男はつらいよのレビュー・感想・評価
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寅さん初視聴
子供の頃からその存在は知りつつも敬遠していた寅さんシリーズ。なんだか古臭いし渥美清の顔も好きじゃないし。退屈でベタベタな人情喜劇なんだろうと食わず嫌いでおりましたが、ウエストランドの河本さんキッカケでちょっと試しに見てみようと気紛れを起こしてU-NEXTで視聴。
本当に思った通りベッタベタ。もう50年以上前の作品ですから当たり前と言えば当たり前なのですが、なんの新鮮味も感じられないストーリー。演技もなんだか大袈裟で芝居がかってるかと思えば台詞を噛んでるのにそのままの所もあったりと、現代の感覚では違和感をおぼえるシーンが散見されます。主人公である寅さんの破天荒で無茶苦茶な性格が災いしてのトラブルメイカーっぷりも度を越していて少々不快…。
だがしかし。それにも関わらずこれが実に面白い。バラエティ番組などで常々耳にした冒頭のあのフレーズ、お世辞にも画質が良いとは言えないザラついた色彩に一気にノスタルジックな仮想世界に引き込まれます。映画を見た事の無い人間でも日本人なら誰でも知ってるあの寅さんが颯爽と画面に現れると心の中では既に拍手喝采。よっ!待ってました!なんて気分にさせられてしまいます。
上で書いたように行く先々でトラブルを巻き起こす寅さんを軸にしたベッタベタなストーリーは第一作目から既にマンネリ化しているには違いないのですが、それがほんの瑣末事だと思い知らされます。
何より渥美清さんの名調子が耳に心地よい。大衆演劇のような芝居がかった仕草もこの寅さんというキャラクターをより際立たせているように感じられ、むしろこれでこそ寅さんなんだと思わされました。
脇を固める役者陣も味があり、妹さくらの美しさは「とらや」の雰囲気からは逸脱していてハッとさせられるほど。個人的にはおいちゃんのコミカルな表情が大好物。「馬鹿だねぇ〜」がちょっと癖になります笑。
かと思えば博の父親のスピーチシーンでは分かっているのに思わず目頭が熱くなってしまうような説得力漲る名演もあり、当時の役者さんの充実ぶりがギュッと詰め込まれた素晴らしさ。
古き良き昭和の日本という今となってはまるで異世界な寅さんワールドで繰り広げられる人情劇。観客はまるでその異世界に転生したかのごとくその一員となる他ありません。
それほどにこの寅さんワールドにはそこで生活する人々の息遣いが聞こえてくるようなリアリティがあります。山田洋次監督の手腕なのでしょうか、細部までしっかりと作り込まれたこの舞台がどうにも懐かしく愛おしいのです。願わくばずっとこの世界に浸っていたいと思わせる温かさが名もなきエキストラの方々にまで満ち満ちているようです。
コロナ禍を経て益々人と人との距離が遠ざかってしまった現代にこそこの物語とこの世界はより一層輝いて感じられるのではないでしょうか。
未見の方には是非オススメしたいと強く思います。
こんなの絶対に見るかよぉ〜
親父が好きでよく見てまして、
小さい頃からこんなの絶対に見るかよぉ〜と思ってたら、やっと見るお年頃になりました。 うふっ
親父が生きてる時に田舎からわざわざ出て来て柴又まで一緒に家族旅行をしまして、寅さん記念館にも行きちょっとした親孝行ができました。いま考えたら、行っといて本当によかったぁ〜 孝行したい時に親はなしとはよく言ったもんだ。 だから?星満天です。
この映画をちゃんと見るのははじめてで、
この作品からじつに長い旅をはじめることに
なったのかぁ〜と思いながら見ると
なにやら、ひとしおでした。
人生(映画)も旅のようなものですよね。
