「堂々たる反戦映画」江分利満氏の優雅な生活 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
堂々たる反戦映画
岡本喜八監督・生誕百年記念上映
サントリーの社員から作家に転じた山口瞳氏の直木賞受賞作を岡本喜八(1924~2005)さんが映画化した作品です。丁度今日が監督の誕生日に当たります。
いざなぎ景気が始まらんとする時代の気楽なサラリーマン暮らしを描写した映画かと思っていたらとんでもありませんでした。後半、学徒出陣映像が挿入されてから「戦没農民兵士の手紙」朗読の長回しまで、この時代人々の心にまだ生々しく残っていた戦争の傷痕を記録に留めんとする熱意に溢れていました。そして、どうしてあの戦争を止められなかったのかと問うて来るのです。原作から完全に逸脱しています。脚本の井手俊郎さんも監督の岡本喜八さんも凄いな!
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