「郷に入っては郷に従え。」お茶漬の味 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
郷に入っては郷に従え。
脱亜入欧になった敗戦後の日本。
でも、茶碗は手で持って食べるし、茶碗に口を付けて食べる。麺は思い切りすする。
そして、現代。
すっかり、欧米化した絶滅危惧種大和民族でも、茶碗に口を付けて食べたり、器を手で持って食べるのはマナー違反と理解していない者が多い。「麺を啜って食べられない」事ぐらいは知っているだろうが。
ちなみに、ラオスではご飯は手で食べるのが、マナーの様だ。ある家族に招待をされて食べたのだが、「郷に入っては郷に従え」なんだけど、流石に抵抗感があってスプーンとホークで食べた。
実に美味しい料理だった。ビールを2リットル飲んで、ご飯、魚、漬け物をたらふくいただいた。
招待と言っても、トゥクトゥクと言う乗り物に乗って少し多めに料金を支払ったら、その運転手さんの弟の家に招待された。一期一会の出会い。
水祭りの最中で、仏教国のラオスは老人を大切に扱うと報われるって事のようだ。
その後、映画館で映画開始を待っていると、
4歳くらいの少女がよってきて、顔を小さな手でいきなり撫でて来た。なんだ!と驚くと、彼女は近くにあった仏像に自分の手をあてていた。一期一会の日本ではあり得ない経験だった。
この映画の主人公の様な男は、最近の男性には増えたかも知れないが、当時の標準的家庭の姿とはとても思えない。
まぁ、労使の労働者側の監督なりたての若者には
「こんな、ちまちました現代劇は作りたくない。もっとダイナミックな笑いを撮りたい。」って思った事だろう。つまり、ブルジョアの生活を描いて、見る者に何を訴えたい?って事だろう。
しかし、計算されたセリフの中に色々な世相を盛り込んでいる事が、経験していなくとも理解出来る。スッキリした傑作である。
やはり、この演出家こそが、世界に誇れるクールジャパンの演出家と思うね。
追記
こちらから、少女にお返しをしては駄目なので、なすがままに驚こう。
かわいいと思って、頭をなでただけで犯罪になる事もあるので、「郷に入っては郷に従え」ですぞ