男はつらいよのレビュー・感想・評価
全52件中、1~20件目を表示
第1作にしてシリーズ最高傑作かもしれない
1969年公開作品
2度目の鑑賞
前回TSUTAYAレンタル
今回はU-NEXT
便利な世の中になったもんだよ
監督と脚本は『東京家族』『小さいおうち』『母と暮せば』『キネマの神様』『こんにちは、母さん』の山田洋次
脚本は他に『やればやれるぜ 全員集合!!』『大事件だよ 全員集合!!』『黒木太郎の愛と冒険』『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』『ニワトリはハダシだ』の森崎東
粗筋
父の浮気相手の芸者の間に生まれた寅次郎
父と喧嘩して14で家を出た寅は放浪の末にテキヤになった
20年ぶりに帰ってきた柴又で幼い頃に別れたきりの妹さくらと再会
寅の両親と兄はすでに亡くなりさくらは老舗の団子屋「とらや」を継いだ叔父叔母夫婦に育てられていた
そんなある日にさくらの見合い話が持ち上がる
相手はさくらの勤め先の下請けの社長の息子
ついていくはずの叔父が体調を崩し行けなくなり代わりに寅が同席したが高級ホテルに飲まれたのがテキヤの調子ではじけてしまい見合いをぶち壊してしまう
相手側に断られ見合いは破談となり元から乗り気じゃなかったさくらはまだ良いがそれを聞いた叔父叔母夫婦は大激怒
寅は叔父にコテンパンに殴られる
反省したのか翌朝置き手紙を置いて再び家を出てテキヤの旅の寅次郎
京都で御前様とそのお嬢さん坪内冬子とバッタリ再開した寅
御前様とは20年ぶりに柴又に帰った際に会ってはいるが冬子とは14の時に別れて以来の「デメキン」と呼び揶揄った幼馴染
柴又に帰ってきた坪内親子と一緒に着いてきた寅は流れでまた実家に戻ってきた
なんやかんやでさくらは隣の印刷工場で働く諏訪博とめでたく結婚する運びに
堅物の集まりのヤフコメ民が初見で観たらびっくりするだろう初期の寅次郎のヤクザぶり
コタツ記事を書くしか能がない馬鹿ライターなら「今の時代だったら炎上」と書くであろう醜態の数々
吉岡秀隆が出演し始めた頃にはだいぶ丸くはなってはいたが当時は違った
とはいえ馬鹿だけど根は優しい人情家
これが多くの国民にウケた
寅さん映画50本以上制作される超ロングヒット
元々TVの連ドラで最終回にハブに噛まれて亡くなる寅次郎
視聴者からの猛抗議で映画で続編
亡くなったことは無かったことに
特別出演の志村喬がとにかく良い
披露宴での挨拶は寅さんシリーズでもトップクラスの名場面
たっぷり持たせる「間」
そして訥々と喋り出す訳だがそれが涙を誘う
ハリウッドスターのスティーブン・セガールも絶賛する昭和を代表する名優の貫禄ぶり
69年だけに当然みんな若い
倍賞千恵子は可愛かったし前田吟なんて好青年だし
当時津坂匡章と名乗った秋野太作や博の同僚役のの石井愃一も当然若い
今回のマドンナは光本幸子
新旧の役者を浅く広く知っていることに関しては日本人の平均を超えていると自負があるが歴代のマドンナで彼女だけは知らなかった
それもそのはず本来彼女は舞台女優
当時新派のトップ女優
舞台専門となると自分は無知に近い
あと見合い相手に広川太一郎さん出てるのにセリフが全くないって悲しいな
勿体無い
「スープをズズって啜っちゃってアアタ図々しい人ねなんて言っちゃったりなんかしちゃったりして」とか言わせてほしかった
配役
20年ぶりに柴又に帰省したテキヤの車寅次郎に渥美清
寅次郎の腹違いの妹でオリエンタル電機で働いている車さくらに倍賞千恵子
老舗の団子屋「とらや」の6代目主人で寅次郎の叔父の車竜造に森川信
竜造の妻の車つねに三崎千恵子
タコ社長こと共栄印刷の社長の桂梅太郎に太宰久雄
共栄印刷で働く印刷工でのちにさくらと結婚する諏訪博に前田吟
題経寺の住職の「御前様」に笠智衆
御前様の娘で寅次郎の幼馴染の坪内冬子に光本幸子
題経寺の寺男の源吉に佐藤蛾次郎
博の父で北海大学農学部名誉教授の諏訪飈一郎に志村喬
博の母で颷一郎の妻の諏訪郁に津路清子
寅次郎の舎弟でテキヤをしていたが流れでとらやの従業員として働くことになった川又登に津坂匡章(現:秋野太作)
司会者に関敬六
オリエンタル電機の部長に近江俊輔
さくらの見合い相手の鎌倉道男に広川太一郎
オリエンタル電機の下請け会社の社長で道男の父に石島房太郎
道男の母に志賀真津子
