「苅田とよみ嬢の短パンはムフフだ」宇宙人東京に現わる あわぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
苅田とよみ嬢の短パンはムフフだ
バイラ じゃないよ パイラ パピプペポのパね
この映画が「特撮作品初のカラー作品」という事なんだけれど、それは最近知った。この映画自体は、学生時代に3本立てなので映画館で2回見た。今回は配信で鑑賞した。
1956(昭和31)年である。この時代の大映は金があったのかなかったのか、この映画にカラーフィルムを提供するくらい、このシャシンに入れ込んでいたのはよく分かる。
だけれども井の頭線。大衆酒場で飲む「博士」。その自宅は電話が無く呼び出し。かたやおじさんの(これも博士)家はブルジョアのお家。ヒロインが恋している研究員も、休日にテニスをたしなむハイソなナイスガイ。
直ぐに見て判るのだけれど、青空ひかり、天野銀子(パイラ人第一号)役の苅田とよみ嬢を売り込むがためのこの役目であろう。このお嬢様はプロ野球の苅田選手の娘さんだ。この映画以降数本は主演されていたがそれ以降は記録が見えない。
目力のある女優さんだから、もうちょっと頑張れば、と思うのだけれどね。
この映画はキューブリックも観ていたらしい。その後の彼の映画に影響を及ぼしたとあるが、、、どこの個所かしらね?又見てチェックするわ。
ともかく、パイラ人のビジュアル(岡本太郎先生色彩監修!)にばかり気にかけていると、この映画の本質を見逃しますよ。ヒトデ星人は映画後半にはほとんど出てきませんからね。
「地球が静止する日」「地球最後の日」「宇宙戦争」などとのリンクも想定される映画であることを頭に入れて見てほしいですね。
特撮というか、「災害」の描き方が今の目では今イチです。もう少し工夫できなかったのかなぁ?
そう思えば数年前の「ゴジラ」の特撮が演出的に上手くできすぎているのかもしれません。この映画では特撮が頻繁に使われているのですが、どうにも人間ドキュメントの部分にフォーカスが当たっているので、災害の表現は”ひかえめ”ですね。
三博士がヒーローの様に扱われますけれども、何か焦点がずれている感じは否めません。「原水爆」という言い方。なぜに「爆弾」という言い方をしなかったのか?日本は5年前に独立したのだからその辺りの表現もいいのではないかと思うが、「東映」ではなく「大映」であることがそういう事になったのかとも思う。
前半は怪奇を、後半はヒューマニズムをテーマに置いいるが、現在の目ではちょっと甘い感じがするが、この映画の前後の影響は非常に大きい。
中身よりも、その後の影響が少なからずある映画と言うことだ。そんな目で見てもらえれば「名作」であろうね。
パイラ人5名が最後に現れる。天野銀子以外の四名は服装も背丈も同じな男性たちだ。この姿は短いけれど「1956のクラフトワーク」と読んでおいた方がいいだろうな。
【亜輪蔵】さん [インターネット(邦画)] 5点(2025-12-10 22:24:39)★《新規》★
変更
11.戦後10年程度に作られたSF映画と言うことで、大幅に割り引いて視聴。冒頭は家族ドラマかと思うようなスタート。一応、疑問に思うなぜ日本に来たのか、なぜ進んだ科学を持った宇宙人自身ではなく地球人の技術が必要なのかは説明があります。宇宙人が攻めてくるような映画タイトルは間違ってないけど興行的に心配だったのかな。
