすごく納得。
そして朝日が差し込むシーンが本当に神聖な田舎パート。とっても好きな【快く疲れる】という言葉。
そして逃げ出してしまったタエ子の心情。[無]農薬は消極的で[有]機栽培はかっこいいという素敵な考え方のトシオが急な“アベくん”の話を黙って聞く姿。ラストシーンのタエ子は凄く綺麗な“蝶々”でした。
トシオや山形のみなさんの切なくて力強くて美しい姿を見ていたら今の福島の農家さんのことを考えさせられました。
生まれてからその土地を離れずに365日ずっと農業に携わってきたこと、今まで大切に育ててみんな食べてもらえてたという生活が急に失われてしまった気持ちやこれから。
「まだ住んでるなんてどうかしてる」と言われたってそう簡単に慣れ親しんだ場所から離れられるものじゃない(なにより心情的に)。
国が生活を保障するのが一番なんだろうけどそれだけで割り切れる問題じゃないもんなあ。。
タイムリーなことに、もっと何ができるか考えなくちゃというきっかけを与えてくれた映画にもなりました。
私は気になるキーワードがあったら説明書みたいな文字を読むよりそれに関する映画を観ると一番理解できるような気がして更に関心が持てるタチなのですが、こういう偶然のメッセージにもすごく後押しされます。
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