男はつらいよ 知床慕情のレビュー・感想・評価
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【”三船敏郎さんの圧倒的な存在感に劣らぬ渥美清さんの粋な姿、台詞。”今作は、知床の大自然の中、淡路恵子さん演じる女性に想いを告げる三船さん演じる無骨な獣医師の姿に痺れる逸品である。】
ー 今作は三船敏郎さん、淡路恵子さん、そして聡明さを漂わせる美しき竹下景子さんと言う夢の様なキャスティングに加え、前作、前前作と出番が少なかった寅さんが、夏の美しい北海道の中で、彼らが演じる人物達や北海道で生きる人たちに慕われ、交流する姿がとても良い作品である。ー
・三船さん演じる獣医師の元に、駆け落ち同然で東京に出て行った竹下景子さん演じる娘りん子が帰って来る。
獣医師はその電話を受けて、渋面だが白いシャツを箪笥から引っ張り出し、部屋を掃除するのである。彼が、確執ある娘に対しても、礼を尽くす男という事が直ぐに分かるのである。
・偶々、獣医師に引き留められ、家にいた寅さんが”誰が来るのか?”と問うと、獣医師は”娘だ!”と短く答える。その時の寅さんの何とも言えぬ優しい表情。渥美さんって、ヤッパリ凄い役者である。
・三船さんと淡路さんと竹下さんにあてがきしたのではないかと思われる夫々が演じるキャラクター設定も申し分が無い。
■そして、今作のクライマックスは彼らとその仲間が、北海道の大草原の中バーベキューをするシーンであろう。
そこで、獣医師は新潟に戻ると告げる獣医師の事を想っていた淡路さん演じる居酒屋を営む気風の良い女性に対し反対し、寅さんが理由をはっきりと言え!と問うた際に”俺が、俺が惚れているからだ!”と言う姿であろう。
・好きな女に対しては、如何に無骨でも周りに誰がいようと思いを告げる獣医師の心の強さを持つ漢を見事に三船さんが演じているし、寅さんの想いが二人を結び付けた名シーンである。
・そんな父を見て、寅さんの事を好いていたりん子が想いを更に寄せるのだが、相変わらず寅さんは、自分の事になるとカラッキシである。
そのシーンが描かれないのも、いつものパターンと違って良いのである。
<りん子がとらやの人達に言う、寅さんの魅力を伝える言葉がとても良い。
”自由な生き方をしている人。”
”人生には、もっと大切な事があると思わせてくれる人。”
寅さんは、社会的には、ナカナカ受け入れられないのかも知れないが、このような台詞を女性から言われる男は、矢張り魅力的なのである。
寅さんが、北海道の厳しき自然の中で生きる人たちに暖かく迎えられるのも、良く分かるのである。>
三船の下手演。これを愛でられるか?次第。
シリーズ第38作‼️
全50作からなる「男はつらいよ」シリーズの中でも個人的に五本指に入る、大好きな作品‼️今回は北海道・知床を舞台に、武骨な頑固獣医と出戻り娘の対立と和解、獣医とスナックのママの橋渡しをする寅さん、そして寅さんは娘にホの字・・・‼️やはり今作のキモは三船さん‼️我が憧れの三船さんが寅さんと共演‼️もはや共演と言うよりもクロスオーバーだな‼️日本が世界に誇るスターと名物キャラクターの豪華クロスオーバーです‼️今回は恒例の寅さんの夢のシーンはナシ‼️満開の桜の中での寅さんの独白から、高らかに主題歌が鳴り響きます‼️体調を崩して入院中のおいちゃんの見舞いに訪れた病院で、主治医の先生と大喧嘩‼️寅さんとイッセー尾形さんの足の踏み合いが愉快‼️とらやの仕事を任されるも、てんで役に立たず旅に出る寅さん‼️「おじさんも少し反省しろよ」‼️知床の美しい大自然‼️森繁久彌さんの歌声が聞こえてきそうな素晴らしい大自然‼️そんな大自然を背景にした、頑固な三船さんと愉快な寅さんの交流‼️三船さんとスナックのママに扮する淡路恵子さんの恋路‼️淡路さんのデビュー作が黒澤明監督の「野良犬」だった事を考えると、感慨深いキャスティング‼️そして傷心の竹下景子さんの心を癒してくれる車寅次郎という存在‼️「寅さんは人生にはもっと楽しい事があるんじゃないかと思わせてくれる人」‼️一方で、知床の大自然と共に生きる人々の厳しい生活も描かれていて深い‼️そして "失恋の帝王" 車寅次郎による三船さんへの恋の指南‼️「勇気を出して言え!!今言わなかったら一生死ぬまで言えないぞ」‼️意を決した三船さんが言い放つセリフ「俺が惚れてるからだ」‼️涙ぐむママ‼️さすが三船さん‼️カッコいいです、感動です‼️今回は三船さんの映画だな‼️でも寅さんは毎回、恋の指南はうまくいくのに、いざ自分の恋路となると弱腰になってうまくいかない‼️でもそれこそが車寅次郎なんでしょう‼️やっぱり寅さんの映画だな‼️
