「大人気歌手が、大人気歌手役で登場」男はつらいよ 旅と女と寅次郎 ユッキー ウッキー(略して ユキウキ)さんの映画レビュー(感想・評価)
大人気歌手が、大人気歌手役で登場
寅さんシリーズ31作目。
見ていて思ったエトセトラ
◯出演しますかぁ、出演させますかぁ、
演歌の大人気歌手、都はるみさん。
◯もしあなたが監督で脚本家なら、30作以上も続きずっと製作してきた映画をどのように更に展開、発展させていきますか?
それは、前代未聞、誰もやったことのない偉業、大袈裟に言うなら?映画への挑戦ですよ。
◯それを山田洋次さんや関係者の方々はやってのけたのです。しかも本作からさらに19作分も先まで綿々と。
あらためて、すごいことだなぁと思います。
◯007シリーズですらまだ現在全26作品。しかも主役をとっかえひっかえして。なのにこちらは一人の主人公で約50作。製作の規模や費用は違えど映画は映画、スゴイですねぇ〜〜
◯沢山製作していたら、中には本作のようなタイプが飛び道具のように?現れることもあるんでしょう。
芸能界や仕事に疲れ果てた歌手が現場を抜け出し逃避行だって、ひやぁ〜
なんと、都はるみさん、本作公開から約1年後に歌手引退宣言をしたと。
(その後復帰したようですが)
やっぱり、大人気歌手はいろいろなご苦労があるんですねぇ〜
◯寅さんの満男応援団長ぶりには笑いました😆
本作あたりから、恋愛に関してもエールを送る側に徐々にまわっていくんですよねぇ。
(実はこのレビュー記入時点で自分は第35作くらいまで見終わってます)
今回は淡い恋をしつつも人気歌手の脱出サポート役になっていました。
◯本作公開時に渥美清さんは約54歳。
さすがに寅さん自身の色恋沙汰ストーリー中心ではまわらなくなってくる頃なんですかねぇ。
◯劇中では、歌手・京はるみがとらやで柴又の人たちを前に歌の披露。
渥美清さんは、京はるみや騒ぐ柴又の町の人達を見て自分のことを振り返り、俳優人生とちょっと重ねたりなんかしたのではないかと想像します。
30作以上長く同じシリーズを続けてきて、渥美清さんはもしかしたら疲労困憊していたのかもしれません。
そう考えると、各界で頂点に立っている人達の裏の苦労がちょっとだけ覗けたような気がします。