「笑って泣けた、珠玉の名作です♪」男はつらいよ 寅次郎純情詩集 マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
笑って泣けた、珠玉の名作です♪
最新作となる第50作目「男はつらいよ お帰り寅さん」の公開が控えて、過去作のリバイバル上映が連日されている中、今回は「MOVIX亀有」で第18目となる「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」を鑑賞。
で、感想はと言うとやっぱり良かった♪
どの回の作品でも寅さんが劇場で観れるのが嬉しいけど、日曜日とあってお客さんも結構入ってたし、映画を観ながら楽しい場面では場内で笑いが起きるのは古き良き映画の正しい鑑賞作法みたいでなんか嬉しい♪
寅さんは観る側にも懐かしさを届けてくれます。
今回のあらすじは久し振りにとらやに帰ってきた寅さんは偶然、甥の満男の家庭訪問に訪れた若い女の先生に上機嫌になり、余計な口を挟む事で博を怒らせ、皆が同調する事でカッとなり、とらやを飛び出す。
旅先の長野で以前に出会った旅一座に偶然出会い、気前良く振る舞うが手持ちの金は足りなく、警察の厄介になり、身柄と金銭の支払いで妹のさくらに長野県警から連絡がいく。
とらやに帰ると満男の先生の母親の綾に出会い、一目惚れをし通い詰めるが、綾の様態は悪くなっていく…と言うのが大まかな感じ。
今作は今から43年前の作品で割りと珍しい演出もあって、その意外性が楽しめました。
・義理の弟の博を怒らせた。
・警察のご厄介になった。
・今回の寅さんの惚れた相手が年上。
他の回でもあったかも知れないが、前田吟さん演じるあの温厚な博が呆れる事はあっても怒ったのはあんまり記憶にない。
また、いろんな悪い事があっても警察のご厄介になるのも記憶にない。それも確信犯w
今回の寅さんは良く言えば子供の様に天真爛漫だけど、悪く言えば、ちょっと調子に乗り過ぎw
でも、そんな天真爛漫な寅さんが今回のマドンナの綾にはとても魅力的に写ったんでしょうね。
今までのマドンナは同年代か年下。年上であっても殆ど変わらないぐらいなのに、マドンナの綾はどう考えても寅さんより少なくとも5歳以上は上。
年上のマドンナはシリーズ唯一。
綾を演じる京マチ子さんは昭和を代表する名女優で演技や雰囲気、佇まいは流石の一言。
今年の5月にお亡くなりになられてますが、圧巻の演技でこれまでのマドンナとはまた違った魅力を醸し出しています。
娘の雅子を演じるのは檀ふみさん。初々しい感じで可愛らしい。今回はある意味ダブルマドンナでもあります。
京マチ子さん演じる綾が日に日に弱くなり、亡くなるのはショックではありますが、寅さんの献身的な愛が身に沁み、綾がとらやで食べた芋の煮っころがしを食べたいと聞いた寅さんが八百屋で山程のじゃがいもを買ってくる所は笑いながらも寅さんの一途さを感じます。
柴又駅での寅さんとさくらのラストは物凄く良い。
柴又駅での寅さんとさくらの別れのラストは他の作品でも度々出てきますが、好きなパターンで柴又駅の情緒と美しさが際立つ屈指の名パターンかと思います。
今までの寅さんよりグッと泣かす場面が多い感じですが、その分前半の無邪気さとの対比でより際立ちます。
また御前様や源ちゃん、博さんの活躍が多いのもなんか嬉しい♪
源ちゃんの子分っぷりと寅さんを慕う気持ちが感じられるし、あれだけ怒ってた博さんが無線飲食で帰ってくる寅さんを庇う気持ちも良い。
寅さんが皆大丈夫なんですよね。
どの寅さんも大好きで、どの回も観る度にその良さを満喫しますが、今回のお話しはバカな寅さんに笑い、真っ直ぐな寅さんに泣かされました。
やっぱり「男はつらいよ」は良いなぁ♪
12月26日まで様々な回の記念リバイバル上映でMOVIX亀有ではお昼12時の回のみの上映ですが、出来るだけ機会があれば観に行こうと思います。