寅さんのような風来坊な旅もあれば、
渥美清さんのような国民的大人気スターの
華やかな(慌しい)旅もある。
記念すべき1歩目の旅は、
妹さくらがあいくるしくって、
どこかの父親・志村喬さんが存在感ありまくりで
(この映画が習字なら、重い文鎮のように)、
もちろん寅さんはひょうきんでひょうきんで、
しっかりと最初の足跡を残してましたとさ。
追伸、
できれば親父が生きてるうちに
笑いながら寅さんを一緒に見たかったです。
叶わなかったけどよぉ、
親父さんは天国で微笑んでらぁ
と、寅さんが言ってくれてマス ^_^
以後50作品近くも制作され長年国民に愛され続けた理由も頷けます。掛け値なしに面白いですね。
惜しまれつつ25年7月27日(日)閉館を迎える丸の内TOEIさんにて「昭和100年映画祭 あの感動をもう一度」(3月28日(金)~5月8日(木))と題した昭和を彩った名作42本が上映中。本日は国民的超人気作品『男はつらいよ』(1969)、そして松竹映画のドル箱作品を東映最後の直営劇場にて鑑賞する貴重な体験。
『男はつらいよ』(1969)
1968年にフジテレビで放送されたTV版は最終回に奄美大島で寅さんがハブに噛まれて絶命、放送後視聴者から抗議が殺到して改めて映画化された話は有名ですね。
実際にテキ屋稼業の経験もある渥美清氏の巧みな話術の啖呵売を作品に十二分に活かした「フーテンの寅」こと車寅次郎の人物造形は今でもとにかく魅力的。
公開当時の松竹映画はハナ肇氏主演の『馬鹿まるだし』(1964)や『なつかしい風来坊』(1966)など笑いと涙のバランスが絶妙な人情喜劇の傑作が多いのですが、本作はなかでも会心作です。
また、さくら演じる倍賞千恵子氏のしとやかさ、可憐さも良いのですが、第1作に限れば車竜造(おいちゃん)役の森川信氏と寅さんとの喜劇的な息の合った丁々発止のやり合いが実に滑稽、博の父として特別出演した志村喬氏も名優ここにあり!の重厚な演技を見せてくれます。
美人に滅法弱くて惚れやすく、全国を旅回りするテキ屋稼業は全国各地でロケができ映画のフォーマットとしても実に良くできており、以後50作品近くも制作され長年国民に愛され続けた理由も頷けます。掛け値なしに面白いですね。
寅さんの記念すべき第一作目。 元々テレビドラマやったん知らんかった...
え、寅さんて、こんな人だったんだ
車寅次郎はつらいよ
記念すべき第一作目の4KリマスターがBSで放送されたので、録画しておきました。我が家のTVモニターが4K対応ではないので、実感として 映像が改善されたかどうかが よくわかりませんでした。
今作は、不細工な寅次郎(渥美清)の 顔のアップが多くあり、美人な妹 さくら(倍賞千恵子)の表情も かなりピックアップされています。
おばちゃんも若いです。
出目金と あだ名を付けられた冬子と京都で再会してから、寅次郎の恋と同時進行で 諏訪博(前田吟)と さくらの恋のエピソードに突入するのでありました。
「結構毛だらけ 猫灰だらけ ケツの周りはクソだらけ」や「カエルのションベン」など下品な言葉が沢山出てきますが、映像は上品でございます。
「♪殺したいほど惚れたけど、指も触れずに別れた…」寅次郎の失恋、この後も 嫌ほど繰り返すことを思えば、涙が止まらなくなります。
いつの間にか消される♥
あそこの旅館はもう昭和の藻屑と化す。
見ていて悲しくなる。
1969年公開のこの映画。寅さんが20年ぶりに故郷に帰ってきたと言う事は、家出してのが1949年。終戦後4年。なんか違和感を覚える。タンカバイだけで、戦後の混乱期を乗り越えられたのだろうか?摩訶不思議。それになぜ今更戻る?!