川甚の仲居に村上記代
印刷工に石井愃一
印刷工に市山達巳
香具師1に北竜介
香具師2に川島照満
印刷工に水野皓作
参道の旦那に高木信夫
参道の旦那に大久保敏男
桂梅太郎の妻に水木涼子
とらやの店員に米本善子
結婚式の客に谷よしの
ご近所さんに後藤泰子
ご近所さんに秩父晴子
ご近所さんに大塚君代
ご近所さんに佐藤和子
大学教授に山内静夫
オリエンタル電機の社員に篠原靖夫
さくらと博の息子の満男に石川雅一
笑いと涙と人情の心が温まる不朽の名作シリーズ第一話
不朽の名作シリーズ第一話です。おそらく見たのは3度目ではないかと思います。何度見ても笑って、涙して心が温まります。日本人に響く人情と風景が随所に現れて忘れていた心を取り戻すことができます。渥美清の切れのいい口上と豊かな演技、倍賞千恵子の初々しさとかわいらしさが光っています。ここまでの下町の日常があったかはわかりませんが庶民の姿が生き生きとしていて今よりも貧しかったかもしれませんが幸せそうに見えてこの作品に出てくる人たちのように生きることができるといいなと思います。
この一作目でシリーズのベースが出来上がっています。どの作品もストーリー展開はほぼ同じで先が見えてどうなるかわかっているのですが見飽きないです。たしかシリーズ映画本数ではギネスを取ったことがあったと思います。それだけ日本では根強い人気で数十年にわたって上映されてきました。日本人にとって普遍的に心を揺さぶるものを持っていて、そして、見ることでほっと安心を得ているっているのだと思います。
寅さん初視聴
子供の頃からその存在は知りつつも敬遠していた寅さんシリーズ。なんだか古臭いし渥美清の顔も好きじゃないし。退屈でベタベタな人情喜劇なんだろうと食わず嫌いでおりましたが、ウエストランドの河本さんキッカケでちょっと試しに見てみようと気紛れを起こしてU-NEXTで視聴。
本当に思った通りベッタベタ。もう50年以上前の作品ですから当たり前と言えば当たり前なのですが、なんの新鮮味も感じられないストーリー。演技もなんだか大袈裟で芝居がかってるかと思えば台詞を噛んでるのにそのままの所もあったりと、現代の感覚では違和感をおぼえるシーンが散見されます。主人公である寅さんの破天荒で無茶苦茶な性格が災いしてのトラブルメイカーっぷりも度を越していて少々不快…。
だがしかし。それにも関わらずこれが実に面白い。バラエティ番組などで常々耳にした冒頭のあのフレーズ、お世辞にも画質が良いとは言えないザラついた色彩に一気にノスタルジックな仮想世界に引き込まれます。映画を見た事の無い人間でも日本人なら誰でも知ってるあの寅さんが颯爽と画面に現れると心の中では既に拍手喝采。よっ!待ってました!なんて気分にさせられてしまいます。
上で書いたように行く先々でトラブルを巻き起こす寅さんを軸にしたベッタベタなストーリーは第一作目から既にマンネリ化しているには違いないのですが、それがほんの瑣末事だと思い知らされます。
何より渥美清さんの名調子が耳に心地よい。大衆演劇のような芝居がかった仕草もこの寅さんというキャラクターをより際立たせているように感じられ、むしろこれでこそ寅さんなんだと思わされました。
脇を固める役者陣も味があり、妹さくらの美しさは「とらや」の雰囲気からは逸脱していてハッとさせられるほど。個人的にはおいちゃんのコミカルな表情が大好物。「馬鹿だねぇ〜」がちょっと癖になります笑。
かと思えば博の父親のスピーチシーンでは分かっているのに思わず目頭が熱くなってしまうような説得力漲る名演もあり、当時の役者さんの充実ぶりがギュッと詰め込まれた素晴らしさ。
古き良き昭和の日本という今となってはまるで異世界な寅さんワールドで繰り広げられる人情劇。観客はまるでその異世界に転生したかのごとくその一員となる他ありません。
それほどにこの寅さんワールドにはそこで生活する人々の息遣いが聞こえてくるようなリアリティがあります。山田洋次監督の手腕なのでしょうか、細部までしっかりと作り込まれたこの舞台がどうにも懐かしく愛おしいのです。願わくばずっとこの世界に浸っていたいと思わせる温かさが名もなきエキストラの方々にまで満ち満ちているようです。
コロナ禍を経て益々人と人との距離が遠ざかってしまった現代にこそこの物語とこの世界はより一層輝いて感じられるのではないでしょうか。
未見の方には是非オススメしたいと強く思います。
