急げ!若者
劇場公開日:1974年7月20日
解説
若者に人気のあるフォー・リーブスと郷ひろみを主演にした歌謡青春映画。脚本は「喜劇 だましの仁義」の田波靖男、監督は「ザ・ゴキブリ」の小谷承靖、撮影は「しあわせ」の上田正治がそれぞれ担当。
1974年製作/85分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1974年7月20日
ストーリー
孤児院を巣立った孝二、昌夫、敏男、隆は東京に夢を抱いて就職した。昌夫はガス・ステーションのサービス係、敏男はブティックの店員、隆はホテルのボーイ、孝二はバンド・ボーイ。そして、将来、昌夫はレーサー、敏男はデザイナー、隆はコック、孝二は歌手になると誓い合っていた。ある日、敏男はブティックのママに頼まれて銀行に店の給料を降ろしに行くか、その帰りホテルの前で、外国人観光客の素敵なニューモードに出くわし、金の入ったバッグを足許に置いてスケッチを始めた。だがそのホテルで働いている隆は、客の荷物を車に積み込む時に、敏男のバッグも積んでしまった。幸いバッグは交番に届けられていたが、三十万円は紛失していた。紛失した金の返済の助けになればと、寮母の真紀と、四人の仲間の浩は四人の歌のテープをレコード会社に売り込むが相手にしてもらえない。結局、放送局に持ち込み、強引にテープを流すが、途中で切られてしまい、二人はガッカリ。ある夜、孝二は黙って昌夫に三十万円を手渡して去っていった。不思議に思った三人は、ヤクザの仲間とつき合っているのではないかと問いつめると、「孤児院出の俺たちはいつまでも下積み、俺にはヤクザが向いてるんだ」とうそぶく孝二。怒った三人は、孝二に絶交を言い渡した。一方、ラジオに流されたテープを聞いた芸能プロの中原はすっかり惚れ込み、四人をデビューさせたいと真紀に持ち込んだ。三人は絶交した孝二を捜し出し、フォー・リープスと名のり、唄とダンスの特訓が始った。公演も迫ったある日、孝二がかかわりを持ったヤクザが興行権を渡すように脅迫して来た。孝二は他の三人に迷惑をかけまいと、昌夫の制止を聞かず単身ヤクザの所に乗り込んでいった。三人も後を追った。凄惨なりンチを加えられる孝二。後を追って来た三人の助け甲斐もなく孝二は、ナイフで脇腹を刺され鮮血を散らして倒れた。パトカーが駈けつけ、ヤクザは逮捕された。そして、孝二は病院で息を引きとった。呆然とした三人は、一度は公演を中止しようとするが、孝二の意志を継いで成功させなければと、代役に港をたてて公演を迎えた。当日、満員の会場。真暗なステージに隆、昌夫、敏男、浩にスポットライトが当り、浮び上がる。一人一人のソロ、浩の番になっても声が出ない。スポットの中ですくんでいる浩は唄わずに突然喋り出した。「僕はスポットの外に出ますが、その中にいるのはコーチャンです」、白く光るスポットの論……。