第1作目から寅さんの言動はやっぱりめちゃめちゃだった。 見ている方が恥ずかしいくらいだと思った。 特にさくら(倍賞千恵子)のお見合いのシーンで。
動画配信で映画「男はつらいよ」を見た。
1969年製作/91分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:1969年8月27日
渥美清
倍賞千恵子
光本幸子
笠智衆
志村喬
森川信
三崎千恵子
前田吟
秋野太作
佐藤蛾次郎
「男はつらいよ」は第1作目以外は全部見ていたが、
やっと第1作目を見る機会に恵まれた。
冒頭、寅さんがネクタイをしているのをはじめて見た。
渡し船の運賃は大人が30円、子供が20円。
時代を感じる。
55年前(昭和44年)に撮られた映画だから。
第1作目から寅さんの言動はやっぱりめちゃめちゃだった。
見ている方が恥ずかしいくらいだと思った。
特にさくら(倍賞千恵子)のお見合いのシーンで。
1970年ごろ、日本は「高度成長期」といわれる時代で
優しい人たちに囲まれて
こんな破天荒な男でもなんとか生きて行ける時代だった。
さくらの結婚式のシーンで
諏訪博(前田吟)の父・諏訪飈一郎(志村喬)
のスピーチのシーンは泣けた。
日本の女性(倍賞千恵子、光本幸子)の美しさにほれぼれした。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
志村喬が見れる
【寅さんシリーズ第一作にして、その後の全48本(リマスター入れると50本)製作された国民的人情喜劇の土台が既にある作品。「男はつらいよ」のメインテーマを聞いた事がない人っているんだろうか。】
■父親との喧嘩を機に家を飛び出した車寅次郎が、20年ぶりに故郷・柴又に戻ってくる。叔父夫婦や妹のさくらは彼を温かく迎えるが、さくらの縁談を壊したことで亀裂が生じ、再び家を出てしまう。
その旅先で、寅次郎は美しく成長した御前様の娘で幼馴染みの冬子と出会う、寅さん。
◆感想
・久しぶりに鑑賞したが、驚くのは今作で既にその後のシリーズの根幹、【寅さん柴又に帰って来る】⇒【温かく皆に迎えられる。】⇒【寅さん、問題を起こして寅屋を喧嘩して飛び出す】⇒【仲直り】⇒【寅さん、旅立つ】が出来上がっており、且つ初代マドンナである光本幸子さん演じる冬子さんに恋するも、冬子さんには、婚約者がいて・・、という寅さん失恋パターンも今作で出来上がっている事に驚く。
・寅さんのキレの良い啖呵、流れるような口上、寅屋のおじちゃん、おばちゃん、タコ社長との喧嘩、皆今作に含まれている。
■個人的にいつも、パブロフの犬のように涙するのは、さくらとひろしの結婚式で疎遠になっていたひろしの父を演じた志村喬の俯いた姿で述べる父の挨拶のシーンである。
”私は、一体何をしてきたのか・・。”
<ヤッパリ、寅さんシリーズは滅法面白いなあ。又、少しづつ見返していこうっと。>
国民的作品ですから
芝居にかける熱情が凄い
BSで毎週男はつらいよを過去から順を追って放送してもらっており、それを見直していますが、毎回いつも良い作品だな、と思っています。その記念すべき第一作のこの作品は、どの作品以上にストーリーが作りこまれている気がするし、出てくる役者さん皆さんの熱情が凄い。特に中盤のとらやでのおいちゃんとの喧嘩シーンなどは秀逸。
寅さんのやくざぶりはどの作品よりも飛びぬけており、今こんな人がいたらやっかいなおじさんで片づけられてしまうだろうな、と思うけれど、シリーズを見続けてから原点回帰すると、これが寅さんの原点なんだなあ、と思います。
アマゾンプライムで見れる貴重な回ですが、他の回も見られるようになるとうれしいです。
令和ではモンスター
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