「俺はお前の父親」あ、春 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
俺はお前の父親
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韮崎紘(佐藤)の勤める証券会社は倒産の噂が絶えないほど。同僚の沢近(村田雄浩)とは仲が良く飲みに歩いていて、再就職の相談まで乗ってもらってた。妻の瑞穂(斉藤)は躁うつ病の気があり、何度も紘を困らせていた。折も、妻の父親が死んだばかり。義母(藤村志保)もさばさばした様子だった。住職(笑福亭鶴瓶)が言う「父親が98歳まで生きていた」なんてのも、家族の現実をちょっと語ってた。適度な寿命・・・
義母の入浴を覗き見したとして、一旦は家を追い出される始末の笹一。しかし、内縁の妻がいる故郷へは戻らず、韮崎家の近所の公園でホームレスたちと一緒に暮らしていた。あてつけだったのか、そういう生活が好きだったのか・・・とにかく、もう一度家で面倒見ることになった。しばらくして内縁の妻が訪れて、彼女を追い返す笹一。そして、相談にのってくれた紘の実母(富士)がやってきてくれて、「紘はあなたの子じゃありません」と衝撃の告白を・・・その直後に肝硬変が原因で笹一は倒れてしまい、即入院。呆気なく死んでしまった笹一だったけど、漁業をやっていたために葬儀は水葬。ボートの上から骨を撒いて、みな清々しい表情で語っていた。
長回しなどの映像のテクニックという持ち味で引っ張るわけでもなく、淡々とホームドラマを進めてゆく。相米らしくないのだ!もちろん、役者の演技はみな素晴らしく、引き込まれてはいくものの、コメディの割には“家族と死”というものをじわじわ感じさせる重い内容になっているのだ。
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