劇場公開日 2000年1月22日

「【”何をしたかではなく、何の為にしたかが大切。”黒澤明監督の優れた脚本を、品性高き武家夫婦を演じた寺尾聰と宮崎美子が更に高めた逸品。】」雨あがる NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”何をしたかではなく、何の為にしたかが大切。”黒澤明監督の優れた脚本を、品性高き武家夫婦を演じた寺尾聰と宮崎美子が更に高めた逸品。】

2022年7月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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■武芸の達人でありながら、お人好しな性格が災いして仕官になれない三沢伊兵衛(寺尾聰)とその妻(宮崎美子)は、旅の途中、長雨に降られてある安宿に投宿している。
 宿の客たちは、徐々に苛立ちを見せ始める。
 そんな折、若侍同士の果しあいを仲裁した三沢は、その腕を見込まれて藩主・永井和泉守の城に招かれる。

◆感想

ー 内容は巷間に流布しているので割愛。-

・三沢夫婦が、お互いに敬語で交わす会話の心地よさ。

・三沢伊兵衛が、宿の皆の事を考えて、掛け試合をし、金子を稼ぎ宿の皆に振舞うシーン。
ー 皆から、疎まれていた夜鷹の女(原田美枝子)にも、温かい言葉を丁寧に掛け宴に誘う、伊兵衛の姿。前夜までと違って、楽しそうに酒を飲む人々。ー

・三沢伊兵衛は、藩主に見込まれ、剣術指南番に取り立てられる直前まで行くが・・。

<今作では、人間にとって真に大切な事は何かという事が、確かに描かれている。剣術指南番任命を断りに来た、家老に対して三沢伊兵衛の妻が、静かに微笑みを浮かべて言った言葉。
 ”何をしたかではなく、何の為にしたかが大切。”
 今作は、黒澤監督の遺志を継いだ小泉監督が見事に紡いだヒューマン時代劇である。>

NOBU
Mさんのコメント
2024年2月5日

宮崎さんが遣いの人に言った言葉が痛快で、宮崎さんもこの映画も大好きになりました。

M