「女という生きもの」稲妻(1952) syu32さんの映画レビュー(感想・評価)
女という生きもの
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DVDで2回目の鑑賞。
初めて観た成瀬巳喜男監督作品です。
高峰秀子の魅力が素晴らしい限り。
いやはやお美しい…。バスガイド姿がいいんだなぁ、これがまた!(笑)
高峰秀子演じる清子の家族が揃いも揃ってどうしようもない人たちばかり。
4回も再婚した母親、貪欲な長女、誠実だけどどこか崩れてる次女、フラフラしてる長男、「次こそは」が口癖の長女の旦那、浮気相手と子を成して急死した次女の旦那、長女と次女を翻弄する男―。
そんな人々が繰り広げる醜くも滑稽な人間模様…こりゃあ、嫌になって出て行きたくなるのも無理無いわ…。出て行った先ではことごとくいい人に出会うというのもまた皮肉な話だなぁ、と思いました。隣家の男性とロマンスの予感も…。清子に笑顔が戻りました。
女性の様々な一面が描かれていて、何とも言えない不思議さと面白味があるなと思いました。
ダメな部分もあればチャッカリしているところもあり、頼りないなと思いきや案外狡猾だったりもする…。それら全て引っ括めて美しいということなのかもしれませんねぇ…。奥深い生態…。
ラストの清子と母親のシーンが印象的でした。抱えていた想いが爆発して双方涙を流しながら大喧嘩。でも次の瞬間には仲直りして、にこやかに談笑しながら家路に付く母親を送っていく清子の姿に清々しさを感じました。
特にこれと言って何かが解決したわけではありませんでしたが、何だかんだとやりながらもこの家族は上手くやっていくのかもしれないなと思いました。不思議な余韻が残る作品でした。
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