こんなの絶対に見るかよぉ〜
親父が好きでよく見てまして、
小さい頃からこんなの絶対に見るかよぉ〜と思ってたら、やっと見るお年頃になりました。 うふっ
親父が生きてる時に田舎からわざわざ出て来て柴又まで一緒に家族旅行をしまして、寅さん記念館にも行きちょっとした親孝行ができました。いま考えたら、行っといて本当によかったぁ〜 孝行したい時に親はなしとはよく言ったもんだ。 だから?星満天です。
この映画をちゃんと見るのははじめてで、
この作品からじつに長い旅をはじめることに
なったのかぁ〜と思いながら見ると
なにやら、ひとしおでした。
人生(映画)も旅のようなものですよね。
寅さんのような風来坊な旅もあれば、
渥美清さんのような国民的大人気スターの
華やかな(慌しい)旅もある。
記念すべき1歩目の旅は、
妹さくらがあいくるしくって、
どこかの父親・志村喬さんが存在感ありまくりで
(この映画が習字なら、重い文鎮のように)、
もちろん寅さんはひょうきんでひょうきんで、
しっかりと最初の足跡を残してましたとさ。
追伸、
できれば親父が生きてるうちに
笑いながら寅さんを一緒に見たかったです。
叶わなかったけどよぉ、
親父さんは天国で微笑んでらぁ
と、寅さんが言ってくれてマス ^_^
以後50作品近くも制作され長年国民に愛され続けた理由も頷けます。掛け値なしに面白いですね。
惜しまれつつ25年7月27日(日)閉館を迎える丸の内TOEIさんにて「昭和100年映画祭 あの感動をもう一度」(3月28日(金)~5月8日(木))と題した昭和を彩った名作42本が上映中。本日は国民的超人気作品『男はつらいよ』(1969)、そして松竹映画のドル箱作品を東映最後の直営劇場にて鑑賞する貴重な体験。
『男はつらいよ』(1969)
1968年にフジテレビで放送されたTV版は最終回に奄美大島で寅さんがハブに噛まれて絶命、放送後視聴者から抗議が殺到して改めて映画化された話は有名ですね。
実際にテキ屋稼業の経験もある渥美清氏の巧みな話術の啖呵売を作品に十二分に活かした「フーテンの寅」こと車寅次郎の人物造形は今でもとにかく魅力的。
公開当時の松竹映画はハナ肇氏主演の『馬鹿まるだし』(1964)や『なつかしい風来坊』(1966)など笑いと涙のバランスが絶妙な人情喜劇の傑作が多いのですが、本作はなかでも会心作です。
また、さくら演じる倍賞千恵子氏のしとやかさ、可憐さも良いのですが、第1作に限れば車竜造(おいちゃん)役の森川信氏と寅さんとの喜劇的な息の合った丁々発止のやり合いが実に滑稽、博の父として特別出演した志村喬氏も名優ここにあり!の重厚な演技を見せてくれます。
美人に滅法弱くて惚れやすく、全国を旅回りするテキ屋稼業は全国各地でロケができ映画のフォーマットとしても実に良くできており、以後50作品近くも制作され長年国民に愛され続けた理由も頷けます。掛け値なしに面白いですね。
寅さんの記念すべき第一作目。 元々テレビドラマやったん知らんかった...
え、寅さんて、こんな人だったんだ
車寅次郎はつらいよ
記念すべき第一作目の4KリマスターがBSで放送されたので、録画しておきました。我が家のTVモニターが4K対応ではないので、実感として 映像が改善されたかどうかが よくわかりませんでした。
今作は、不細工な寅次郎(渥美清)の 顔のアップが多くあり、美人な妹 さくら(倍賞千恵子)の表情も かなりピックアップされています。
おばちゃんも若いです。
出目金と あだ名を付けられた冬子と京都で再会してから、寅次郎の恋と同時進行で 諏訪博(前田吟)と さくらの恋のエピソードに突入するのでありました。
「結構毛だらけ 猫灰だらけ ケツの周りはクソだらけ」や「カエルのションベン」など下品な言葉が沢山出てきますが、映像は上品でございます。
「♪殺したいほど惚れたけど、指も触れずに別れた…」寅次郎の失恋、この後も 嫌ほど繰り返すことを思えば、涙が止まらなくなります。
いつの間にか消される♥
あそこの旅館はもう昭和の藻屑と化す。
見ていて悲しくなる。
1969年公開のこの映画。寅さんが20年ぶりに故郷に帰ってきたと言う事は、家出してのが1949年。終戦後4年。なんか違和感を覚える。タンカバイだけで、戦後の混乱期を乗り越えられたのだろうか?摩訶不思議。それになぜ今更戻る?!
