雨あがるのレビュー・感想・評価
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こんな時代劇もあってもいいかな
時代劇というと「勧善懲悪」なストーリーが多いけど。
随所に織り込まれる雨や、豊かな緑の風景に相まって。
実にのんびりとした、ほぼ平坦なストーリー(夜に見ると寝ちゃいそうかも)。
主人公が剣の達人という設定を軸に、殿様に気に入られ屋敷に上がったり。地元道場主たちから恨まれるなど。「おお!」な箇所もあるのですが。
「闘わない」武士(浪人)夫婦の、静かな生活。
いつも静かに夫の帰りを待つ妻。奥ゆかしいなあと思ったら実は、というのが最後締ってました。
下級武士や浪人の話は庶民的であり心暖まる。城の藩主に招かれるとな...
本当の幸せとは…
寺尾聡よかった
寺尾聡が凄腕の剣客であるにもかかわらず人柄がよすぎて、周囲のひがみを買ってしまい、どこに行ってもうまくやれないという人物を演じていた。そんな非の打ちどころのない人物は、ドラマとして嫌ったらしいに決まっているのだが、寺尾聡からにじみ出る人柄のよさで好ましく見て応援したくなった。
人柄のよさだけではなく、殺陣のシーンは長回しが多く、本当にすごい剣の腕前になっているかのようであった。殺陣シーンはどれも素晴らしかった。
しかし、本音を言えば、剣の腕が一流でも人格がクソで嫌われ者が主人公の映画が見たい。
日本の美を表す雰囲気
総合70点 ( ストーリー:60点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:75点|音楽:65点 )
日本の自然と夫婦愛と倫理の美しさが表された作品だった。しっとりと落ち着いた雰囲気があって、そして晴れ晴れとした爽やかな気持ちと幸せの予感が残った。
でも気に入らない部分も多い。まず貧乏というのはこんなに甘くないのではないだろうか。その日に食べるものもなくなり雨でも宿泊料もなくなりとなれば、惨めな状況に黙って耐えているわけにもいかなくなるし揉め事も増えるものだ。いつまでも道場破りばかりしているわけにもいかないだろう。それから剣術を習った武士相手に素手で対抗なんてのは強くても平和的という主人公の印象が出来ていい人に見えるのだが、これは明らかにやりすぎでそんなことが出来るわけがない。全体に謙虚で慎ましい善良な日本の美が描かれているのだが、綺麗ごとが続いて逆に空々しいなとも思った。
それと殿様役の三船史郎、滑舌が悪いし科白回しも下手。黒沢監督にささげる映画ということだけど、彼は名前負けしていた。
いい映画ってこういうのんやな!
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