上を向いて歩こうのレビュー・感想・評価
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驚くのは坂本九のエンターテナーぶり、ただの歌手ではなく、コメディアンとしての才能に溢れていることの再発見です 九ちゃんの映画をもっと追いかけてみたくなりました
上を向いて歩こう
1962年3月4日公開、日活映画
カラー作品
誰もが知るというか小学校の教科書に載っているので日本国民全員歌える歌を映画化した作品です
元々の歌は前年の1961年10月15日の発売
それが、空前の大ヒットとなり映画化という流れです
併映は石原裕次郎主演の「銀座の恋の物語」
これも前年1961年の大ヒット曲の映画化作品でした
本作ではドラムセットが大きなモチーフになります
ドラムセットと言えば♪オイラはドラマーヤクザなドラマ~と石原裕次郎が歌う「嵐を呼ぶ男」は本作の5年前1957年の日活映画でした
本作の主題歌がヒットした1961年はジャズドラマーの巨匠アート・ブレイキーが初来日して全国各地で公演を行っています
つまりちょっとしたドラムブームだったようです
この辺のセンスはやはり製作の水の江瀧子だと思います
時代の最先端を行ってます
本作の主題歌のレコード発売から映画公開まで半年ですから、企画脚本は年内、撮影は年明けからとしても大変なスピードです
坂本九は大ヒット中の歌手、吉永小百合はまだ大スターになる前ですが二人のスケジュールを押さえるだけでも大変です
米国でもレコードが発売されビルボードのヒットチャートの1位に駆け上がるのは翌1963年のことになります
あるローカル局で何故か局地的ヒットになりそれが全米に広がったそうです
ヨーロッパではそれよりも早く1962年(本作公開年)にイギリスやフランスなどでもヒットしています
アメリカの黒人歌手サム・クックという人が当時大変脚光を浴びてヒット曲を連発していました
少し曲調や歌唱が彼と似ていたことがなにかしら影響したのではと個人的には思っています
日本映画の本作が何か影響を与ええたか?というとまあ何もないでしょう
坂本九は20歳です
ロカビリー歌手の駆け出しでした
驚くのは坂本九のエンターテナーぶり、ただの歌手ではなく、コメディアンとしての才能に溢れていることの再発見です
あのエノケンこと榎本健一から後継者と見込まれただけあります
九ちゃんの映画をもっと追いかけてみたくなりました
1985年の日航機事故で43歳でお亡くかりになられた事はあまりにも有名です、もし事故に遭わなければ、どれほど御活躍をなされたことかと改めて悔やまれます
序盤に
「あの娘の名前はなんてんかな」が劇中で歌われます
主題歌はラストにかかります
吉永小百合は17歳、まだ高校生です
この次の出演作が「キューポラのある街」になります
本作で大きな印象を残したのだと
思います
高橋英樹も17歳
見た目はもう20歳代に見える程大人びています
ブレイクするのはこの作品がきっかけだったかも知れません
お話は歌の歌詞から想像されるものとはかなりかけ離れています
恐らく戦争孤児で施設育ちの九と良二が高度成長の世の中の活況から落ちこぼれて転落していくのをなんとか踏みとどまろうとして悪戦苦闘していくというものです
しかしながらら、ラストにようやく口笛のイントロから主題歌がかかり高度成長に向け若者たちがそれぞれ各所で懸命働く姿がモンタージュされ、まるでミュージックビデオのように出演者達が集団で歌いながら行進していきます
その背後には東京オリンピックに向けて拡張工事中の前の国立競技場の立派な姿があります
いまはどんなに辛くとも明日の成功を信じて歩いて行こうという歌詞に沿ったものとして完結します
観て楽しく退屈しません
九ちゃんの歌声のリバイバル
どんなもんだろうとレンタルDVDを借りてみた。
事前の耳情報では夜間中学の話だと聞いていたのだが、蓋を開けてみると少年鑑別所を脱走した若者と、保護司たちのお話だったのですね。
唯一無二のシンガーだった坂本九が笑顔で奮闘します。
まだ戦後の混乱をどこか引きずり、復興期の最中だとわかる街並みで、九ちゃんがみんなを励まして再起させていくストーリー。
ベタな筋書きながら、意外にもしっかりした映画でびっくり。邦画の良さを教えてもらえる。
先頃、舞台演出家の宮本亜門が友人らに声をかけて「上を向いて歩こう」のリミックスを発表していたっけ。コロナも2年目ですしね。
復興ではなく、不安とジリ貧のきょうび、世界情勢も人の心も荒れてしまって、この名曲はもう一回の出番を求められているみたい。
ちょっともの悲しくて、自分を励まさなきゃならない日の応援歌として。
カーセンサーで検索したらあの魚河岸のトラック「トヨエース」がレトロな顔をして売りに出されていました。
映画内容は、複雑だが最後が良かった
・元々、歌が先に出来て、その後、この映画が出来た。
・因みに、この「上を向いて歩こう」は、日本人が歌ってる歌では
一番売れた曲らしい。世界中で何と、約1300万枚。
国内最多は、「およげタイヤキくん」の約500万枚。
1963年以来、約60年間、日本人の歌のトップ曲、らしい
・さて、映画の件ですが、最初からあれこれと事案を入れ過ぎて
ややこしいが、終盤の、
①良二と九のケンカ → 痛み分けで仲直り
②健と兄のケンカ → 紀子の発言で終了
から正常回転に動き出す
・そして、最後の3分、「上を向いて歩こう」の大合唱と行進
公園・漁場・鉄道・鉄工所・ラグビー・スキー・野球等の映像
色んな人が生活し、働き、スポーツしている映像で終了。
・この最後の3分が、この映画のメインフレームであり、
それ以外は、サブストーリー
・あまり楽しい映画でもなかったし、感動場面は少なかったが、
終わり良ければ、全て良し。
高橋英樹イケメン説
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