第1作目から寅さんの言動はやっぱりめちゃめちゃだった。 見ている方が恥ずかしいくらいだと思った。 特にさくら(倍賞千恵子)のお見合いのシーンで。
動画配信で映画「男はつらいよ」を見た。
1969年製作/91分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:1969年8月27日
渥美清
倍賞千恵子
光本幸子
笠智衆
志村喬
森川信
三崎千恵子
前田吟
秋野太作
佐藤蛾次郎
「男はつらいよ」は第1作目以外は全部見ていたが、
やっと第1作目を見る機会に恵まれた。
冒頭、寅さんがネクタイをしているのをはじめて見た。
渡し船の運賃は大人が30円、子供が20円。
時代を感じる。
55年前(昭和44年)に撮られた映画だから。
第1作目から寅さんの言動はやっぱりめちゃめちゃだった。
見ている方が恥ずかしいくらいだと思った。
特にさくら(倍賞千恵子)のお見合いのシーンで。
1970年ごろ、日本は「高度成長期」といわれる時代で
優しい人たちに囲まれて
こんな破天荒な男でもなんとか生きて行ける時代だった。
さくらの結婚式のシーンで
諏訪博(前田吟)の父・諏訪飈一郎(志村喬)
のスピーチのシーンは泣けた。
日本の女性(倍賞千恵子、光本幸子)の美しさにほれぼれした。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
志村喬が見れる
【寅さんシリーズ第一作にして、その後の全48本(リマスター入れると50本)製作された国民的人情喜劇の土台が既にある作品。「男はつらいよ」のメインテーマを聞いた事がない人っているんだろうか。】
■父親との喧嘩を機に家を飛び出した車寅次郎が、20年ぶりに故郷・柴又に戻ってくる。叔父夫婦や妹のさくらは彼を温かく迎えるが、さくらの縁談を壊したことで亀裂が生じ、再び家を出てしまう。
その旅先で、寅次郎は美しく成長した御前様の娘で幼馴染みの冬子と出会う、寅さん。
◆感想
・久しぶりに鑑賞したが、驚くのは今作で既にその後のシリーズの根幹、【寅さん柴又に帰って来る】⇒【温かく皆に迎えられる。】⇒【寅さん、問題を起こして寅屋を喧嘩して飛び出す】⇒【仲直り】⇒【寅さん、旅立つ】が出来上がっており、且つ初代マドンナである光本幸子さん演じる冬子さんに恋するも、冬子さんには、婚約者がいて・・、という寅さん失恋パターンも今作で出来上がっている事に驚く。
・寅さんのキレの良い啖呵、流れるような口上、寅屋のおじちゃん、おばちゃん、タコ社長との喧嘩、皆今作に含まれている。
■個人的にいつも、パブロフの犬のように涙するのは、さくらとひろしの結婚式で疎遠になっていたひろしの父を演じた志村喬の俯いた姿で述べる父の挨拶のシーンである。
”私は、一体何をしてきたのか・・。”
<ヤッパリ、寅さんシリーズは滅法面白いなあ。又、少しづつ見返していこうっと。>
国民的作品ですから
芝居にかける熱情が凄い
BSで毎週男はつらいよを過去から順を追って放送してもらっており、それを見直していますが、毎回いつも良い作品だな、と思っています。その記念すべき第一作のこの作品は、どの作品以上にストーリーが作りこまれている気がするし、出てくる役者さん皆さんの熱情が凄い。特に中盤のとらやでのおいちゃんとの喧嘩シーンなどは秀逸。
寅さんのやくざぶりはどの作品よりも飛びぬけており、今こんな人がいたらやっかいなおじさんで片づけられてしまうだろうな、と思うけれど、シリーズを見続けてから原点回帰すると、これが寅さんの原点なんだなあ、と思います。
アマゾンプライムで見れる貴重な回ですが、他の回も見られるようになるとうれしいです。
全52件中、1~20件目を表示












