劇場公開日 1957年6月25日

異母兄弟のレビュー・感想・評価

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4.0非国民とさげすまれ・・・

2019年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 陸軍大尉鬼頭範太郎の三國が若い。「妾の子」と前妻の2人の兄に蔑まれるが、言葉の意味もわからない四男。時が流れ、軍人にならないと言う三男。厳粛なだけの家庭で閉塞感を感じ、逆らえないが反発心だけは体に染み付いていった。

 大戦が始まってから、武勲を立てた次男。誇りに満ちた範太郎と、三人で家を抜け出そうと提案する息子たち。幸せな生活を求めたいだけなのに、世の中全体が戦争へと駆り立てる風潮であっては難しいなぁ。

 四男が女中ハルと抱き合っていたのを咎められ、家を出てしまい、非国民と言われながらも真剣に生きていく様が良かった。前妻の子だけを想うあまり、後妻の子は自分の子ではないような振る舞いをする範太郎。利江だけは、家を出ていこうと主張する息子には同調せず、範太郎に「同じあなたの子どもよ」と子どもを認めさせようと訴える。たくましい昭和の愛をも感じさせる田中絹代が素晴らしかった。

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kossy