「前衛にして古典」エロス+虐殺 prisonerさんの映画レビュー(感想・評価)
前衛にして古典
製作はもう半世紀以上前の1970年だが、当時の烈々たる映画芸術を本気で追及する気迫と、端正な美的完成とが同居した傑作。
白くハレーションを起こしたような映像美の中で、(当時の)現代と大正時代とが同じ画面に同居する大胆な構成。
日蔭茶屋事件という実際にあった事件を一応そのまま描くのと、こうもありえたのではないか、いやこうあるべきだったのではないかという具合に少しづつ違う三パターンを繰り返して描くなど、自由奔放な想像力とそれに対する批評精神とが絶えず同居する。
大正時代のアナーキストというモチーフ自体、貴重でもあり興味深い。
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