劇場公開日 1971年9月4日

「黄金時代の残光。」遊び comeyさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0黄金時代の残光。

2023年8月13日
PCから投稿

黄金期日本映画の残光がまだ残っていて、美術はどの画面も素晴らしいし、増村保造と何度か組んだ小林節雄のカメラも大半がすぐれた画角。

が、せりふが壊滅的にすさまじい。いくらこの時代のジャンルフィルムとはいえ、ほとんどやけっぱちのような歯の浮いた台詞が連発されて、今となってはある種のパロディとしてしか見ることはできない。

監督の増村は、日本映画のテンプレートを笑いのめすためにこの映画を作ったのではないか、と思いそうになるほど…。

それにしてもこれを「本当の愛の形」とか言い出すおっさんがいること自体が、なにかの病の現れ。映画みてないで病院いけ病院。

この頃の日本映画が、ほとんど全く何も考えなくともそれらしいシーンを撮っていけた、と確認できることだけが唯一の取り柄の作品。そうと割り切れば、主人公の二人の切り返しは画角と編集でリズムをつくっていて、今でもTVドラマを撮る人には参考になるのでは。

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milou