うしろの正面だあれのレビュー・感想・評価
全1件を表示
ありのままの物語が貴重
クリックして本文を読む
さいたまピースミュージアムにて。VHSもDVDも出ていなく、フィルム上映とのこと。
戦争中を描いたものというと、やたら残酷だったり、悲惨だったり、という作品が多いですが、本作は原作者の実体験をそのまま映像化しています。だから、描写がたんたんとしていて、アニメ映画としては面白みに欠けるとは言えます。
同じく戦時中の子供を描いた「火垂るの墓」はたしかに名作と思います。が、見ているうちに、作り話だなあという感じがしてくる。本作の主人公カヨコも一人で叔母の家に疎開するけど、「火垂るの墓」と違って、特に冷たくされるわけではない。この方がリアル。
兄と自分以外の家族が全員死んでしまうのは悲劇なんですが、それは主人公だけの話ではなく、東京大空襲時に同じ目に遭ったひとが何万人もいるってことなんですね。
前半で戦前の東京下町の風俗とくに子供たちのようすが描写される。この辺ちょっと冗長かな。末っ子で泣き虫なカヨコ。それが弟ができ、激化する戦争の中、だんだんと成長していく。そしてラスト。家も家族も失って、しかし悲しみの中から立ち上がる姿が感動です。
1991年の作品で、へたなCGなんかじゃない画面も良かった。
コメントする (0件)
共感した! (1件)
全1件を表示