「暑いから夢を見ていただけ?」男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
暑いから夢を見ていただけ?
リリーは沖縄で病気になっていたのだ。しかし、トラ屋の面々は列車と船の話ばかりして、誰も飛行機で移動することが思いつかない。そして寅さんは飛行機が苦手。御前様の説得によって決意するも、いざ羽田に着くとそこでも駄々をこねる寅。最終的には美人スチュワーデスのおかげ。
看病も無事終わり退院して、仲良く過ごす二人。リリーへの愛情もままならず、水族館へ遊びに行く日々が続いた。高志(江藤)がリリーに惚れてしまい、寅との結婚を止めるように忠告を与えてしまう。働かないと金がない。「男の世話になんかなりたくない。だけど夫婦だったら別よ」と言われても「所帯なんか持つガラかよ」と茶化してしまう寅。ちゃぶ台返しまでするリリーであったが、どこまで本気だったのだろう。帰ってきたら行き倒れというオマケつきだったが、家族に言われようやくあれが愛の告白だったと気づく始末。
そして再会。もしや結婚の可能性が!と思いきや、沖縄の思い出話で盛り上がるばかり。唄を歌った直後、「俺と所帯持つか?」と言った寅さん。家族が一瞬凍りつくかのような反応をしたけど、冗談にさせられた・・・本気と冗談。二人のタイミングがなかなか合わない。やっぱり夢だったのだろうか・・・しかし泣ける。
照れ隠し、本音が言えない、攻撃的な会話の裏側だとか謎かけのような恋愛テクニックに二人とも空回りする様子に手に汗握る・・・なんて、行間を読むような脚本が上手すぎるんでしょうけど、家族たちのハラハラ度合いも伝わってくる。沖縄に着いたところからジェット機の音がうるさくてしょうがないのも、米軍基地への怒りがこもってたような気もします。
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