「成瀬巳喜男恐るべし」稲妻(1952) 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
成瀬巳喜男恐るべし
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はとバスのバスガイドが高峰秀子。
映画のほぼ70パーセントが登場人物達の“愚痴のこぼしあい”
それだけで映画になってしまうのだから凄い!
高峰秀子の素晴らしさは言わずがもななんですが、この映画では普段は女中さん役が多く、出番も少ない浦辺粂子さんの素晴らしさをたっぷりと堪能出来るところ。
「4人(姉妹)の中であんたが一番悪い子だ!」…クライマックスで、浦辺・高峰の壮絶な親子喧嘩による罵り合いが在るのですが、窓の外では2人の怒り心頭振りを表現するかの様な稲光が一筋光る。
すると、それまで腹に溜めていた“モノ”を吐き出した事で心の内がすっきりしたのか、途端に仲直りする親娘。
それまで、わんわん泣き叫んでいた浦辺粂子さんなんか突然ニコニコしてしまうんだから現金なもんだ(笑)
でもこんな親子関係って、ごくごく当たり前と言えるな関係なんですよね。
罵り合いが娯楽映画になってしまうなんて…。成瀬巳喜男の何という凄さよ。
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