「佐藤蛾次郎さんを偲んで」男はつらいよ 寅次郎相合い傘 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
佐藤蛾次郎さんを偲んで
佐藤蛾次郎さん
12月9日虚血性心不全のため78歳で他界
入浴中に亡くなった蛾次郎さんを翌日親類が発見
寅さんシリーズお馴染みの脇役だった
監督と脚本は『男はつらいよ』シリーズ『学校』シリーズ『家族はつらいよ』シリーズ『幸福の黄色いハンカチ』『ダウンタウン・ヒーローズ』『たそがれ清兵衛』『隠し剣鬼の爪』『武士の一分』『小さいおうち』『キネマの神様』の山田洋次
脚本は他に山田洋次監督を師事し共に『男はつらいよ』シリーズや『釣りバカ日誌』シリーズにも携わった朝間義隆
初鑑賞
この作品で浅丘ルリ子がブルーリボン主演女優賞
倍賞千恵子がブルーリボン助演女優賞
寅さん映画でもかなり高評価の部類の傑作
青森の駅で自殺しそうに見えた兵頭という男に声をかけたことがきっかけで彼と旅をすることになった寅さん
途中リリーと再会し寅さんの商売を兼ねて3人で北海道の旅
リリーが印刷工の娘と知ったことも手伝って諏訪夫婦はリリーに寅さんの結婚を薦め本人も承諾したが寅さんは冗談だと本気にしない
1番の見どころはなんといってもメロン騒動
ネチネチとしつこく車家の皆さんを責める寅さんにおいちゃんがぶちキレるところが一番面白い
リリーが啖呵を切るところも痛快で良い
リリーの離婚原因はおそらくこういう気風だからだろう
恒例になっている冒頭の寅さんの夢
今回の寅さんは奴隷船に乗り込み奴隷商人から奴隷を救う海賊のボス
奴隷には車家の皆さん
なぜかタコ社長が奴隷商の手下だったりする
悪役のボスに吉田義夫はお馴染み
海賊役の米倉と上條はなぜかノンクレジット
男はつらいよのレギュラーメンバーは夢のシーンをわりと心底楽しんでやってそう
妹のゴリ押しで傘を持たされ駅前に迎えに行った寅さんとリリーの相合傘での二人のやりとりもやっぱり良いね
おいちゃんの下條は二代目だと記憶違いをしていた
二代目は松村達雄で下條は三代目で前回から担当
おいちゃんというと下條の印象が一番強い
満男役の中村はやとは初代中村隼人と別人
お父さん役の前田吟やお母さん役の倍賞千恵子に抱きついてばかりの甘えん坊
メロン騒動でも黙ってモクモクとメロンを食べてる
二作目から満男役を務めた撮影所の近所の電気屋の息子
今では普通にサラリーマンらしい
昭和50年
キャバレーが時代を感じさせる
フーテンの寅こと車寅次郎に渥美清
寅さんの妹・諏訪さくらに倍賞千恵子
柴又で食堂『とらや』を経営するおいちゃんの車竜造に下條正巳
竜造の妻で寅さんのおばちゃんの車つねに三崎千恵子
隣の印刷工場で働いているさくらの夫・諏訪博に前田吟
諏訪夫妻の息子・満男に中村はやと
隣で印刷工場「朝日印刷」を経営するタコ社長に太宰久雄
御前様こと柴又のお寺「題経寺」の住職・笠智衆
柴又のお寺「題経寺」で働く寅さんの弟分の源公に佐藤蛾次郎
会社の重役を務めながら家族や仕事から逃げ家出した兵頭謙次郎に船越英二
兵藤謙次郎の妻・君子に久里千春
兵藤謙次郎の娘・鞠子に早乙女愛
兵藤謙次郎の初恋の人で北海道で軽食喫茶「ポケット」を経営する堀田信子に岩崎加根子
ドサ回りの歌手リリーこと松岡清子に浅丘ルリ子
奴隷商に吉田義夫
海賊に米倉斉加年
海賊に上條恒彦