「30年前に撮られたショーグンの逆バージョン」EAST MEETS WEST あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
30年前に撮られたショーグンの逆バージョン
イースト・ミーツ・ウエスト
岡本喜八監督の1995年作品
西部劇なれどサムライが登場するという珍品
岡本喜八監督ファンなら西部劇が好きなんだろうなとは独立愚連隊とかで観てとっくにご存じのはず
長年の念願を叶えてとうとう米国まで行ってマジで西部劇を撮ってしまったとういう作品
でもおふざけの過ぎた何ちゃって西部劇映画なんぞではなくて、大真面目に西部劇の世界にサムライが登場してもおかしくないようなしっかりした内容の映画なっています
本作の中盤金髪の少年に日本刀の扱い方をサムライが教えるシーンがあります
これはスターウォーズのリスペクトですね
米国ロケです
日本の撮影所でセットを組んだなんちゃって西部劇とは次元が違いますセットも衣装、小道具もいい加減なものではなくて、隅々まで神経が行き届いた正しい西部劇にしっかり仕上がっています
外国人が日本を舞台にして映画を撮ると大抵ヘンテコな、なんちゃって日本になってしまうように、その裏返しの映画には、自分が観る限りなってないません
もしかしたら米国人が本作をみたらなんじゃこりゃ!という違和感を感じるのかも知れませんが
それでも米国人には西部劇へのリスペクトが根底にあると感じてもらえると思います
主演はショーグンでゴールデングローブ賞を獲得した真田広之
つまり本作は30年前に撮られたショーグンの逆バージョンと言うわけです
きっと真田さんとっても本作とショーグンには不思議な感慨があるのではないでしょうか?
ただお話は大して面白くないのが残念至極
コメディリリーフとして竹中直人が出演しているのにもったいない限り
サムライが西部劇の世界に登場する映画というのは実はもうひとつあります
1971年のレッドサンです
007映画で有名なテレンスヤング監督作品、しかも俳優はチャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン、三船敏郎というのだからたまらない
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