「ムショの怖さが伝わらない」アニマル・ファクトリー 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
ムショの怖さが伝わらない
スキンヘッドのウィレム・デフォーに狂気を垣間見れながらも至って善い人、ナゼかおカマちゃんなミッキー・ロークに違和感も無く寧ろハマり役、終始ニコニコで脇役を貫くダニー・トレホ、シーモア・カッセルは無難な立ち位置、音楽はジョン・ルーリーで原作と脚本はタランティーノお気に入り『レザボア・ドックス』には役者として筋金入りの元犯罪者エドワード・バンカーと豪華なメンツをブシェミが纏め上げた本作。
エドワード・ファーロングが刑務所で酷い目に合ったり成り上がる物語でも無く、デフォーを中心とした一派に守られて基本的に和気藹々と楽しく過ごす様を描いているに過ぎない、その内容に気付いてからはダラダラと話があるようで興味が薄れてしまう。
監督としてのスティーヴ・ブシェミの良さを感じられない、本作と内容が近いジャック・オーディアールの『預言者』と比べてしまい断然に後者の出来が良い。
コメントする