「瞼の母との再会劇を笑いの渦に転換した喜劇映画の勢いと充実度」続男はつらいよ Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)
瞼の母との再会劇を笑いの渦に転換した喜劇映画の勢いと充実度
第1作の勢いそのままに、爆笑を誘う喜劇映画の佳作。寅さんの恩師坪内散歩(逍遥を捩ってる)役に東野英治郎、医師藤村に山崎努、そして小さい時に生き別れた母親お菊役がミヤコ蝶々と、キャスティングが素晴らしい。恩師の娘役でマドンナの佐藤オリエの清楚な佇まい、患者役で特別出演の財津一郎の滑稽さもいい。その中で、寅さんのイメージを更に強固にしたお菊を演じるミヤコ蝶々の嵌り具合と、その一寸擦れた感じの中年婦人の手慣れた演技に最も感心してしまった。寅さんが夢に見る優しい母親像を壊し、その落差にユーモアを出す難役ではないか。それを見事に熟している。作品一番の爆笑ポイントである、とらやに意気消沈帰った寅さんを皆が気づかい腫れ物に触るように接する場面の可笑しさ。当時のテレビコマーシャルを生かした笑いの破壊力が、もう上質のコント劇になっている。このような場面でのおいちゃん森川信の味がある演技も素晴らしい。
前作「男はつらいよ」の公開から3ヵ月未満で制作された早撮りとは思えない充実した喜劇作品。
渥美清さんは戦前ガキ大将で戦中も不良少年でした。有名になってからテレビを買った時、リヤカーで永六輔さんと一緒に家まで運んだら、おかあさまにまた盗んだと思われて、返しなさいと言われたそうです。
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はぁ〜、渥美さん、不良少年でしたかぁ。
あの演技のバイタリティは
そういった経験を通して出てくるんでしょうか。
以下のいただいたコメントに戻りまして
渥美さんの演技には、その人生経験から育まれた人間味と深みを感じます。
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そういうことなんですねぇ。
人間味と深み。
たしかに、そうだと思います。
寅さんマラソン、後半戦、
おかげさまでさらに楽しみになってきました。
^_^
↓いただいたコメント
渥美さんほど気配りの行き届いた俳優さんは、もう現れないと思います。演技や芸に対する厳しさにとても誠実なものを感じます。
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そうですか、たしかに渥美清さんは気配りや演技・芸に対する厳しさにとても誠実なのかもしれないと思います。
だからこそ、渥美さん登場分の映画シリーズが記録的な48作も続いたんでしょうね。
あの007シリーズですら約26作。
寅さんは主役1人で007にほぼダブルスコア!
単純な数字だけでも
素晴らしいと思います。^_^
前作「男はつらいよ」の公開から3ヵ月未満で制作された早撮りとは思えない充実した喜劇作品。
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そうなんですかぁ、3ヶ月未満の制作。
めちゃくちゃスピーディーに作ってたんですねぇ〜
その苦労の甲斐があって、最終的に50作まで。
じっくり時間をかけて製作するのもいいけど、短期間でささっと仕上げるのもプロの腕前なんですねぇ〜 ^_^