名優三船敏郎と淡路恵子の渋い配役と舞台背景が溶け込む、男はつらいよ
三船敏郎と竹下景子の親娘。『回避型人間』と『触媒』としての寅さん
4Kデジタル修復版というのが掛かっているので見てきました
1987年、シリーズ38作目だそうです
大まかなあらすじとしては
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おじちゃんが病気で倒れて入院しているところに寅次郎が帰ってくる。それは大変、おじちゃんが良くしてもらえるように病院に付け届けを、と良かれと思って動く寅次郎だが軽く一悶着。おばちゃんは、私がフォローしなくちゃならなくて大変だったと愚痴る
おじさんの入院で臨時休業していた寅屋だが、みんなで頑張って店を開けようとアケミ(美保純)なども手伝う。寅次郎は、俺も手伝いたいと申し出てるがまあ結局上手く行かない。跡取りな筈なのにまったく、この先どうなるんだ、とやはり愚痴るおばちゃんたち
寅次郎は皆が愚痴っているところを聞いてしまい、また旅に出てしまう(といういつもの展開)
旅先は北海道は知床。獣医の上野(三船敏郎)の家に泊めてもらうことになる。上野は10年前に妻に先立たれ、また一人娘りん子(竹下景子)も駆け落ちのように上京してしまい、頑固者にさらに磨きが掛かり、地元に人たちにも変わり者として煙たがられている
近所の飲食店の雇われママ悦子(淡路恵子)は上野のところを勝手に訪ねてきて憎まれ口を効きながらも何やら身の回りの世話などをしてくれている様子
そして竹下景子が何やら訳ありな感じで突然父のところに帰ってくる
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といったところでしょうか。以上あらすじ
===== 注意!! 以下、『軽いネタバレ』も含む感想です =====
自分は寅次郎と三船の獣医の両方に共感する部分があります
寅次郎はいろいろ上手くいかないと格好つけてすぐ旅に出てしまう。継続的に安定的な人間関係を築くのが苦手。面倒でも折り合いをつけて付き合うのではなくて、簡単にいうと逃げている。『回避型人間』というのでしょうか
そして三船の獣医は周りの人との付き合いが上手くない偏屈な頑固者
しかし家ではあまり「使えない」寅次郎ですが、旅先では楽しい人としてちょっとした人気者
寅次郎がいなければ三船と竹下の親娘はすれ違いのまま、娘は帰ってしまったところだった。そして寅次郎がいなければ三船は淡路恵子に気持ちを告げることもなく、淡路は新潟に帰ってしまうところだった
英語ではこういう人をcatalystといったりするようです。化学でいう『触媒』ですが、人と人を取り持つ人のこともいいます
そんな風に、外では意外と尊敬されて?役に立ったりしているのに、自分自身の家族などの継続的な関係の中ではなかなか上手く行かない寅次郎
獣医にはこうしなきゃダメだとか助言したりするくせに、自分では実行しない
自分自身は永遠に幸せになれない寅次郎。(今回は振られた訳ではない。でも寅さんから身を引いてしまった)
という毎度の定型のお話しですが
共感できる部分がある人には面白いと思います
竹下景子がショートヘアで美人。当時の髪型なのか、ちょっと宮沢りえみたいだった
満男は中一くらいなのかなあ。思春期に入る前の少し大人びた少年という感じ
心情的には星4にしたいところですが、他のいろいろな映画の評価とのバランスを考えると客観的(?)には星3.5ですかね
でも寅さんの「結構毛だらけ」も聞けるし、他の人物のいいセリフも要所にありますし、もちろん好きならおすすめです!
それからシリーズ本作に限りませんが、ひと昔前の日本のいろんな情景が見られるのもいいです
まあ寅さん好きな人はどちらにしても好きでしょうから、星評価はあまり関係ないですねw
今回、オープニングが夢ではない。寅さんの語りが新鮮だ。 序章はおい...
「男はつらいよ」シリーズの第38作目。 映画がはじまって30分くらい経った頃、 三船敏郎が出演していた。 予備知識なしで見たので少し驚いた。 三船敏郎が「男はつらいよ」に出ていたのか。
BSテレビ東京で映画「男はつらいよ 知床慕情」を見た。
1987年製作/107分/日本
原題:Tora-san Goes North
配給:松竹
「男はつらいよ」シリーズの第38作目。
映画がはじまって30分くらい経った頃、
三船敏郎が出演していた。
予備知識なしで見たので少し驚いた。
三船敏郎が「男はつらいよ」に出ていたのか。
山田洋次監督56才
渥美清59才
倍賞千恵子46才
竹下景子34才
三船敏郎67才
北海道で三船敏郎、竹下景子父娘と出会った寅さん。
前半は父娘の葛藤、
後半は三船敏郎と淡路恵子の恋を描く。
ラストシーン近くで、
駅のシーンで寅さんが吉岡秀隆に
「伯父さんも反省しろよ」
とたしなめられたシーンがいちばん笑った。
満足度は5点満点で2点☆☆です。
諦めない心
冒頭で御前様が仰ってました
「諦めない諦めない」って
何事もそうですね
生きること、進むこと、楽しむこと、信じること
歳をとったって諦めない
まずは自分が自分のことを諦めてはダメですよね
ゆっくりゆっくり時間をかけて育むものもあるし
雷に撃たれたように激変する感情もある
親と子の二つの恋愛の様を描いたにくい作品に仕上がってます
三船敏郎さんの中学生のような感情は今の若い人たちにどう映るのか
今でも私は後悔の日々です
あの時ちゃんと自分の心に従いはっきりと伝えていたらもう少し違った人生をおくっていたのだろうと思えてなりません
過去には1秒だって戻れないのだから悔いのない今を積み重ねていけたらいいのですけどね
そんなに上手くはいかね〜もんだしね
全部見たつもりになってましたがどうやらこの作品は初めてのようでした
満男の台詞にも注目ですね
久しぶりにチェックしたら、竹下恵子が吉岡里帆に見えてしょうがなかった(またかよ)
おいちゃんが入院したため店番を経験するも失敗ばかりの寅さん。自分はダメな男だと傷心気味となり、満男に道具を持ってきてもらい、札幌へと向かう。たどりついたのは男やもめの獣医である三船敏郎のところ。ポンコツな車に乗ってあちこち駆け回る変人扱いされてはいるが、酪農家からは信頼されている。突然、娘の竹下恵子が戻ってくるが、結婚には失敗して、故郷に戻りたくなったのだ・・・
久しぶりに冒頭に夢オチのシーンなし。ストーリーも山田洋次のオリジナルじゃないかと思えるような北海道の町。いつもどおりの展開ではあるけど、マドンナの竹下恵子中心かと思えば、実は三船敏郎が淡路恵子にプロポーズする映画だった。シンプルながらも寂れていく知床の町に根付いている人たちの温かさがなんとも言えない。
北海道の大自然映像もさることながら、人物の心の広さも感動的。特記すべきは変人同士(語弊あり、失礼)は妙に惹かれ合うということ。
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